第55話 ビットリオ、キマる
マリーの料理が仲間内からこれ以上ない最高の賛辞で絶賛されます。テンプレのお約束のつもりなんですが、何か違うんだよな……。
各国首脳が気持ちよく赤目でブリっている中バビローナ帝国のビットリオただ一人暗黒の暗闇の中苦悩していた。ダウナー系のオーバードーズになっている。
「言わんこっちゃない」
マリーは呆れてる。止めるだけ止めたがプライドから大食いして男を見せようと言うズレた暗い情熱が裏目に出た。
国境線については条約本文で定められていて、このパフェを多く食べようが変わるものではない。
かつて祖国をバビローナ帝国に蹂躙された事がある楽士たちはざまぁと盛り上がってる。
空腹に薬効成分そんなにいっぱいいれるからよ。
「その量は人間に処理できる量じゃないから、出しなさい。」
と言うとマリーはビットリオをトイレに連れて行く。トイレに年頃の女性と飢えた男を二人きりにするわけにも行かず、エリーヌが護衛に付き添う。
<お察しください>
出すものを出してもなお身動き取れないビットリオをエリーヌは担いで元の席に戻す。
身動き取れないビットリオは絞り出すような声で食事を要求する。マンチーかしら?
「腹が減った………。何か食うものを……」
少し早いけど夕食にしますか。これは儀式メニューではなくて、わたしとお手伝いに来てくれたネスタたちのために用意したぶんだけど、1人分くらいは融通することはできる。
テフという野生的な穀物で作ったインジェラと呼ばれる少し匂いが強く酸っぱいパンに、辛いペーストを塗りトマトスライス、コーン、ハーブを散りばめていく。
鮮やかな赤・黄・緑のコントラストに、レインフォードは「これぞイタル!」と感嘆し、ホレスは一口食べて「ザイオンの味がする!」となかなか好評だ。
でも、試作段階でボブに振る舞ってみたら見た目は雑巾で味はゲロと散々な評価だったから発酵環境を見直したんだけどね。
そして、私のぶんを半分にわけて、腰を抜かしてるビットリオに食べさせる。
ビットリオは赤い目をしてじ~っとインジェラを睨んでいる。ちょっとキマってハイな人を見るのは楽しいけどキマりすぎてる人の動きは何か不気味で予測不可能な怖さがあるわね。
しばらく食べ物を睨んでいたビットリオはパクっと食べると複雑な顔をして突然縋り付いて泣き出した。
「かあちゃん〜許してぇ〜!」
お前のような子を産んだ覚えはありません!でも突然のことでどうしていいのか考えつかない。
マリーが呆然と立ちすくんでいるとビットリオがあれやこれやと悩み事を打ち明け始める。いや、そんなこと相談されてもバビローナ帝国のことはそっちで何とかしてくださいとしか……。
「マルゲリータお母さま、捨てないで!!」
えっとねぇ……。ビットリオくん。まだマルゲリータお母さまはご存命だよ。相談事はご本人に言ってください。
ちょっと見ないうちにボブのRebelアップはかなりなものですね。




