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第69話 デニス足は完治……心は?

本当にやばいところは親にさえ見せられないとマリーも自覚してます。

「おかあさん……」デニスが開口一言目にいったのがこの言葉だった。お前みたいな子を産んだ覚えはありませんというのは簡単だが、ここは記憶が錯乱しているのだろうから刺激的な挑発は避けておく。


「僕ね、お母さんからもらった足をもう一度取り戻すために頑張ったんだよ。」


 言葉まで子供じみてるが、きっと親との会話ではこれが彼の素なのだろう。恥ずかしいと後悔する前に私はお母さんではないことを告げておくべきか、それとも今の治療の一環としてあえて語らせておくべきか。今と未来ならば今を取る。マリーはいつもそうしてきた。後のことは後で何とかすればいいし、今までの半生ずっと求めてきたのが私の治癒なのだから、彼にとって親や配偶者の次ぐらいに親密になってあげて良いはずだ。自分ではピンとこないけどデニスにとってはほぼ人生の目標だったのだから。


「頑張ったねぇ〜偉いねぇ〜。」


 彼の母がそういう言葉を返すのかはわからないが、トリッキーなリアリティを求めて失敗するよりもストレートにそう声かけられた一人の人として無難な言葉を選んで穏やかに褒めてあげる。痛みに彼が耐え抜いて治療中断を決意しなかったことはそれだけで称賛に値する。


「いっぱい食べて、身体を作っていくのですよ。」


 ここまでの一ヶ月は成長期で、彼が痛みに耐える番だったけど、これからの一ヶ月は一言で言えば飢えた男子学生だ。同じ人間だと思えないほど食べてたべて食べまくるので、それに負けないだけの食事を用意しなくてはならない。もちろんプロテイン強化で。


 さて、彼が恥ずかしがらないで済むように食事にハーブを混ぜて再度ブリブリにキマるまで草を食べさせる。ご両親呼びつけて、さっき呼びかけた相手が私でなくて両親だったということにしておかないと、ハードな治療で弱気になってるところに、赤の他人をお母さんと呼んだなんて自覚したら、トラウマとなって尾を引く。


 付き人の、車椅子押してた男に頼みご両親の面会を設定する。はじめから呼んだらかわいい我が子が苦しむ姿を見て絶対に、治療を中断させられる。だから痛みが落ち着く今から定期的に面会するというのは良い考えだ。


「息子はいつか聖女さまに足を治癒していただくんだと、常々言っておりました。その時とは環境こそ違えど願いが叶って息子も満足でしょう。」


 頼んだらご隠居のご両親がデニスに面会に来てくれるようになった。毎回毎回来るたびに私を礼拝していくのには閉口したけど、前段階の絶叫と気絶の光景は見せられないから。でも悪いところもきちんと見せておかないから、身勝手な四肢欠損をも治癒する聖女の規格外な治癒魔術なんていう噂が立つのよね。

登場時点でデニスはもともと初老のおじさんだったので、成長期の盛りくらいに成長した新しい足は下手すると元よりも性能良いはずですね。

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