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芸能人と付き合いたくて色んなものになったけどみんな結婚して絶望して壊れました。 〜美少女達が誘惑してくるけど一切負ける気がしない〜

作者: 消す者

 ◆◆◆◆◆



 〜小学校3年生〜


 この時期俺はとあるひとりの女優に本気で惚れていた。どんな事でもしてやろうと誓った。


『池田エルイザちゃんはどんな人がタイプなのかな?!』


 1人の司会者が聞く。


『えぇ〜、どうだろう〜....。 実は私筋肉質な人が好きなので格闘技やってる人とかですかね〜。 』


 笑いながらその女優が答える。


 当然。 本気で何でもしようと誓っていた俺は総合格闘技を始めた。それから二年間冗談抜きに本気でやっていた。そう、あの悲劇が起こるまでは....。



 ◆◆◆◆◆



 〜小学校5年生〜


「おい! 富嶽(ふがく)!」


 あ〜。 この富嶽ってのは俺の名前だ。 親が昔の浮世絵からとった名前だ。 この時期の俺はそんなことは一切知らなかった。 中学にいって少しいじられるがなんてことは無い。 被害はなかったと言える。

 おっと、話を遮って悪かったな。続きを出そうか。


「おい!富嶽(ふがく)! 明日が世界決勝だ! 今日は無理するんじゃねぇぞ?! いや〜俺は誇らしいぜ....! まさか、たった一年でジュニアプロ入りしてたった2年世界大会決勝だ....! お前絶対にプロになって世界をとれる....! 信じてるからな....!」


「はい!」


 当然この頃の俺はプロになろうと必死だった。 なぜならあの方と付き合えるのだから。 それだけが俺の練習をするモチベーションだった。 なのに、なのに、この練習中にテレビでやってしまったのだ。 その放送が....。


『あの....言いづらいのですが....私、池田エルイザはとあるYouTuberの方とお付き合いさせて頂いてました....!』


 はい。 第一の事件発生。 で、練習中にぶっ倒れた。


「富嶽?!おい!富嶽!聞こえるか!富が.......



 ◆◆◆◆◆



 まぁ、モチベーションが完全になくなって燃え尽きた俺は池田エルイザへの怒りを決勝の相手にぶつけた。


「いや、筋肉質とは程遠いいYouTuberじゃねぇかぁ?!」


 強烈なアッパーを決め込み脅威の一発KOを達成して俺は総合格闘技を引退した。 ネットとかでは若き天才電撃引退とか言われたがそんな事はどうでもいい。

 俺は、それから二ヶ月ほどは燃え尽きていた。 考えていたのは池田エルイザへの悪口だけだった。


 飯の時も風呂の時も勉強の時も。


 クソが。 あのビッチが。 クソビッチが....。


 まぁ、そんなこんなでいつも通り悪口を考えながら夕飯を食べていたらまた、天使は現れた。


『ももちですっ☆よろしくお願いしまぁす☆』


 思わず箸を落として見とれてしまった。なんなら茶碗は投げ捨てた。


 かっ、可愛い....!


「おぉい!富嶽ぅ?!茶碗をどこにぃ?!」



 ◆◆◆◆◆



 そして、調べた。彼女の出演していたテレビを全て。 彼女の発言一つ一つを文字に起こして読み返した。 そして、運命の時は来た。 俺が次何になるかがこの瞬間にかかっている。


『ももちちゃんはどんな人がタイプなのかな?!』


『少し恥ずかしぃんですけどぉ....私いっぱい食べるのでぇ....料理人さんとかが良いかな☆欲を言えば和食☆』


 うおぉ!料理人だとぉ?!なり方を調べなければ!


 検索した結果はどこかのお店に弟子入りしなくてはならないと書いてあった。


 よっしゃぁ!運がいい!


 そう。 運が良かったのだ。 俺の親父はとある料亭の店主。 なんかの雑誌で星二つとか何とか自慢してきたがその時の俺は絶賛格闘技に夢中。だが、今はもう料理人以外になるものなどない!


 そして、夕飯時。 親父にその決意を伝える。


「親父!」


 茶碗の米を全て食べたあと。 バァン! 立ち上がり茶碗と箸を投げ捨て。 親父に向く。


「おぉい! 富嶽ゥ?! 茶碗を投げるなぁ?!」


「親父! 俺に料理を教えてくれ! 弟子入りさせてくれ!」


「まずは茶碗を大事にしろよォ....話はそれからだろうがァ....」


 なるほど....! 茶碗を投げない事が料理人への第一歩....! 険しい道のりだな....!



 ◆◆◆◆◆



 〜中学一年生〜


「おい。 富嶽。 こっちに来なさい。」


 皿洗いで茶碗を洗っている途中にいつになく真剣な顔をした親父が俺を呼んだ。俺は泡だらけの茶碗を片手に一体どんな話をされるのか今日も強烈なダメ出しをくらうのだろうかと不安だった。

 だが、親父の口からは予想外の言葉が吐き出された。 それと、同時に悲劇は起きた。


「お前には才能がある。 お前の才能には驚いた。 まさか、二年で俺に追いつきそうになるなんてな....。 もう、俺の教えることは無い。 あとはお前の料理を追求しろ。 お前はいつでも厨房にたっていいぞ!」


 そういう親父は涙を片目から出していたが俺の頭には全く入ってこない。なぜなら後ろのモニターには....。


『私、桃尻あいちは。 こちらの料理人の方と結婚させていただきます!』


 思わず片手の茶碗を投げた。



 ◆◆◆◆◆



 そして、考える。 なぜ俺が付き合えなかったのか。 数日間部屋にこもって考えた。


 そうか!俺は()()()()()()()遅かったんだ! ならば....先に全てなっておけばいいじゃないか! 幸い今は中学一年生前半....! 全てを極めればいいじゃないか!....!


 そんな悪魔的発想が俺の頭の中で出来た。

 それからは地獄の日々。


 月曜日 陸上部と心理学

 火曜日 剣道部と料理

 水曜日 サッカー部と勉強

 木曜日 野球部と心理学

 金曜日 バスケ部と勉強

 土曜日 バレー部と料理

 日曜日 柔道部と心理学


 三年間そんな地獄を過ごした。そして、その三年間で好きになった芸能人は数百に及ぶ。 が、例によって三年の卒業式の日当日に奇跡的に全員が付き合いを発表したり結婚したりした。


 当然心が壊れた。 あの地獄の日々はなんだったのかと。 自問自答し続けた結果結論は出た。


 そうだ。バカになればいいんだ。 何も考え無ければ辛いことなんてないんだから。


 高校は頭の良さは上の下くらいの場所に入試のテスト全て満点で首席入学した。

 

 そして、現在に至る。



 ◆◆◆◆◆



 よし。もう部活には入らないし女にも惑わされない。


 そんなスローガンと砕けた数々の茶碗達を胸に歩みを進めたのだった。

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