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第52話 水源地寄進祭典の準備

またしれっとろくでもないお菓子作ってます。

 拉致リスクへの予防線としてベアトリーチェとの用事をあらかじめ作っておくつもりで提案したら待ってましたとばかりに本気でめんどくさい仕事を押し付けられた。


 要は水源地を誰のものでもない公正なる聖女のものとするので聖女領寄進を受けとれというだけの話ではあるのだが、水源を利用してる各国代表参加のセレモニーを厳かに遂行するという案件もついてくる。つまり前者の領地を寄進される聖女という役割と後者のセレモニーの料理人という役割を一人に集中させて経費節減という寸法ね。古狸ベアトリーチェめ。


 準備として聖女領の君主であることを示す冠と各国代表に振る舞うお菓子を準備する。

他の誰のものでもないとするためだけの名目上の戴冠だが、この冠を誰かに渡されたならその冠を渡した者が聖女より上位ということになり水源地が誰のものでもなく聖女のものとする趣旨に反するので、自分で用意して自分で被らなくてはならない。予算もないから月桂冠ならぬハーブの葉っぱで冠を編む。


 そして、誰のものでもないなら我先にと所有しようとする愚か者を塞ぐための名義だけの聖女領。わたくしが欲した訳ではなく、水源はみんなのものであることを忠実に保証出来るのが、いずれの国にも所属しない聖女だからということで特に何かするわけではないけれども、独占しようとする者を戒める必要はある。


 そこで水源地を含む神奈備山を模した巨大パフェを作る。花穂バターのクッキーにヘンプシード、ポピーシードをまぶした岩石、きな粉の砂、ブラウニーケーキのティラミスが織りなす地層、速やかに頭がスッキリして疲労がポンと取れる透明な寒天に、ニガヨモギ蒸留の蓬莱酒で層を作り川と滝の水系、生のハーブ葉で森林を表現。抹茶をまぶした苔、まるで鉄道模型のジオラマのようなパフェと、ハーブティーを用意する。


 建前上は聖女領を寄進するので、その祭典の司祭と言いながらも私がやることはまるっきり道化師ね。なんで寄進される私が司祭しなくちゃいけないのかしら?


 準備をしていると当日持ち込むものが意外なほど多くなってしまったので、ボブに相談してみる。


「常連さんにも相談してみるよ」


 との回答で、前日昼の集合とした。何人くらい来てくれるかな?タダってわけにもいかないけどお金もないしあの人たちお金で動かないし、どう謝礼すればいいのかしら。


 でもそういうのは来てくれてから考えましょう。結局誰も来てくれなくて、ボブとわたしだけで運ぶ事も十分ありうるのだから。

セレモニーの荷物搬入のお手伝いをお願いしただけなのに、異教徒の集団転生者たちが大活躍します。

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