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スマホ離れには意識的な努力が必要。

作者: ムクダム
掲載日:2026/08/24

 現代人はいつも片手が塞がっていると言っても過言ではない。何で塞がっているかと言えば、スマートフォンである。スマホを見ながら食事をし、スマホを見ながら赤ん坊の世話をするのが現代人のノーマルな姿である。

 様々なバイ菌に塗れた機械を握りしめがなら食事を口に運ぶのは不衛生極まりないし、抱っこしている赤ん坊の方を見ずにスマホの液晶画面に目線が釘付けになっている親の姿というのはなんともグロテスクだ。赤ん坊の目線が親に向いていると、なお一層その物悲しさは増す。赤ん坊は絶えず周囲の状況を観察しているから、将来的には、大事な人の顔をろくに見ない人間に成長することだろう。液晶画面にはそれほどまでに大切な情報が映っているのだろうか。

 かくいう私も現代人の一人としてスマホ漬けの日々を送っている。毎朝、決まった時間にアラームを鳴らすのはスマホだし、気象情報や電車の運行情報を教えてくれるのもスマホだ。ゲームやSNSなどの娯楽、職場や家族、友人との連絡、果ては各種サービスの手続きまで、現代社会の生活はもはやスマホなしでは成立し得ないような様相を呈している。恋人探しにもスマホが必要で、現代の新郎新婦にとって真の仲人はスマホと言っても間違いではない。


 ところで、皆さんにとって、スマホを眺めている時間というのは幸福だろうか。少なくとも私はスマホで茫漠とニュースサイトや動画を見ている間、楽しいと感じることはほとんどない。はっきり言って不快な気持ちになることすらある。

 それにも関わらず、なぜかすぐにスマホを手放すことができず、そのままダラダラと画面に目を向けてしまう。仕事から帰って疲れている時は特にそうだ。

 限られた自由な時間だから、何か好きなことをするなり、ゆっくり休むなりすれば良いはずなのに、体が思うように動かない。スマホを片手にソファで寝落ちしてしまった時に気分はまさにこの世の終わりに近い。

 本を読んだり、模型工作をしたり、料理を作ったりしている時間の方が充実し、幸福であることは間違いない。重い腰を上げて何か作業をすると気持ちがスッキリすることを私は実感している。

 しかし、なかなか思うように体が動いてくれず、スマホに縛り付けられているような感覚になる。それは何故なのだろうか。

 

 自らの意思で、好き好んでスマホを眺めているという認識が、人間のスマホ離れを困難なものにしているのではないだろうか。誰かに強制されているものではなく、自分が望んでいることだから、強いてそれを止める必要はないという考え方に支配されているのだ。

 だが、スマホを眺めているのは本当に自分の意思なのだろうか。そこに疑問が湧く。上述の通り、現代社会の生活は多くの面でスマホ等の各種情報端末に依存している。それが技術革新や社会の情報化による必然的なものなのかどうかは定かではないが、個人の意思とは関係のない大きな流れによって、人間が情報端末を手放せない生活に身を置くようになったのは間違いない。

 人間はスマホや情報端末から離れることがないよう、少しづつ袋小路に追い詰められているように感じることがある。電車で移動中、ほとんどが乗客が同じよな姿勢でスマホを眺めている光景を目にした時、なんとも言えない不気味さから、目的地に着く前に電車を降りてしまったことがある。ある種異様な状況に生きているということを、たまに思い出してみることも大切だ。

 

 自分の自由意志だけでスマホを見ているわけではないと考えれば、スマホから離れるための道も見えてくる。

 不摂生を改善するためには何が必要か。日々の適切な運動と正しい食事である。断じて、奇跡のダイエット法やサプリメントにお金を払うことではない。楽しいばかりではない運動を行い、たくさん食べたい欲を抑えてバランス良い食事を心がける。そこには本人の意思と努力が求められる。

 この考え方をスマホとの付き合いにも適用すれば良い。スマホをいじることはいつも楽しいわけではないし、却って自分にとって害になることもある。その上、自分の意思でスマホをいじっているとも限らない。だからこそ、意識的に努力してスマホから距離を置くようにする。自分の行動が誰かに操られていると考えることほど不愉快なことはない。そのために努力するのだと考えれば、体も言うことを聞くような気がする。終わり

 

 

 

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