六 ドラマ
六 ドラマ
まあ、ストーリーは、変わってないんやけど、演出が、やんわりとなっていた。原作では、ゲン姉に濡れ衣を着せた同級生とその嘘に乗っかった担任教師と校長に対して、ゲンの父が、乗り込んで行き、殴り飛ばすのだが、ドラマでは、同級生を諭し、担任教師と校長は、怒鳴り付けるだけである。暴力を振るわないで、話し合い? で、解決という演出だ。けれども、原爆の炸裂シーンは、CGを使っていたのは、衝撃的である。衝撃波が、瞬時に、人や家屋を吹き飛ばすのは、現実味が在りました。アニメで観るよりも、本物を見せられた気分である。再現度の高い映像だと思う。熱線のシーンなんかも、アニメとは違う演出で、表現しており、印象付けられました。ただ、唯一、外せないシーンに、ぼかしが掛かっており、ちょっと、物足りなかったです。校門で、女性と会話する場面です。まあ、ショッキングなシーンだから、視聴者への配慮なのでしょう。けれども、原爆物を観るとなったら、どうしても、被爆者の酷たらしい姿は、見なければならないお約束的なものだと思う。その惨状を視認して、核兵器の恐怖を学ぶのです。原爆物に、エンタメ要素なんて要らない。はだしのゲンは、そんなものを求めていないと思う。どんな物を見せられようとも、原爆がもたらした災禍に、ぼかしを掛けるのは、野暮である! ドラマは、日和ってんじゃねえ! ぼかしさえやらなければ、かなりの良作だったのに…。私としては、原爆物に、ぼかしは要らない! まるで、原爆投下が、絵空事になっちゃうからね。はだしのゲン史上、ハッピー・エンドで、唯一締めてます。