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淡々晋書  作者: ンバ
第百四、石勒載記上
128/313

四十二〜四十四、乞活戦/175|R《ランペイジ》

42.

徙平原烏丸展廣、劉哆等部落三萬餘戶于襄國。


(訳)

平原の烏丸の展広てんこう劉哆りゅうた

部落三万余口が襄国に移った。



(註釈)

移ったんじゃなくて

石勒が移した……かな。


劉琨軍団神出鬼没だし、貴重な人的資源は

目に見える範囲に置いとかないと

いつ寝返るかわかったもんじゃない。


43.

使石季龍襲乞活王平于梁城,敗績而歸。又攻劉演于廩丘。支雄、逯明擊甯黑于東武陽,陷之,黑赴河而死,徙其衆萬餘于襄國。邵續使文鴦救演,季龍退止盧關津避之,文鴦弗能進,屯于景亭。兗豫豪右張平等起兵救演。季龍夜棄營設伏于外,揚聲將歸河北。平等以為信然,入于空營。季龍回擊敗之,遂陷廩丘,演奔文鴦軍,獲演弟啟,送于襄國。演即劉琨之兄子也。勒以琨撫存其母,德之,賜啟田宅,令儒官授其經。


(訳)

石虎に乞活きつかつ王平おうへい梁城りょうじょうにて襲撃させたが、

敗北を重ねて帰還してきた。


ふたたび劉演が廩丘りんきゅうを攻めてきた。


支雄しゆう逯明ろくめい

東武陽とうぶよう甯黒ねいこくを撃ってこの拠点を陥し、

甯黒は河に赴いて死んだ(入水自殺)。

甯黒の軍勢一万余は襄国に移された。


邵続しょうぞく段文鴦だんぶんおうに劉演を救援させたが、

石虎が(いったん)退き、

盧関津ろかんしんに止まってこれを避けたために

段文鴦は進むことができずに

景亭けいていに駐屯した。


兗州・豫州の豪右の張平ちょうへいらが

劉演を救援せんと挙兵した。


石虎は、夜中に陣営を棄て

外部に伏兵を設けると

「河北に帰還する」と喧伝させた。


張平らは石虎が実際に

撤退するものだと信じてしまい、

空になった陣営に突入してきた。


石虎は軍を回して張平らを撃ち破り、

とうとう廩丘を陥落させた。


劉演は段文鴦の軍に落ち延びたが、

劉演の弟の劉啟(りゅうけい)は捕らえられ

襄国へと送られた。


劉演は即ち、劉琨の兄の子である。


石勒は、劉琨が在りし日の母を

ねぎらってくれた事に恩義を感じており、

劉啟に田宅を賜って

儒官に命じて経書を授けさせた。



(註釈)


石虎、陣営を放棄して

撤退したかのように見せて

伏兵で敵を破るとは

頭もなかなか切れます。


まだ20か21くらいなのに

大したもんです。


その石虎が連敗したという

王平おうへいの株が爆上がりです。


三国志の蜀にも王平いましたが

あちらも優秀な指揮官でした。

同名異世代人も強いぜオウヘイヘイ。



石虎は劉演を撃破し、

その弟の劉啟(りゅうけい)をひっ捕らえますが、


石勒はかつて、劉琨が

母親と石虎を厚遇し、

自身の元に返してくれたことに

恩を感じていたので、自身も

同様にこの劉啟(りゅうけい)

VIP待遇で迎えました。


怒ると見境ないけど

石勒は基本義理堅いんです。


175(いなご)(ランページ)


44.

時大蝗,中山、常山尤甚。中山丁零翟鼠叛勒,攻中山、常山,勒率騎討之,獲其母妻而還。鼠保于胥關,遂奔代郡。


(訳)

この時大規模な蝗害が起こり、

中山・常山(の被害)は特に甚大であった。


中山の丁零ていれい(当時の遊牧民)の翟鼠てきそ

石勒に叛いて中山・常山を攻めてきたため、

石勒は騎兵を率いてこれを討伐し、

その母・妻を捕えて帰還した。


翟鼠は胥関を保っていたが

遂には代郡へと奔走していった。



(註釈)

蝗害だーーーーーー!!!!


虫偏に「皇」なんていう

スゴい旁が与えられている

「蝗」ですが、その字面だけでも

当時いかに畏怖されていたかがわかります。


バッタの群れが卒然と空を覆い

穀物をあっという間に食い尽くす様は

まさしく天災。

戦況にも多大な影響をもたらします。


極端な話、勝ち戦でも、

バッタに穀物食い荒らされたら

問答無用で負けになってしまいます。



蝗害が特にひどかった中山・常山で

遊牧民の翟鼠てきそが反乱を起こします。

すぐに鎮圧されてますが。


豚・鹿・豹・羆・虎・馬に続いて

今回はネズミ……。


周囲に動物名前を集める石勒は

五胡十六国のあつ森だ(崩壊する現代国語

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