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変わらない日常だったのに…
いつもと変わらない日常…
眩しい光が差し込む窓…。僕はいつもと同じように目を覚ます。目を覚まし、横を見ると針はまだ余裕を持っている。ああ、少し早く起きすぎたなっ…。そんなことを頭でぼんやりと浮かべながら、いつものパンを焼き、ジャムを塗り朝食をいただく。
針はまだいそげっ!とはいわない。
寝癖を直し、髪を整え制服に着替える。
「よし、時計は…」
針はいってらっしゃいと時間を指していた。
僕はいつもと同じように街へでる。
___。
ここ、星乃町は僕が住んでいる街。落ち着いたよくある田舎町。特徴といえば、街並みが和洋織り混ざってて、いろんな姿が見えること。それぐらいしかない街なんだけど、学校…木野浦学園…僕の通う学校だ。そこへいまは登校中。いつも通り、桜がたくさん咲く、通称桜通りを抜け、坂を登ればすぐだ。
いつも通りの登校…、いつも通りの生活…。これがずっと続くと僕はおもっていたんだ。
「なぁ?知ってるか?」
学校に着くと、いきなり隆太が話しかけてきた。いつものことだしと思い、話を合わせる
「なんだよ、突然。なんのことかわかんないよ」
僕は隆太がなにをいいたいのかわからなかった。だから、ストレートに聞いたんだ。
「噂だよ、噂。この街のおかしな噂。しってるだろ?おまえもさ。」
この街の噂…。ああ、あれか…。この街の先には何もない、そんな噂。この街からはでることができない。それがどうしてか誰にもわからないんだけど、この街は街だけで完結しているし、街でできないことはない。だから無理に出る必要もないし、僕は街をでようとはかんがえていなかった。
「そうなんだよなぁ。街だけで完結してて出る必要ないきがしてくんだよな。でもさ、おかしくねぇか?この街しかなくて街からでられないなんて」
確かにいわれればその通りだ。この街からでられない。そんなおかしなことはない。でも確かめようがないからどうしようもない。
「だからさ、ある時この街からでようって奴がいたんだけどさ、そいつ。本当に街からでれたみたいだけど…、そのままこの街には帰ってこなかったみたいなんだ。それどころかそいつ消えたっていわれてて、記憶すら消え、いつのまにか存在そのものがきえてんだとよ?変じゃね?」
確かにそれが本当ならその人はこの街をでて、でた本人がいたことを街の人々は覚えてないことになる。でも、存在が消えるって…
「な、なぁ。隆太。存在が消えるってどういうことだよ。」
少し、気になって僕は隆太に尋ねる。
「それがな、この街をでた瞬間になにもかもがきえてなくなるんだと。記憶とかじゃなくて存在…んー、体ごと消えるとか。何でも自らの体をつくってる細胞がどんどん消えていくとか。なかなかのホラーじゃね?マイクロレベルできえるとからしーぞ」
隆太は聞いてきたことを教えてくれた。途中からはもう噂話としても嘘臭さしかなかった。そんなくだらない話をしていると担任が教室へ入ってくる。朝のSHRがはじまる…
昼休み。僕は昼食を買いに購買へでかける。
購買は同じく昼食を買う人々でいっぱいだ。
そんな中、飯を買うため並んでいると今朝の噂話がまた耳に入ってくる。
「ねぇ、きいた?あの噂。体ごと消えちゃうって話」
「ねー。こわいよね。」
やっぱり噂は結構ひろまってるみたいだった。そんなこんなで昼食を買うと教室へ踵を返す。すると、隆太が声をかけてきた。
「おーい、おれもいくよー」
なんだ。昼食わすれたのかあいつも。
教室へ戻ると、拓也もいた。
あと、瑞穂も。
2人と合流し、隆太が来るのを待ち、昼食にした。
「そんでよー。」
口に物を入れながら話す隆太。それに汚いと注意する瑞穂
まぁ、瑞穂は一応このクラスの委員長だしな。拓也は、そんな2人を笑いながら弁当を食べてる。僕も昼食を食べ始めた。
そうして昼食が終わり、午後の授業へ。
午後の授業も終わると放課後だ。特に部活動もしてない僕や隆太はそのまま帰る。
瑞穂も部活動はしてない。けれど、委員長としての仕事や一応生徒会の手伝いもしてるから結構忙しそうだ。
拓也は部活動がある。あいつは一応サッカー部だ。
仕方ないから隆太とかえる僕。
こうして1日が終わる。
なにも…かわらない…日常が…
変わらない日常は続かない