白猫と黒猫
前回も出てきましたユリちゃんの説明で
胸が結構大きいと書きましたが
「13歳にしては」を付け足しておきました。
試験後、約束通りユリに報告をしに行った。
クラスの説明など受けてから受けた順番でクラスが発表されていった。
クラスの別れ方は
[特S<S<A<B<C<E<D<F]
と、いう風になっている。
日本の学校みたいに、人数が平等に別れているわけではない。例えばBクラスには50人居るが、Bクラスは20人しかいなかったりするらしくて、学年ごとでバラバラらしい。
それと、驚いたのが特SクラスやSクラスは貴族のみしか入れないらしい。逆に言えばF〜Aクラスには貴族は居ないという事だと。
で、この話を聞いて思ったのが
ユリは特Sクラス…つまりあいつは貴族。名前が長いからそんな気はしていたが…
ーーー でも待てよ…?校長も結構名前長かったけど…もしも、貴族とするならばあの最初の話でFクラスって事はおかしいしな…
こんな事も思ったが、この世界の常識はやはり分からん。貴族なのにFクラスだと言ったことにも…
分からない事は後回しにしよう。
少し話が逸れたが、俺はAクラスだった。
何故か少しユリに負けた気分だ。
ーーー …やっぱ貴族ってのは強いのかなあ
なんて思ったりしながら、これから俺が生活していく、そして家となる寮へと向かって歩いて居るところだ。
距離はそれ程遠いわけではない。徒歩5~10分と言ったところだろう。中々の寝坊じゃない限り走れば遅刻は無さそうだし…
色々と考えながら俺は寮へ向かって居たのだが、路地裏の直ぐ近くから喧嘩の声がした。
「私の魚を取らないで下さいます?」
「その魚は俺のだ!俺が最初に見つけたんだぞ!」
「やはり貴方とは気が合いませんねぇ」
「合いたくもないわ!」
と、少し変な会話が聞こえてきたのでそちらの方に歩いて行った。
「誰も…いない??」
路地裏へ向かったが声も聞こえなくなり、人の気配もない。
ーーー 妙だな…確かにさっきは誰か居たはずだ
「ほら!お前がニャーニャーうるさいから子供が来ちゃったじゃねーか!」
「私のせいにしないでもらえます?今の貴方も相当うるさいですよ?」
「なっ…そーゆーお前もだな」
「てめーらうるせぇ」
声の出所を慎重に探してみると薄暗い建物の影の所で、猫が喋って居たのだ。
この世界の猫は喋るのか!と興奮したが…うるさ過ぎたから、気配を消し近づいて二匹の首根っこを掴む。
「…え?」
「ほらみろ!捕まえられたじゃねーか!」
「お前ら、喋れんのな」
「「…え??」」
…
…
俺が捕まえた猫は二匹。綺麗で真っ白な猫と、黒だが、気品のある色のしているもう一匹。
捕まえてから少し喧嘩はして居たが、収まった所で色々話を聞いてみた。
「ここら辺の猫はみんな喋るのか?」
「いいえ、喋るのは私とそこに居る黒いのだけですわ。」
「おいコラ喧嘩売ってんのか?」
「貴方に売る喧嘩などありませんが?」
直ぐ喧嘩し始めるこいつらを見ているとアホらしくなってくる。
「ハイそこまで。喧嘩は後だ、まず俺の質問に答えろ」
「「はーい」」
「ところで、他の猫は喋れないのになんでお前らは喋れるんだ?」
「それは言えません。」
「言えねぇな」
と、二匹が口を揃えて言う。
「まぁいいや。お前らの喧嘩は魚だろ?あとであそこの店に売ってある魚買ってやるから、もう喧嘩すんなよ?」
「「本当か?!(ですの?!)」」
「あぁ、本当だ。」
とにかく眠たいから、俺は今すぐ買いに行くことにした。
「ほらよ」
「ありがとうございます」
「あんがと!」
二匹の猫は、器用に頭を下げて礼を言ってきた。
後二つ、こいつらに聞くことだけ聞いて帰るとするか…
「お前ら名前は?」
「ねーよ?お前は?」
「キアンだ」
「良いお名前ですね」
「ありがとよ。それと最後に…お前野良猫か?どうやって生きてるんだ?」
「私達は外で生活しています。野良猫ですからね。」
「俺、そこに住んでるけど…俺の家来るか?飯も毎日ちゃんとあげるしよ」
ーーー 俺は大の猫好きだ…喋れる猫なんか居たら飼うに決まってんだろ…!
「良いのかよ?普通こんな喋る猫嫌だろ??」
「いや、それで構わない。俺以外の人の前で喋ることが無ければみんな驚かないだろうし大丈夫だろ」
「その事に関してですが、私達の声は本来人間には聞こえないのです。」
「そうだよなぁ、これって結構な事件だよな?」
「ええ」
「そんな事気にすんなよ。俺は猫の味方だからなっ」
と、良い二匹にピースをする。
「……では、キアン様お言葉に甘えて…本日から私達をどうぞよろしくお願い致します。」
「キアンよろしく〜」
「おう。それと、様は要らねぇから」
こいつらが食べ終わったのを確認してから、喋る不思議な猫を二匹抱えて寮へと入っていった。
「よし、てめーら汚ねえから……今から風呂な」
「「それだけは勘弁を…!!」」
その夜、キアンの部屋から猫の悲鳴が寮全体へと響いた事はこの時のキアンは知らないのである。
お読みいただきありがとうございます。
キアンは大の猫好きです。猫は正義です。




