表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

51/71

第50話 幕間(おまけ)エリーヌ来店

カクヨム版では本編でしたが、流れの中で浮いた話になったので幕開扱いにします。

 売店反対側のステージではホレスがメロディカ吹いてネスタが歌い、背後でレインフォードがガンジャ吸いながらミキサー卓を操作してた。コーラスの女の子も小気味よいパンチラインを繰り出していて、アリーナは熱狂してる。


 そして、キッチンでハーブを片付けていると売店カウンターからボブを呼ぶ声があった。


「ボブ! コーヒー2つ。両方ミルク入り、1つは加糖。」


 エリーヌだった。エリーヌは元A級冒険者で『白金の触媒』というパーティーのリーダーだったが、いつもいつも女王の仕事を優先的に回してもらってきたというのもあり、今は実質女王の女騎士といった生き方で自分というものがない。


 ここのRebel音楽とは本質的に合わない性格なのにここに来ているということは、きっとベアトリーチェに連れられてきているか、実は自分を出してないだけで本当は押さえつけられたRebel魂があるかのどちらかなんだろう。


 ちょっといたずら心がよぎって、出ていくことにした。


 「あらぁ。エリーヌさん。いつも()()()ボブがお世話になっています。」


 ぐふっとエリーヌが咽せて、怯えだす。


 「せ、聖女猊下もいらしてたのですか」


 「私はマリー・ジェーン・ラスヴァン。自営業(喫茶店経営)の一個人です。もう聖女ではありません。」


 お約束となってきたこの自己紹介もめんどくさいから名刺でも用意しようかしら。舌にのせたら溶ける紙で。


 「我ら新教国が聖女と崇めるのはあとにも先にもマリー・ジェーン・ラスヴァンさまただひとりです。」


 うーん、個人崇拝は個人が故人となったとき崩壊するよ。やはりエリーヌにrebel魂は期待できそうもない。


 もし囚われてない自由な人間であるならばどんなに職業柄その要求が強かろうともそれを要求してない人にまでその建付けを守る必要なんてないのだから。


 やっぱり女王の付き添いね。職務に含まれているとは言え趣味に付き合うのは苦痛だろうな。と言っても私個人を個人崇拝してる相手に聞いても、こちらが欲しい言質を取るだけで本人の気持ちを聞き出すことは出来ない。対象に対してこちらの思惑を敏感に感じ取り話を合わせるに決まってる。


 本当に聞きたいのは「こういう音楽大丈夫?無理してない?」だけなのだけど、この聞き方をすれば彼女が回答する内容は決まってる。


 だから迂回誘導質問にして、どういう音楽が好きなのかを、飽く迄も音楽一般から外堀を埋める形で聞き出すように、こちらの好みを悟られないように問い合わせを組み立てる。


 「普段どういうの聴いてるの?」


 「島唄とか黒人音楽とかですね。」


 黒人音楽というのでは全然特定出来ない。

カントリーと演歌を含むフォーク以外のほぼすべてのポピュラー音楽が黒人音楽だ。


 要するに、ここの音楽を否定しない無難な回答と言えるだろう。島唄というもこの転生者たちの転生元が島国らしいということから忖度して付け加えた可能性がある。一枚取られた。聞き出し失敗。


 「じゃあ、島唄でかつ黒人音楽のここの音楽バッチリね!」


 「えっ?ダブって島唄なんですか?」


……orz

知らんかったんかい?!


 王都売店は基本的にボブに任せっきりですが、マリーは時々寄って手伝いや相談に乗るスーパーバイザーをやってます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ