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第41話 マリーの霊を召喚できないパニック

マリーの怨霊なんてもんは存在しませんので、召喚は全部失敗します。

 マリー・ジェーンの怨霊を召喚して大神殿へと祀り鎮魂をする御霊会には新聖女を筆頭に国中の聖職者を呼び集めて盛大に行われた。


 しかしマリー・ジェーンの霊はどうやっても召喚に応じない。召喚の祝詞の式神がことごとく宛先不明で返ってきたのを感じ取った聖職者たちは震え上がった。


 「こ、これは、先代聖女猊下の怨霊は、大いなるものと一体になってしまっております。この世界そのものがこの国に刃を向けることになりますぞ!」


 王太子は震え上がる。いつも何かが不足し、その不足を輸入で賄うにしても足元を見られて吹っ掛けられ、国の運営の何もかも上手くいかないのは、マリーが世界そのものと一体化して国を呪っているからだと感じた。


 「手段は問わん!何が何でもマリーの怨霊を呼び寄せて神殿でお祀りして供養出来る方法はないのか?」


 王太子の縋るような目を見かねた、聖職者はあまり勧められないけどといった顔をして、思い当たる対応を告げる。


 「転生者の霊能者にでも依頼することですな。」


 この世界には、異世界から召喚した転生者という人々がいる。彼らはたいてい「チート無双能力」と呼ばれるものを持っており、こちらの世界の人間にとって考えつきもしない途方もない実力者ばかりである。そんな中にはマリーの怨霊を召喚できる者もいるかもしれない。


 一縷の望みを託し、隣国オイランダにあるという転生者集落に最強霊能者を探して依頼するように指示する。


―――

 やってきた霊能者レインフォードは、緑黃赤の特徴的な衣装に身を包み、伸び切った髪をいくつかに束ねた、異世界のキングストンから転生してきた人たちの集落における霊的指導者たる「長老」と呼ばれる人だった。


 レインフォードはここまでの経緯の説明を受けると「ガハハハ!それでだめなら儂を呼んでも無理じゃよ。」と陽気に答える。


 「マリーとやらの霊魂は全人類の歴史の集大成ともいえる超越類人猿となり、燃える槍を片手に裁きを下そうとしてる。誰にもその意思を止めることはできない。」


 そこまで言った後、レインフォードは以前参加したカリオモンの儀式を主催してたザイオンの乙女のことを思い起こし考え込んだ。彼女ほどの能力者ならばもしかしたらこの不可能を可能にするのかもしれない……。


 急に黙り込み目を瞑ったレインフォードを見て怪訝に思った王太子は、どうしたんですかと聞く。


 「もしかしたら、マリーとやらの霊魂をここに連れてこれる可能性のある能力者に一人だけ心当たりがある」


 王太子は即決で、その能力者に依頼することを決意し、書類をしたためレインフォードにことづけを頼んだ。

レインフォードはザイオンの乙女がマリーそのものだとは知らないので、能力者として依頼しようとしますが、結果としてマリーの怨霊ではなく、マリー本人を連れてきますw

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