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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

予期せぬ

作者: 聖魔光闇

 俺は死ぬ事が出来ない。今まで幾度となく、死にトライしてきた。大量の薬を飲んだり、手首をカットしたり、マンションの最上階から飛び降りたり、走ってくる車や電車に飛び込んだりと。

 しかし、薬を飲んでも早くに発見され、胃洗浄を行われ。手首をカットしても意識を失うだけで、気が付くと手首の傷が乾いていたり。飛び降りをしても、植え込みに落ち、軽傷に終わったり。車に跳ねられても、受け身をとってしまい結局、死に至れず。電車に飛び込んでも、線路の真ん中で、俺の真上を電車が通過したりと。

 俺は死にたいのに、死に神から見離されているんだ。


 ある日、バイトの帰りに暗い路地裏を通った。家までの近道を、昼間に発見したのだが、まさかこんなに街灯のない暗い道だったとは……。

 しかしバイトの帰り道は、その日からその路地裏に定着した。暗い道ではあるが、近道である事には変わりはなかったからだ。

 そんなある日、いつもと同じように帰り道を歩いていると、突然目の前に真っ黒な姿の男が現れた。

 その瞬間、胸に痛烈な痛みが走った。俺は、その男にしがみつく、男は俺を振り払おうとする。そんな乱闘の揚句、男の顔に驚きの表情が現れ

「そんな事言うんじゃねぇよ! それじゃ、まるで俺が人助けしたみたいじゃねぇかよ!」

 俺が大量の血を流しながら、その場に倒れ込むと、男は恐怖したその目で俺を見ながら、逃げるようにしてその場を去っていった。

『ハハッ。これで……、やっ……と……』





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― 新着の感想 ―
[一言] あはは♪ 確かに予期せぬ一言でしょうね。 でもいつ言ったんでしょう。 暗いお話かと思ったら、コメディタッチのラストで二度びっくりです。 素敵な時間をありがとうございました。
2011/04/24 01:09 退会済み
管理
[一言]  まさかこんな展開のありがとうがあるとは思ってもみませんでした。まさしく題名どおりで「やられた」って思いましたw  しかもあの言葉を一切出さずに自然とあの言葉を思い浮かべられる……すごい! …
[一言] 「予期せぬ」を拝読しました。死にたいけどなかなか死ねないという設定が良いですね。意表をつくオチも楽しめました。確かに予期できないですよね。面白かったです。  これからも執筆活動頑張ってくだ…
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