第60話 ワークショップは大盛況
イケメン無罪のボブ無双です。
ボブが講師をやってる手作りアクセサリーのワークショップは大盛況だ。女の子のグルーピーたちは「ボブ様♡」と推し活で参加してるが、ボブにベタ惚れなのでその作るものまでボブ様グッズとして大人気だ。
もはや入り口でガンジャの煙を気にする者はおらず、売店の開店時間が近づくと公堂には女の子グループが集まりだし、ボブが開店準備してるとまっすぐに売店脇の手作りアクセサリーワークショップに殺到し大混雑となる。
本物の雛菊で間に合わなくなり、ワークショップは造花を作るところから始めることになったが、これは保存期限が長くなるという思わぬ効果ももたらした。
これで一巡したら次の週から来なくなるだろうと思っていたが、女の子たちの目的はボブとお話して、一緒に花冠を作ることで接近して、最後に完成した花冠をボブに載せてもらうということだったので、毎週毎週前見た客がリピートしている。こいつらの家は花冠で埋もれてるに違いない。
開店待ちの間に、転生者の異教徒ドレッド集団とも語り合ってお互いに理解が進む、好循環も起こりすべてがうまくいっているように見えた。
花冠、ビーズのフリル付きベスト、絞り染めシャツ、極彩色花柄のマグカップなどを、女の子たちがカワイイ!ときゃぴきゃぴ言いながらうれしそうに帰っていく。ボブが若いって良いもんだなと思っていると、エリーヌがやってきた。
「あなたもたいがいセンスが古いわね。」
いや、センスとかそういうのじゃなくて女の子が喜びそうな手作りアクセサリーを作っていただけなんだが。
「オレに作れるのがこんなのしかないからな」
「キャンドルとかポプリなら簡単よ。」
「それもセンス古くないか?」
「絞り染め……いいえタイダイと呼びましょうとかビーズアクセサリーなんてフラワームーブメントのヒッピー時代のアイテムじゃないの。それもサイケデリックな極彩色だし」
「わりいなガバじゃなくて。どうせオレはカントリーですよ。」
「あなたの場合カントリーというよりヒッピーでしょうが。」
「まあ、女の子たちが喜んでくれてるなら良いんじゃね?」
話が平行線になったので、とりあえず、ポプリやキャンドルの作り方を聞く。花やハーブの精油を作って小瓶に詰めたり、ロウに香りのする成分を溶かし込んで作るということだ。なるほど。主義主張は置いておいて色々な人々の考えや文化、テクニックを学ぶことは意味のあることだ。
早速、うち独自の、うちらしいポプリの配合を店長と相談しよう。
ちょっと真面目に時代背景解説しますと、
ボブのワークショップアイテムはフラワームーブメントで1960年代後半が最盛期。エリーヌのポプリやキャンドルはニューエイジで1980年代前半が最盛期なので、まあまあエリーヌがボブをセンス古いというのには一定の正統性があります。




