14 公爵令嬢の勇気
「そういえば最近小鳥を飼い始めたんですが、可愛いんですよ。ヒナノって名前をつけて可愛がっているんです」
後ろの方の席から聞こえてきた言葉に驚いて振り返る。ちょうど近くを通りかかった令嬢もこちらを向いたのが視界に入ったが、それどころではない。
視線の先にはソフィーがいた。
まさかと思いながらヴァイオレットはふらふらと立ち上がってソフィーに近付く。ソフィーは突然近付いてきたヴァイオレットに驚き緊張している。
「ソフィー様、今小鳥の話が聞こえましたの」
震える声で話しかけると、ソフィーは「はい」と緊張した声で返事をした。勇気を出して口にする。
「わたくしも最近飼いはじめましたのよ。可愛いですわよね。わたくしの子はセリナと申しますのよ」
ソフィーの目が驚いたように見開かれた。
――あぁ妹だ。
泣きそうになっていると、隣に誰かが近付いてきていた。横を見るとパトリシアがいる。
「あ、あの、私も小鳥を飼いたいと思っていますの。
そうですわね、名前はアズサにしようかしらと思って」
信じられない!
こんなに近くに三人とも揃っていたのだ。
色んな感情が混ざって声が出ず固まった三人を周りは不思議な目で見ている。美少女三人が一緒にいるので余計に注目されているのかもしれない。
ハッと我に返ったヴァイオレットは、放課後三人でお茶でもしませんこと?と仕切り直すことにした。
放課後、ヴァイオレットは二人を誘って公爵邸の自分の部屋にいた。
人払いして部屋の中には三人だけだ。
「セリ姉とアズ姉なの?」
「お姉ちゃんとヒナちゃん?」
「アズサちゃんとヒナノちゃんでしょ?」
三人同時に話していた。
そして三人の目に涙が浮かぶ。
「信じられない、こんなに近くにいたなんて」
ヴァイオレットが二人を抱きしめる。
「まさか、だよね。でもまた会えて嬉しい」
パトリシアも抱きしめ返した。普段の無表情が嘘のように、ポロポロと涙を流して再開を喜んでいる。
ソフィーは縋るように二人の胸に抱きついていた。
「いるかもって思って良かった。勇気出して良かった」
ヴァイオレットは、根拠はないけれど今回偶然三人が揃っていたのはヒロイン補正なんじゃないかと思えた。
少し落ち着いてから三人で今までのことについて話す。原作とかなり違うことに三人とも気付いていたけれど、それは自分がイレギュラーだからだとみんなが思っていた。
「アズ姉、ちゃっかりブライアン様の婚約者になってるんだねー」
ソフィーがパトリシアをからかう。
「ヒナちゃんだって、デヴィッドと仲良くしてるじゃない」
「だってデヴィッドのこと知りたかったし、知ったら好きになってたんだもん」
「お姉ちゃんも殿下と相思相愛だよね」
「えーっ、殿下は幼馴染の範囲で可愛がってくれてるだけだよ」
自分の一方的な片想いだとヴァイオレットは言う。信じられないといった目でソフィーはヴァイオレットを見ていた。
「まぁ、セリ姉がそう言うならそれでいいけど。それよりアズ姉!」
「は、はい!」
「無表情すぎ。ブライアン様にちゃんと気持ち伝わってる?」
アズ姉は緊張すると話せなくなるでしょ、と言われてギクリとしていた。
「何故か突然仲良くなれたけど、気持ちがちゃんと伝わってるかは怪しい……」
「アズサちゃんはのんびりさんだから、少しずつ慣れたらいいよ。きっと気持ちも伝わるって!」
しょんぼりとパトリシアが肩を落としていたので励ます。ヴァイオレットは可愛い妹が落ち込んでいるところを見たくないのだ。
「ほんと甘いんだから」
ソフィーは二人を見てため息をついた。
デヴィッドが空気




