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第16話 ベアトリーチェ女王の覚醒

マリーは旧教国の聖女教団という組織からは追放されましたが、個人的な崇敬者が周辺諸国に広くいました。

 祭祀部の長官に持ち込むと話はメクラ判で進み、女王の病床に2人が連れて行かれるまで5分掛からなかった。聖女が女王に菓子を下賜された。それを滞らせるのは罪になる。


 聖女が下賜したのであれば仮にそれが毒であってもそのまま女王のもとにお出しするしかなく、女王はそれが何であれ受け入れるしかない。聖女の詔勅というのはこの国において非常に重たいのだ。

 そして聖女の使者としてその詔勅を直接受け取ったボブが読み上げて女王に奏上する。


・己の力を超越する機構の使用は禁ずる(機械の運転をあとに控えてるときは食べないこと)


・過ちを冒す前に休息を取れる状態を維持せよ(布団を敷いておくなどあらかじめ休息を取るための準備をしておくこと)


・時間をかけて肉体と同化させ感じよその後行動せよ(よく噛んでゆっくり食べること)


・糧を拝領後充分に休息し瞑想して感謝を示せ(食べたあと1時間は休息して様子を確認すること)


・糧を拝領できる、己の肉体、特に歯を大切にせよ(歯磨けよ)


快適な(高温多湿を避け)日々(風通しの良い場所で)


アーメン(然の如く在れば)


姿ある限り有効 ――マリー・ジェーン・ラスバン――



 女王陛下に向かって大仰にお菓子の注意書きを読み上げされられたボブは内心笑いを堪えるのに必死だ。どうしてどこらかどう読んでもただのお菓子の注意書きを何でまるで儀式かのようにゆっくり読み上げないといけないのか?


 読み上げが終わると、先代女王陛下はベッドから身を起こし、両手を合わせ…震えるような声を絞り出すように言葉を発する。


 「ありがたき聖女さまの詔勅、確かに拝命いたしました。然の如くあるよう全身全霊を掛けて御心の実現に励む次第でございます。」


 ボブも笑いを堪えるので必死である。ただこれがおかしく思えているのは自分だけのようですぐに空気を読む。


 そして、女王陛下はうやうやしくクッキー、そしてキュケオンヨーグルトを手に取り、本当にゆっくりゆっくりと食べていく。


 それは本当に信じられないほどの時間をかけてゆっくりゆっくりと。そしてまるで注意書きにたったひとつでも反しないようにと言わんばかりに、途中で休憩して瞑想までしている。


 一枚のハーブクッキーを食べ終わった頃に、召使いに命じて歯磨きと洗面器を持ってこさせ、ベッドに腰を掛けたまま歯磨きまで済ませる。そして息を整えている。


 「え〜、やだぁ」の姉ちゃん何者なんだよ?などと思っていると、ベアトリーチェ先代女王陛下が赤目になってキマって来た。


 深呼吸をしながら瞑想をしている。そろそろ彼女には宇宙の摂理や生命の循環と盛衰が見えてきているのだろう。


 「使者どのと話したい。人払いを命ず。」


 そう命じられるとみんなすぐに引き下がり、オレと先代女王陛下だけになる。


 「使者どの。聖女猊下の消息が確認でき、とてもうれしく思っております。聖女猊下が追放されたと聞いたとき、我ら新教国の王家たちは我先に聖女猊下をお迎えしようと競い合ったものです。」


 そして続ける。


 「私は、聖女猊下の質実剛健倹約質素な思し召しに従うべきと、名乗りあげなかったのですが、鎮座され落ち着かれたとわかりましたので、ささやかながら小聖堂を寄進したく。お伝え願えますでしょうか、使者どの。」


 アリンス王国の隣国オイランダ王国では、聖女マリーは現人神扱いで王より上位ですが、聖女の身に起こることは全てが正しいという妄信から手出ししないのが大御心だと考えてます。

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