2-1
2
えっ、外国人?
金髪で白人のひょろっとした高身長のおじさん。
ちょっと面食らった。
「ぼ、ぼ、ぼ、ぼ〜ぼぼ•••
いえ、な、な、なんですか?」
いけない。
外人さんに話しかけられて焦ってしまった。
日常生活では外人さんとの接点がないのでドギマギしてしまう。
急にはダメだよ。
「おにいさん、貧乏ですね?」
まっ、出し抜けにこの人はなんてことを。
そりゃまぁ、確かに金はないししょぼくれて歩いちゃいるけどいきなり言われるとねぇ•••
それも初めて会った外人さんにいきなりね。
それを言っちゃあおしまいだよ。
「えっ、ええっ、はぁ、まぁ•••」
まともに言葉を返せないじゃないか。
「実はですね、私セールスマンでして。
ものすっごい珍しいものを売ってまんねん。
あっ、その前に、私の名前はピエールでんねん。
外国からはるばるやって来たっちゅ〜ことやねん。
そいで、まぁまぁの売上があったんや。
今日でもう帰らなきゃいけんとよ。
ほいでな、どうしてか売れへんかったのがあるんよ。
商品を持って帰るとわいの成績が下がってしまうんでごわす。
だからやねん、ここは特別に、特別やでぇ〜ぇ。
貧乏そうな人がおったら助けちゃろって思って、なんとタダやでぇ。
タダで助けちゃろって思って持ってけドロボ〜ちゅ〜こってプレゼントや。
どや?
すごいボランティアやろ?」
青い目の外人さんがものすっごいスピードでまくしたててきた。
けったいな日本語でよくわからなかった。
でも助けるとかプレゼントって言ってたのは聞こえた。
圧倒されてアウアウしてるとピエールが返事も聞かずにどんどん話を勝手に進めていく。
「で、おにいさんはいくらあったらいいのでやんすか?」
「えっ、えっ、なんの話ですか?」