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毎日10万円  作者: 弁財天睦月


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失業した。

勤めていた会社が倒産した。

世界的に有名な大手自動車会社の下請けの下請けの、さらに下請けの弱小企業だった。

従業員は社長も入れて6名。

自動車の部品を作っていた。

とにかく安く安くと買いたたかれてにっちもさっちもいかなくなって借金だらけで倒産した。

最後の給料はもらえなかった。


加茂井恒明かもいこうめいは高校を卒業してデザインの専門学校に進んだ。

卒業してもなかなか就職が決まらなかった。

そんな時に親戚賀経営する自動車の部品工場を親から勧められた。

とりあえずということで働き始めた。

デザインの仕事ができるようになるまでの腰掛け的なことからスタートした。

気づいたら4年半ほどがすぎていた。


業績が傾いてきてるのは従業員全員が感じていた。

それでも社長は頑張ってくれた。

自分の給料はなくても5名の社員の給料は払ってくれていた。

最後だけはもう無理だと泣いて謝罪もしてくれた。

だから誰も社長を悪く思う者はいない。


社長や先輩たちから失業手当についてを聞かされた。

恒明は初めて知ることになった。

自分も受給資格があった。

いくら小さな会社で働いていても毎月しっかりと所得税から社会保険料も支払っている。

いい加減な会社ではなくまともな会社の正社員として勤務していた。


とにかくハローワークに行って詳しい説明を受けることと言われた。

失業手当がハローワークで手続きをすることになるということもこの時初めて知った。

会社というよりも住所での管轄になるらしい。

都内に17 ヶ所ある中で三鷹にあるハローワークに行かなければならない。


恒明は小金井市で独り暮らしをしていた。

最寄りの武蔵小金井駅から三鷹駅まで行って南口に出た。

事前に地図で確認していた。

駅前にある中央通りを10分ほどまっすぐ歩けば左目側にハローワークがあった。

受付で失業保険の相談というとすぐ手続きに入れた。

雇用保険被保険者離職票、マイナンバーカード、写真2枚、印鑑、銀行の預金通帳を忘れることなく持参していた。

前日の夜からしっかりと確認していた。

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