片鱗
一話前の前書きの部分はが…後書きに書いていたつもりが…
で、やっとキアンがまとも?な戦闘をするかもです。
(ちなみに、本編でも書きますがキアンはわりかしイケメンにしてるイメージで書いてます。)
俺は待つのが嫌いだ。
どんな時だって、待っている時間が勿体無いと感じてしまう。単にイライラするって言うのもあるが…
だが、今回は我慢だ。なんせ自分で学校に行きたいと言い、それをどんな理由であれ途中で辞めるなど俺の意に反する。
約300人の最後尾に並んでいる俺は、この待ち時間にどれだけ暇を潰せるかが鍵だと思った。それで一つ思いついたことがある。
それは、まだ学校に行く前、母であるエレナが身体中に薄いオーラの膜みたいなのを張っていたのだ。
《これを練習してると、今後役に立つわよ〜?》
と呑気な口調で言っていたのを思い出したのだ。
エレナは、風属性を一番得意とする人だが他の属性もこれといって「弱い」とか「下手」って訳ではなかった為、オーラの膜を張っている時、ゆっくりとそのオーラの色を変えながら、大きさも変えず物凄い集中力でしていたのを覚えている。
ーーー 一旦、あのオーラの膜を張るのをやってみるか。
俺は、大きく息を吸ってゆっくりと吐き続けながら、意識を集中させる。自分の中心に確かに存在しているその魔素を感じ、次第にエレナがやっていた様に膜を張るイメージを持つ。
そしたらどうだろう。赤と黒が混じった不気味な色のオーラの膜が張り付いていた。
ーーー よし!一発成功……
と、思った矢先に集中力が切れた様だ。
やはり簡単ではないか…
膜を作れたとは言え、あちこちにオーラが偏っていたのだ。これも練習あるのみってやつだろう。
俺はこの、オーラの膜を張る練習をひたすらやった。そりゃもう最後尾だからな?時間なんかたっぷりあった。前のやつらがどんどん試験を受け終え、待機場所で待っている。
……試験開始から数時間後
ようやく、次ってところまで来た。
俺以外は一人が試験をやっているところを観戦形式で観ていたが、俺はずっとアレをやっていたからな。実際初見だ。どんな試験内容でも良い…筆記以外はな!!!
そして、また少し時間が経ち俺の番になったと思ったのだが…
「おい貴様…朝のこと覚えているな??」
試験を受ける前に、ロウズが俺の前に来た。
「なんか用か?」
「あぁ、貴様の試験はこの俺が見てやる。試験官の異論は?」
「えぇ、問題無いですけど…なぜロウズ先生が?」
「コイツが朝生意気な事を抜かしたんでな…どれ程の者か確かめる為にだ!」
「わ、わかりました。ではその子が最後ですので、時間はあります。」
「わかった」
試験官のおっさん、結構ビビってたな。
そりゃあんな巨体でガタイも良いから怖がられても仕方ないけど…
「さぁ、まずは魔法無し戦闘試験を始める。良いな?全力でかかって来なさい。でなければ…」
うるさい。相手が誰だろうと、今はぶっ飛ばすだけだ。
「いいから早くやろうぜ。こっちは何時間も待たされてイライラしてるんだ」
「…いつまでそんな口が聞けるか楽しみだな。」
「来いよ…おっさん」
「誰が……!!」
目の前に居たロウズが物凄い形相でこちらへ走ってくる。大体、体の向き・重心・視線 その他諸々を一瞬で把握して、どの様な攻撃が来るのか予想できる。俺がどれだけの人数と喧嘩の数を生き延びて来たも思う?数えた事がないから、正解は無いのだが…とにかく5割程度の力で殴って来そうだった。6歳相手にそんな本気出すのかね…この世界は…
ーーー ただ、今回はボンド達と違っておっさん相手だからな。色々試させてもらうとするか
「おっさんだぁぁあああああ!!!!」
ほらな、予想通りパンチで…
ドンッ!!!
ロウズの右拳は、キアンの左頬へと撃ち込まれる。
ーーー ガキのくせにこの俺のパンチをモロに食らっては元も子もな…
ッバゴォォオオン!!!
「…うぐっ……」
ドサッ…
俺は、確かにパンチは食らったが全て受け流し、そのままの勢いでロウズの顎をめがけて蹴った。ただそれだけだ。
油断してる敵にこういった手は結構な威力になる。
「おいおっさん…もう試験は終わりか?」
周りの生徒や先生達が何やら騒いでいるが…
それはさておき、ロウズがゆっくりと立ち上がる。
「ぐっ……小僧…中々…面白いではないか!!!」
急に大声で叫ぶな…煩いなあ
「…うるさ」
「何が煩いだ!この俺にその歳で一撃入れて来るとは中々いいセンスしてんじゃないか!」
「それはどーも」
「最初はどんなガキかと思ったが…認めてやる。俺はお前を気に入った!!!さあ続けるぞ!まだ試験は」
「ああ、終わっちゃいねぇな。」
「そりゃ俺の台詞だぞ『キアン』!!」
ーーー こいつ…俺の名前覚えてたのか。バカじゃねぇのは分かるが…それにしても久々に楽しいじゃねーか
「それとキアン…魔法試験も踏まえた上で、魔法有り戦闘訓練をするか?」
と、ロウズは言い出した。それは面白い!
「先生、6歳の子に対してその試験は無茶で」
「あのさそこの人、俺の試験なんだ。俺に決めさせろよ…当然これでどんな結果になろうが文句は言わねぇからさ」
「キアンの言う通りだ。試験官の皆さんは結界を張って他の子への被害を抑えてくれ。」
「……わかりました。」
「準備はいいな?」
「そんなもん数時間前から出来てるって言っただろうが」
ロウズとキアンのオーラが徐々に大きくなっていき、ぶつかる。
ロウズは紫。キアンは赤と黒を混ぜた様な異様なオーラがぶつかり合い
開始の合図はない。
だからこそ先手は譲らない!!
初手から本気だ。接戦になってジリ貧になるのも嫌だからな…
そして、頭に浮かんだ魔法名を言う。
ーーー この魔法、大丈夫か?強そうな名前だぞ…でもやるしかないよな…!!!
「行くぜ…!シューティング・スター!!!!」
その魔法を発動するのに、俺のオーラは赤黒い色から綺麗な黄色に変わる。これは光魔法だろう。感覚でわかる。
『シューティング・スター』俺の周りから魔法陣が埋め尽くし、隕石の様なものがロウズに降り注ぐ。
……ドガァァアアアアアアアア!!!!!
言葉では表せれない様な音が試験会場に響き渡る。
その音が鳴り止んだのは、魔法が発動され数秒経った後だった。
ーー 数秒前、ロウズside ーー
ーーー 待て待て待て待て!!なんだアレは!!!!まさかだと思うがあんな大魔法を使える子が入ってくるなんて…!!これは本気出して耐えねばならんやつだな!ったく!!!
「ダーク・ソード!」
ロウズの手には名前の色とは違う、紫色の剣を持っていた。
ーーー これを使うなんて、久々だな…!
『ダーク・ソード』とは普通の属性武器とは少し違い、魔法にその剣を当てると威力を弱めることが出来る武器で、剣だけでも中々の切れ味を持っている。属性武器の為刃こぼれや折れるなどと言った事はない。
ーーー さぁ、俺はこれをどこまで耐えれるかな?キアンの試験ってゆーより、俺の試験みたいになっちまったが。
「うおおおおおおおお!!!!!!!」
シャキンシャキンシャキン…!!!
物凄いスピードで隕石を斬っていく。が、それも最初だけ。数と威力が違いすぎるため追いつかなくなる。
ーーー っ…!!
俺は隕石が当たると思って、シールドを張ったのだが衝撃が来なかった。
ーー キアンside ーー
人生二度目だが、こんなに焦った事は地球でもなかっただろう。なんせこれ以上やったらロウズが死が確実だと俺は思ったからだ。
すぐに魔法を辞めたのは正解だったのかは分からんが、ロウズは尻餅をついて口を大きく開けていた。
この魔法、光魔法だったがだいぶ強かった。数もあり威力もあるが、一対一で使える技ではない様だ。選択ミスだな…これもまだまだ経験不足と言ったところか。
そんな事を考えながら、ロウズを見て声をかける
「おっさん、漏らしてねぇか?」
「…バ、バカ野郎!漏らしとらんわ!!」
「案外元気なんだな?まだまだやれたか…」
「だからお前はバカか!この格好みて、元気に見えるか?!」
「そんだけ煩かったら大丈夫だろ、怪我も無さそうだしな……まだやる?」
意味も無いが、少し笑いながら聞いてやった。ちょっとこいつをいじるのが楽しくなってきた。
「やらねぇ。お前の試験は素晴らしいものだったことを覚えて、今日は帰る。」
「つまんねーの。まぁ、また気が向いたら俺とやろうよ」
「向かないな!はっはっはっは!!」
ついに頭がおかしくなったのか、さっきの俺の魔法で荒れた地面の上で笑ってやがる…
そんな俺の心情を置き去りにするように周りからの生徒から大きな拍手などが贈られた。
「君、凄いね!僕にまた魔法教えてよー!!」
「俺にも俺にも!!」
「キャーーーー!カッコいい!!」
「…かっこいい…かも。」
「いやふつうにイケメンよねぇ…」
などなど色々な声が聞こえてくる。
「はぁ…」
俺はため息をついて、試験結果を踏まえたクラス分け発表を聞いた。その他にも色々と学校のルールなどを聞いた。
とにかく、俺はユリに知らせる為、ロウズに連れて行ってもらい、7-特Sクラスへと向かった。
「ユリ」
「あ、キアンじゃない!どうだった?」
「俺のクラスは」
お読みいただきありがとうございます。
少し短めですが、読んでくださる皆様の暇つぶしにでもなれば幸いです。




