第四話 命の決意
前回までが以前書いたものです。
その時の賞に出す為の分量と形式で書いています。
今回の賞に出す文量に満たないのとWEB連載という事もあり。
今回から短めの話数形式で最低一冊分の分量になるまでは続けていきたいと思います。
今回から極端に短くなりますが。
プロローグ→第一話
一章→第二話
二章→第三話
と変換して読んでもらえるとありがたいです。
「三郎はカッコ良かった!」
「最高だった!」
さて、そろそろ私も恰好つける番よね?
命は霊的な事は未だによく解ってなかったが。
一つ解った事がある。
それは霊士が生きているという箏だ。
霊士が言っていた魂の尾。
ごくたまにだが見えるのだ。
やっぱりあれは魂の尾よね?
だったらあれを辿れば霊士は自分の体を見つける事は簡単だろうし。
霊士ほどの者が見えないとか気づかないとかは無いだろう。
「やっぱり!」
「私に気を使ってるのよね?」
「どうした?」
「霊士はやっぱり早く生き返ったほうがいいと思う!」
「私に見えて霊士に見えないわけ無いでしょ?」
「魂の尾を辿れば自分の体なんかすぐ見つかるよね?」
「いつから気付いていた?」
「気づいたのはちょっと前だけど!」
「心を決めたのは三郎君のおかげ!」
「ううん!」
「強い意志を貫いた三郎君と!」
「守られるだけの価値のあるほのかちゃん!」
「あの二人を見たから!」
私には守られる価値は無い。
死んでも(仮死状態になっても)。
必要な事はけっして忘れなかった霊士。
長い間、愛を育んできたほのかと三郎。
それに比べて大事なことを何も覚えていない私。
初対面の零士に助けてもらうだけの私。
長い間一人ぼっちだったから。
一人ぼっちでさえなければ良いと思っていた弱い私。
でも、そんな私にサヨナラする。
私は明らかに死んでいるから。
それは仕方ない。
でも、霊士はまだ死んでない。
助かるんだ。
私が足を引っ張っちゃ駄目。
「ごめんね霊士!」
「あなたに助けられてばかりで!」
「でも私は!」
「あなたに生きてほしい!」
「そろそろ潮時だな!」
「生き返るとするか!」
「だが聞いてくれ!」
「さっき二人のおかげで心を決めたと言ったな!」
「実は俺もある人物のおかげで!」
「心を決めたんだ!」
「そいつは記憶喪失で自分のことはおろか!」
「役に立つ事など何も覚えていない!」
「そして自分の力だけでは満足に動く事も出来ない!」
「しかし運命に必死で抗った!」
「他人の運命にも必死で抗い!」
「一人の少女を一度救った!」
「そんな!」
「嘘!」
「俺はそんなたいした人物では無い!」
「たまたま自由に動けるから!」
「他の幽霊から逃げまくってた!」
「弱虫野郎さ!」
「自分で身に着けた覚えの無い知識を!」
「必死で総動員して切り抜けてきた嘘っぱちさ!」
「がっかりしたか?」
「嘘でも良い!」
「人のためを思っての嘘なら!」
「だから私は今から嘘をつく!」
「がっかりしたわ!」
「だからとっとと生き返っちゃいなさい!」
「せいせいするわ!」