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7 公爵令嬢の一年目



 学園の入学式は午前中だった。

 エドワードが新入生代表として挨拶する。さすが王族なだけあって堂々とした姿で、男女関係なく視線を集めていた。


 切れ長の目に通った鼻筋の美しい顔をした王太子を見て、女生徒たちは頬を染めていた。

 うん、気持ちはとてもよくわかる! 私だっていつも見惚れているし、見慣れる日なんてこないと思う。


 あんな尊敬出来る素敵な人が婚約者なんだなぁと思いながらヴァイオレットは壇上のエドワードを見つめた。途中で目が合ったけれど特に何もなくエドワードは最後まで冷静に話していた。


「ヴァイオレット、では後でまた会おう」


 式が終わるとエドワードはヴァイオレットに話しかけて去っていった。

 夜は入学パーティーがある。パートナーのいる人は一緒に参加するのが普通なので、ヴァイオレットはエドワードにエスコートされる予定になっていた。


 一度公爵邸に帰ってドレスに着替える。

 今回ヴァイオレットが着るドレスは事前にエドワードから贈られた物だった。深い青を基調に黒の差し色が入っている、彼の色のドレスだ。

 なんだかとても好かれていると勘違いしてしまいそうで恥ずかしい。


 豊かな黒髪をアップにしてもらってアクセサリーを付ける。アクセサリーも深い青の物ばかりで、これもエドワードからの贈り物だ。

 なかなか良い感じに仕上がったんじゃない? 自画自賛してエドワードの迎えを待つのだった。


 パーティが始まりエドワードのエスコートで会場に入った時、周りから熱い視線が集中した。

 正装した今夜のエドワードはとても素敵でかっこよくて、少女たちは目が合ったと言っては顔を真っ赤にしている。


 ヴァイオレットが周りを見渡した時に一人の少年と目が合った。彼は惚けたようにこちらを見ている。どうしたのかしら?と考えていると、エドワードに声をかけられた。


「ヴァイオレット、何か飲むかい?」

「そうね、スッキリしたものが飲みたいわ」


 アルコールは出ないので何種類かの飲み物から好きな物を選んだ。


 エドワードと話していると、近くで「あっ!」と声が上がった。

 声のした方を見ると、とても綺麗な少女が爽やかな表情の少年と入ってくる姿が見える。あの二人は知っている。パトリシアとブライアンだ。


 原作と違いここでは何故か婚約しているので、最初その事を知った時にはとても驚いた。

 氷の美貌と噂されるパトリシアは今日も無表情だ。驚く程整った冷たい顔のせいか、周りも声をかけづらいらしい。

 そんなパトリシアをエスコートするブライアンに、友人と思われる少年が声をかけている。


「パトリシア様は相変わらずお綺麗ね」


 つい感想が口から出てしまう。

 漫画の中でヴァイオレットは色気のある美しさ、パトリシアは冷たさのある美しさ、ソフィーは可憐な美しさと三人とも種類の違う美しさを設定されていた。


「私はヴァイオレットが一番綺麗だと思うよ」


 エドワードが真面目な顔で言う。

 恥ずかしいからやめて! 真っ赤になってるだろう顔を手で隠して俯くことしか出来なかった。


 一年目のヴァイオレットは特に変わりなく真面目に過ごしていた。王太子妃教育を頑張り、学園の勉強やイベントを頑張り、エドワードと一緒にお弁当を食べるなどささやかな思い出を作る。

 頑張りすぎるヴァイオレットのことを、エドワードがさりげなく気にかけてくれていたので心強かった。


 たまに、来年ヒロインが入学してきたらどうなるのかしら?とも思うが、考えても仕方ない。

 原作で一緒にいじめをしていたパトリシアとは出会えば挨拶くらいはするけれど、特に仲良くなることもなかった。


 原作から変わったところも多いのよね。

 そんなことを考えているうちに、あっという間に一年が過ぎる。そしていよいよソフィーの入学式がやってきたのだった。




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