三匹の鬼 3
3色目 『三匹の鬼 3』
「結婚する?!」
私の発言に孟ちゃんはとっても驚いていた。うふふ、お口に
ピーナッツバターを付けちゃって。
「ふーん」
そんな孟ちゃんを尻目に玄ちゃんは今日の朝食・人間の腕二本を
美味しそうに食べている。
うふふ、可愛い。
「うん。二人で話し合って」
「・・・そう・・・なの」
「・・・」
うーん、もしかしてこれは気まずい雰囲気って感じ?いやーん!
文台の馬鹿馬鹿馬鹿!!
「あ、でもね。まだこの家を出るとかじゃないの。結婚しても、
まだこの町の大学を通うから、それから・・・まあ二人でどうしようか決めよう
・・・かな・・・って・・・」
私の話を聞いているのかいないのか、二人から醸し出されている空気が重いよぉ!
やっぱりこの話題はやめた方がよかったの?あーん!!助けて公さん・・・
「・・・まあ、いいんじゃない」
「ふえっ?」
ハンカチでピーナッツバターを拭きとりながら優しい声で孟ちゃんが言った。
「私たちはこうやって今は同じ屋根の下で暮らしているけど、所詮は腹違いの
姉妹だし。
他人って言っちゃえば他人みたいなもんなんだからさ、これからの人生を誰が
どう歩もうが・・・それはその人の勝手でいいんじゃない?
文台がこの家を出て弟塚の家に住もうと、町の外へ出て暮らして行こうと、
私達は何も言わないよ。ねぇ、玄徳」
孟ちゃんの言葉に玄ちゃんは何も言わず首だけ縦に振っている。
それは孟ちゃんの意見に同意するってことでいいの?玄ちゃん。
私の声に気付いたのか、噛んでいた肉を飲み込むと玄ちゃんは私の方を見た。
「文ちゃん」
「ん?」
「おめでとう。幸せになってね」
「・・・玄ちゃん・・・」
「おめでとう。文台」
「・・・孟ちゃん・・・」
二人ともありがとう。
文台は・・・君ヶ主 文台は・・・幸せになります。




