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最強ヤンキーの異世界ライフ  作者: ニアモルモット
17/18

固有魔法




相手の初手を受けることは無い。

何の魔法を使うかわからない状況で、俺が出来ることは…



ーーー 先手必勝だ!!


「|巨人の手《ハンド・オブ・ギガント 》!」


俺は素早く魔法を展開する。

すると、ヴェルツンの足元を中心にして大きな魔法陣ができる。

その魔法陣からは巨大な腕が4本…ヴェルツンを囲むように現れる。


だが…


「なぁ、キアン…自慢していいぜ?俺にこの魔法使わせるなんて滅多にないことなんだからよ!」


「ふんっやれるもんなら、耐えてみやがれ!」


そう言うと同時に、4つの手は拳を作ってヴェルツンめがけて攻撃をする。



手が動いた時、ヴェルツンのオーラは紫色へと変わったのが見えた。

そして…

吸収(アブソープション )!』


4本の巨大な腕はヴェルツンに届くことは無かった。

そして、何事もなかったかのように俺の魔法は消えた。


「ッ!まじかよ…」


ーーー してやられた…何をしたか分からんが、魔法が消えた?


「………何をした?」


この今起きている訳の分からない現象は聞くしかない。そう思い聞いてみた。

答えが返ってくるとは思わないが…


「あ?あー…これね。こりゃあれだ、吸収したんだ。引き寄せて自分の魔力に転換したんだ。これは誰にも真似できねぇ俺だけの魔法。知ってるだろ?固有魔法ってやつさ」


答え返ってきました。こいつバカなの?いや、馬鹿か。普通言いますか?自分の手を晒すなんてあり得ないだろ…

それとも、余程自信があるか…

だがそれより、固有魔法なんてあるとは知らなかったが…


「なるほど…お前の魔法は、つまりは『吸収』に特化した魔法ってことか?」


そう。知ったかぶりである。

俺は負けず嫌いな部分は少々ある、だからこそこいつより馬鹿とは思われたくはない!だからこそ、とっておきの知ったかぶりをするのだ!

ふふっ俺は馬鹿に馬鹿と言われるのだけは御免だ。

しかもあのツンツンにだけは馬鹿にされたくない!そして…あいつだけには何故か喧嘩でも負けたくない。


そう思ったりしていると、ヴェルツンが話す。


「そうだな…まぁ7~8割程度は正解だぜ。だから言っておく!俺に魔法は通じねぇ!!」


「チッ…クソめんどくせぇ野郎だな!!」







何故だ?何故、楽しんでいる?

これまでの喧嘩で楽しいなんて思ったこと1度も無い。戦い方「魔法」が加わったからだろうか?

確かに魔法を駆使して戦う事は新鮮で楽しいとも思う…だが、それとは違う。


ーーー ……俺は今コイツと戦っている事が、その事自体が嬉しく、そして楽しいのか…


今…目の前で起こる現象が

今…相手の拳が

今…俺の拳が

今…相手の魔法が

今……!!!!






「「ハァハァハァ…」」


二人は、肩で息をする。

それ程までに二人の戦いは凄まじいものだった。


ヴェルツンの固有魔法である「吸収」は魔法だけでなく、認識したもの全てを吸い寄せる。その吸い寄せたモノを体内へ収める事ができる魔法。

ただ、体内へ収めることができるのは、魔法だけらしい。戦ってみて俺の拳や、崩れた壁などは吸い寄せることしかしなかった。


そのことが分かったのは戦い始めて数分…

かなり時間をかけてしまった…と言うより、ヴェルツンの魔法の使い方が上手かったのだ。


俺は1つ思った。

戦いの最中、見様見真似で固有魔法である吸収を使おうとしたが…


『おい、いくらお前でも固有魔法は真似できねぇよ』


と、言われてしまったのだ。


全属性に適応していると言っても、固有魔法までには及んでいない。

故に思ったのだ。


今後戦う相手に固有魔法の使い手がいたとしたら…と。


実に厄介だ…



そんな事を思っていると、一瞬の隙をつかれたのか


吸収(アブソープション )!」


魔法発動と同時に、俺の身体が見えぬ何かに引っ張られる。

それは徐々に強くなっていきヴェルツンへ身体が吸い寄せられる。


ーーー やっべ!


「吸収した分、全部返してやるよ!『黒き鬼の手ブラック・デビル・ハンド』!!」



ヴェルツンの右腕は真っ黒でそれでも輝いている。

拳を作り、タイミングを合わせるように殴りかかってくる。


どうすることも…できねぇ…



ッズン!!!!!




俺はそこからの記憶を覚えていない。


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