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第27話 それなら生えてるよ?

転生者が居るけど、日本のトーキョーからではなく、ジャマイカのキングストンからです。

 マリーの森の家の前で女王に詰問されていると、マリーが籠を背負って帰ってきた。


 そう。ここは店舗兼住居なのだから定休日であってもマリーに会えるはずなのだ。たまたま外出中だから鍵が掛かっていたのに過ぎない。


 「あら、来てたんだ。店開けるね。」


 鍵を開けて中に入れてもらう。


 マリーはあんぱんとポットを取り出し、お茶の準備をする。女王ははらはらと涙を流して猛烈に感動してる。


「聖女様!よくぞご無事で。」


 書簡のやりとりで聖女印押した文書は、最近作ったばかりだが、そう呼ばれたのは久しぶりだったのでハッとマリーは女王の方を見て、ひと単語ごと噛み締めるようにゆっくりと言う。


 「わたくしはもう聖女ではありません。一個人マリー・ジェーン・ラスバン、自営業(喫茶店経営)です。」


 女王陛下は悲痛な顔でマリーに訴える。


 「わたくしども新教国では、真の聖女はあとにも先にもマリーさまだけでございます。」


 しかし、マリーは笑いながら軽く受け流す。


 「え〜、何それ。チョーウケるんですけど。変なクスリでもキメてるんじゃない?」


 それはお前だろとボブは心のなかで思ったが、目の前にいるのは女王陛下と聖女猊下。しかも軽口叩いてるのが聖女猊下というかマリーだ。どちらかの機嫌損ねたらボブなど吹き飛んでしまう巨大な力と力のぶつかり合い。ひたすら黙ってやり過ごすしかない。


 それにしても、やはりマリーをマリーとして見ることが出来なくなったような気もする。もしこの場に女王陛下がいなければ、それはお前だろと突っ込めただろうか?もし女王陛下がこの場にいなければ、チョーウケるんですけどとも変なクスリキメてるんじゃないという突っ込む対象の言葉も出てこなかっただろうから真相はわからない。


 ポットいっぱいの濃いハーブティーとあんぱんを嗜みながら、マリーに売店の近況報告を行う。ネスタという異教徒の常連がついたこと、ネスタの仲間にコーヒーという新しい飲み物を教えてもらったことなど。


「えぇ。聞いたことがあります。異世界にジャマイカという国があり、そこの王都キングストンという街から大規模に異世界人が召喚されたということ、そして彼らの生活について、また彼らの信仰にあるはるか遠くにあるエチオピアのザイオンというユートピアについて。そして名産品が現地の霊峰で栽培されるコーヒーというのも。」


 「で、これがコーヒー豆というものだそうだ。」


 ホレスからもらった種子をマリーに見せると、マリーは怪訝な顔をして


 「えっ、これだったら神奈備の山少し登れば自生してるよ?」


転生者たちは、前世で次に生まれ変わるならザイオンへと祈っていた人たちで、転生の女神がそれを聞き入れ、「ザイオンの乙女」たるマリーの居るこの世界に転生させたという設定です。

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