これがわたしの
「セシリア、ちょっと」
「?」
カイはセシリアを机の前に座らせる。
そしてペンを握り、文字を書いて行く。
「…っと、これを書いてみてくれるか?」
「?…は~い」
「ペンの持ち方はこの指とこの指で…」
「ふふっ」
セシリアの手を取りペンの握り方を教えるカイ。
優しいその手をセシリアはくすぐったく感じる。
「最初にこの線、次にこの線を引いて…」
「はい、はい…」
先ほどカイが紙におこした文字の書き方をセシリアに教えていく。
そうしてセシリアはカイの記した文字に比べると
少し…いやかなり個性的な仕上がりだがその文字列を書き上げる。
「うん、上手じゃないか」
「これは~?」
「これが’セシリア’って文字。お前の名前だ」
「!」
「これが’セ’、これが’シ’、それで’リ’、’ア’」
「これがわたしの~…ふふっ」
「サインが必要になることもあるからな。
出来たら自分の名前は書けるようになって欲しい」
「は~い♪」
返事をし、セシリアは自分の名前を書く練習を始める。
「……セ………シ……リ………ア…」
「惜しいな、これだと’セリリア’になってしまう。
シはここがこうなって…」
「ふむ~………セ……シ…リ………ア…っ」
「そうそう。物覚えがいいなぁ」
「~♪」
褒められたことに加え自分の名前を知ったこと、
それを教えてくれたのがカイと言うこと…。
暖かい喜びがセシリアの胸に灯り、何度も何度も筆を動かす。
筆の音とそれに合わせたセシリアの声が部屋に流れていく。
「……セ………シ……リ……ア…♪」
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