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五十三、青州の風見鶏
53.
初,曹嶷據有青州,旣叛劉聰,南稟王命,以建鄴懸遠,勢援不接,懼勒襲之,故遣通和。勒授嶷東州大將軍、青州牧,封琅邪公。
(訳)
当初、曹嶷は青州に拠りて劉聡に叛き
南から王命を受けていたが(東晋に寝返った)、
建鄴から遠く離れていて援軍を望めず、
石勒に襲撃される事を恐れた故に
使者を遣わして和を通じようとした。
石勒は曹嶷に東州大将軍、青州牧の位を授け
瑯琊公に封じた。
(註釈)
曹嶷はもともと
王弥の部下だった奴ですが
派遣された青州で、いつのまにやら
かなりの勢力を築いており、
王弥が石勒にやられたあたりで
独立の志を抱き始めたようです。
あの苟晞と青州で互角以上に渡り合い、
この混沌とした時代の中でも
10年ほども勢力を維持できているあたり
ただ者じゃありません。
青州に割拠しながら、
乗っかるべき船を
見定めている感じですが……
やはり最終的に石勒の餌食!
次回、劉聡が死にます。




