表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

恋のパスワードをゲットしよ!

 親友のエヌちゃんに恋の悩みを相談したら、良いことを教えてくれたにゃ。

「ハッキングするの」

「ハッキング~ぅ」

「そう、ハッキング」

「えっ、ハッキング~ぅ」

「うん、でも、グ~ゥって伸ばさなくてもいいから」

「てもてもわたし、ハッキングゥなんてやったことないし」

「大丈夫大丈夫、簡単だって」

「でもぅ」

「出来るって」

で「もうでもう」

「ちょっと、最初のでの字が飛び出てるよ」

「あ、戻せ……戻せない。どうしよ! これ激ムズやわ~」

「それよりもずっと楽だって、ハッキング」

 そんなわけでわたしはエヌちゃんにご指導いただいてハッキングに挑戦した。

 え、なんでハッキングしてんのかって?

 恋の悩みがあるからよ。片想い中の彼と両想いになりたいの。

 それで、どうしてハッキングすると両想いなれるのかってぇ?

 知らんて、そんなの。エヌちゃんに聞いてや。わたし今、ハッキングで忙しいんやから。

「できた!」

「でしょ!」

「それで、次は何をしたらええのん?」

「恋のパスワードをゲットするの」

「鯉のパスワード」

「字が違うって」

「それで、どうなんのや?」

「入手した恋のパスワードを打ち込めば、両想いになれるはず」

「それだけで?」

「そう」

 片想い中の彼の頭の中を探し回り、わたしは遂に恋のパスワードを手に入れた!

 これを所定の場所に入力すれば、オーケーなんだって!

 だけど、その入力場所が分かりにくくて、わたしたちは苦戦中だ。

「エヌちゃん、どこにあるのかわかんないよ」

「頑張ってよ」

「難しいって、これ」

「諦めたら、そこで試合終了ですよって」

「それ昔の漫画でしょ? ねえ、昔の人って、どうやって恋愛していたのかな」

 わたしの質問に物知りのエヌちゃんが答える。

「昔の人類は、パスワード無しで恋愛をしていたみたい。当時は脳のデジタル化が進んでいなかったから、アナログ的な手法を駆使していたそうよ」

「へ~昔の人はアナログ人間だったんだ」

「そう、だから時代の変化に対応できなくて滅びてしまったの」

「やっぱ、わたしたちAI人間の方が進歩してんだね」

 そう言うけど、わたしのAI搭載脳は、いつまで経っても恋のパスワードの入力先を見つけられない。これならサブスクの解約の方が簡単だ、と私は思った。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ