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第35話 公堂はその時ザイオンになった

これ、そもそものネタの発端は、エチオピア帰還を夢見る宗教の戒律で肉食やコーヒーが禁忌だっていうところで、でもエチオピア料理って思いっきり刺激物や肉使うよな〜、彼らの念願叶ってエチオピアに帰ったあと苦労するんじゃないかなと他人事ながら心配しちゃったってところが発端なんですよ。

 乳香とコーヒーのいい香りが満ちている中、ボブは鼻がムズムズしてきた。


 「ハックショーン!ちくしょう〜!あ゛ー。」


 たいへん。ボブが鼻を垂らしてる。うちの自慢のイケメン支店長がみっともない。他のことならともかく、これは仕方ないので、その辺に積まれてた古新聞をサッと渡してすぐに焙煎に戻る。


 チーンと豪快に鼻をかむと、その古新聞はベアトリーチェ女王重祚の記事で女王の顔写真を鼻水が直撃してた。


 盛大なくしゃみと鼻かみに抗議しに来た三人もドン引きしてそそくさと立ち去った。ボブは打ち合わせで理論武装していたのを披露できなくて不服そうだが、目的は想定より上手く達成出来た。ボブ!グッジョブ!


 焙煎中のぶち壊しは実力で排除した(というより向こうの抗議をくしゃみのどさくさでぶち壊した)


 しかし次の所作はそうはいかない。焙煎した豆を客に嗅がせてこれでいいと言わせる。時間的にひとりにしか聞けない。ここはホレスの特徴、メロディカを持っている人は……一人しかいない。この人に、香りを嗅いでもらう。


 「これでお願いします。」


 関門突破。これで豆を砕いて煮出すステップに入れる。


 ホレスにネスタたちが、絡んでいる


 「オレは戒律に反するバビロンの蛮習の飲み物なんか飲まねえぜ!」


 「そうだそうだ。コーヒーはイタルじゃねえ!」


 しかしホレスはそんな絡みや非難に対して穏やかな余裕を見せ、ゆっくりと、しかしはっきりと聞こえるように言い返す。


 「飲まなければいいじゃん。誰も強制してねぇ。それでもこれはザイオンに伝わる伝統的なおもてなしの作法だってのぐらいは知っとけ。オレはここに現出したザイオンにお呼ばれする。」


 ザイオンだと?!と異教徒たちはざわざわしだす。そう。彼らは自分たちはエチオピア人であると思っている。それがエチオピアの習慣を知らないことなどあってはならない事なのだ。


 「ホレス、てめぇ俺たちが知らねえと思いやがって適当なことを!」


 「黙れ。お前らがこの儀式に関わらないのは自由だが、こちらのザイオンの乙女が神聖なる儀式を遂行されているのを邪魔するな。そんな態度だと救世主ジャーが現れても約束の地に連れて帰ってもらえねぇぞ」


 わたくしはザイオンの乙女などではないのだけど……。とマリーは苦笑しつつゴリゴリと豆をすりつぶし、一杯目の砂糖入りのコーヒー「歓迎アボル」を人数分用意する。このコーヒーは途中からの参加は客が遅れた場合などの例外的な場合のみで、そこにいるなら1杯目を飲むことは3杯目まで飲む意思表示と同義である。逆に1杯目を飲まないということは2杯目3杯目も飲まない。お茶の席にお呼ばれしていないということになる。



これ書くためにAIや検索エンジンで調べまくったんですけど全く正反対の主張がどっちも存在してるようで、そんなに単純じゃないようですが、この物語の論理と同じ人もいるみたい。宗派が複数あって、そういう宗派もあれば違うのもいるって感じみたいです。

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