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第13話 包み紙が盛大に誤解されています。

ちょっと小難しい話です。お菓子の注意書きがそう読めるという対応関係をかみしめて味わってください。



 テイクアウト用の日持ちするクッキーや羊羹、砂糖菓子、ヨーグルトなどを用意して、パッケージに注意点を書いて製造日付と賞味期限をダイヤル合わせて捺していく。このハンコ、前職でわたくし専用に作ったもので日付のほかに私の名前も入ってて便利なのよね。


 花穂は強すぎるのでもう少しマイルドな薬草の葉っぱにしたとはいえハーブバターを使ったクッキーには特に注意が必要っと。食べる前の注意点を書き記す。


・重大な結果をもたらす機械の運転をあとに控えてるときは食べないこと


・布団を敷いておくなどあらかじめ休息を取るための準備をしておくこと


・よく噛んでゆっくり食べること(30分がめやす)


・食べたあと1時間は休息して様子を確認すること


・その間に歯を磨いておくこと。


 そして、賞味期限の設定。うーん。焼菓子なので1年というか形ある限り保つけど、保存状態次第よね。


・高温多湿を避け、風通しの良い場所で保存のこと


 そのようにすれば……まで書いてその下に賞味期限欄の枠を書く。


 そこにダイヤル回して日付が変えられるハンコを押す。ところで、このハンコの下の日付には、「永久に(有効)」「姿ある限り(有効)」といった不思議な選択肢がある。前の職場のハンコだけどこの選択肢何に使うか説明受けてなかったわ。


―――


 お土産を持ち帰った男(1人しかいないあの客)がおみやげとしてクッキーやヨーグルトを妻に渡して着替えていると、妻が蒼い顔して着替え中素っ裸になってるところに入ってきた。妻に萎えきったあれを見られた。もうお婿に行けない……。


「あんた!あのおみやげどこで誰からもらってきたの?!!」


 「週一でランチをとってる行きつけの喫茶店でテイクアウトしたものだが、どうかしたのか?」


「どうかしたなんてもんじゃないよ!勅書だよ!勅書!それも聖女印捺された正式な。従わないと本当に罰当たる強い命令なの!」


 聖女印の発布日欄は先日購入時のものだが、有効期限には「姿ある限り有効」となっている。この有効期限は、通常発布されることのない非常に重たい勅書に使われるもので、このような勅書はここ数百年発布されたことがない。


  勅書は文語体の古語で書かれていたため、普段あまり言わない言い回しであるが、以下のように読めた。


・人が創りし己の力を超越する機構は破滅をもたらすので禁ず。


・過ちを冒す前に休息を取れる状態を維持せよ


・生命の糧は時間をかけて肉体と同化させ感じよ、その後行動せよ


・命の糧を拝領した後は充分に休息し瞑想して感謝を示せ。


・糧を拝領できる、己の肉体、特に歯を大切にせよ。


そして締めくくりに、


快適な(高温多湿を避け)日々を(風通し良い場所で)アーメン(そのようにあれば)


 この詔が、姿形ある限り有効というのだ。


「畏れ多い。罰が当たらないように自分たちが罪を犯していないか今一度見直すよ!あんた!」

古代祭祀を独力で復興した聖女マリーには王宮の権威とか無しでも純粋な信仰のもと崇拝する人々がいます。



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