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さようならの春3


ピ、と無機質な音が一瞬流れて、通話が切れる。

桐也の押し殺した泣き声が耳から離れない。

震える手で、携帯電話を操作して澄果の名前を呼び出すと、2コールで電話が繋がった。


『遅いぞ陽菜ぁ』


怒っているのか分からない、能天気な澄果の声が鼓膜を刺激する。

私は何も言えず、ただ携帯電話を耳に当てて虚無を見つめていた。


『…陽菜?』


何も話さない私に流石に違和感を覚えたのか、澄果が訝しげな声音で私の名前を呼んだ。

その声に、休止した思考が再び働きはじめる。

巡る桐也の言葉と、泣き声。

凍っていた感情が溶け出し、溢れ出したように、瞳には水膜が張り、大粒の涙となって布団を濡らした。

ライトブルーは、みるみるうちにダークブルーへと色を変えた。


「す、みかちゃ…」

『陽菜!どうしたの!?』


泣き出した私に慌てたのか、声を荒げる澄果の声に益々涙が溢れ出す。



「逢沢くん、さっき…っ、事故で亡くなったって…っ!!」



驚きで、言葉を失う澄果に構わず、声をあげて泣いた。



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