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淡々晋書  作者: ンバ
第百四、石勒載記上
123/313

三十二・三十三、演技派俳優石勒/王彭祖まさに虜となるべし

32.

子春等與王浚使至,勒命匿勁卒精甲,虛府羸師以示之,北面拜使而受浚書。浚遺勒麈尾,勒偽不敢執,懸之于壁,朝夕拜之,云:「我不得見王公,見王公所賜如見公也。」復遣董肇奉表于浚,期親詣幽州奉上尊號,亦修箋于棗嵩,乞幷州牧、廣平公,以見必信之誠也。


(訳)

王子春らが王浚の使者とともに至ると、

石勒はつよき兵や

精巧な武具をかくすよう命じて

空っぽの倉庫や羸弱るいじゃくな師団を見せ、

※北面して使者に拝礼した上で

王浚からの書状を受け取った。


(※皇帝と謁見する際の儀礼、

石勒は、表面上はあくまで

王浚を奉戴しているかのように振る舞う)


王浚が石勒に麈尾しゅび払子ほっす)を送ると

石勒は本心を偽って手に取ろうとせず、

壁に懸けて朝夕これを拝んだ。


そして言うには


「我は王公に見える事は出来ませんで、

王公から賜られたものを

王公だと思って謁見しているのですよ」


再度董肇(とうちょう)を派遣して

王浚のもとへ上表文を奉じ、

石勒自ら幽州を詣でて

尊号を奉る事を確約した。


また、棗嵩に手紙を修めて

幷州牧、広平公の地位を求め、

(石勒は本当に王浚に帰順するのだと)

信じ切っていい程の真心を示した。



(註釈)

王浚からプレゼントされた払子ほっす

王浚本人だと思って拝んでるとか

握手会で「一生手洗いません!」

とのたまう熱狂的ファンのよう。


こんなことされたらそりゃ信じるよ。



33.

勒將圖浚,引子春問之。子春曰:「幽州自去歲大水,人不粒食,浚積粟百萬,不能贍恤,刑政苛酷,賦役殷煩,賊憲賢良,誅斥諫士,下不堪命,流叛略盡。鮮卑、烏丸離貳于外,棗嵩、田嶠貪暴于內,人情沮擾,甲士羸弊。而浚猶置立臺閣,布列百官,自言漢高、魏武不足並也。又幽州謠怪特甚,聞者莫不為之寒心,浚意氣自若,曾無懼容,此亡期之至也。」勒撫几笑曰:「王彭祖真可擒也。」浚使達幽州,具陳勒形勢寡弱,款誠無二。浚大悅,以勒為信然。


(訳)

石勒は王浚を謀らんとして

王子春を引見して彼に諮問した。


王子春は言った。


「幽州にて去年大水(洪水)が起きて以来

人々は粒食りゅうしょく(米を口に)して

おりませんでしたが

王浚は百万の粟を積んでいながら

贍恤せんじゅつ(補填)する事が出来ず、

刑罰や政は苛酷で賦役は煩雑、

賢良なる者を害して

諫言の士を誅殺・排斥しており、

下々はその命に堪えられずに

流浪し、そむく者が殆どでした。


鮮卑・烏丸は外部にて離れそむ

棗嵩そうすう田嶠でんきょうが内部にて暴利を貪っており、

人心は悲哀によりみだ

甲士は羸弊るいへい(疲弊)しております。


王浚はなお臺閣たいかくを立てて配置し

百官を敷き並べて、自身は

漢の高祖(劉邦)・魏の武帝(曹操)すら

並ぶには不足であると述べておるのです。


また、幽州ではうたの怪異が特に甚だしく、

(オカルトめいたはやり歌があった)

聞いて心胆を寒からしめぬ者はおりませぬが、

王浚の意気は自若として

容貌に懼れの色はまるで見えませぬ。


これは、亡びる時期に至ったという事です」


石勒は机を撫でて笑いながら言った。


「王彭祖、真にとりことなるべし」


王浚が幽州に使者を通達させると、

つぶさに石勒の形勢が寡弱で

款誠にして二心を抱いておらず、とべた。


王浚は大喜びし、

石勒は信用できるものと見なした。




(註釈)

ちょっと前の節で王浚のことを

べた褒めしていた筈の王子春も、

主人が見てないところでは

ボロクソにこき下ろしとります。


他にも王浚は墓を破壊して

灌漑を進めたりとかしてたもよう。


それを聞いて勝利を確信した石勒、

机をさすって大笑い。



王浚は事もあろうに、自分自身は

劉邦や曹操よりも上だと思い込んでいるとは。


確かになかなかの傑物ではありますが

その二人と比べたら月とスッポン、

思い上がりも甚だしいというヤツです。



石勒の王浚()り、

いよいよ仕上げの段階に入ります。

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