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1-3 救済

「アロン君。君に、成し遂げてもらいたい事を告げよう。」


謎の空間。

アロンにとって、死後の世界。


目の前の白い男―― “御使い” の言葉に耳を傾けるアロン。

それは、いきなり核心を突くものであった。



「君には、君の世界に入り込んだ害虫――【超越者】の、選別と殲滅をしてもらいたい。」



目を見開く、アロン。


【超越者】

それは、適正職業の遥か上位職を持つ、不死の存在。

最近、父に教えられた存在であった。


驚き戸惑うアロンの様子が可愛らしくてたまらないという表情の御使い。

白い瞳と口元を歪めながら嗤うの。


「いいねぇ、その反応。そもそも、超越者が何たるかは理解しているかな? していないよね?」


試すような物言い。

どうやら、アロンの思考を読み取っているのだろう。

何となく察したアロンは、静かに頷く。


「良い子だ。」


満足そうに呟き、アロンに背を向けて御使いは語る。


「超越者とは、君から見て “別世界” から “イシュバーン” にやってきた、異質な存在だよ。」


『別世界……!?』


その言葉で脳裏に過るのは、神学にある “悪魔の住まう地下世界” であった。


暗がりを好み、人を誑し込む神をも欺く存在。

それら悪魔が住むのが、別世界では、と。


『ま、君から見て悪魔だったよね。あの子たちは。』


やはり、思考を読んでいる。

だが、アロンにとって本題はそこではない。


『あいつ等は超越者だったのですか!?』


剣士レントール、僧侶ソリト、武闘士ブルザキ。

装備の装いに、佇まい。

一目見た時から “只者ではない” と思った。


「そうだよー。あの子たち()、超越者だよ。」


肯定された。

さらに、憎悪が深まるアロン。


悪魔。

別世界から来た――害虫。


そんな奴等に、村が、世界が、蹂躙されているのか?


「理解が早くて助かるね。その通りだよ、アロン君♪」


御使いが後ろ向きのまま、両腕を広げる。

すると、ボワッ、と大きな窓が斜め上に開かれた。


「あの日に何があったか、見せてあげよう。」



御使いは、その窓に景色を映し出した。

信じられない光景に口を大きく開いて驚くアロン。


「……この程度で驚いていちゃ、後々困る(・・・・)よ?」


御使いの、意味深な言葉。

しかし、アロンは見たことの無い “魔法” に全ての意識が奪われてしまっていた。

ふぅ、と一つ小馬鹿にしたような溜息を吐き出して、御使いはその “魔法” を映し出す。


それは、レントール達3人組の冒険者が、村長邸にて村長と話をしている姿であった。

思わず、怒りが立ち込めるアロン。


「待った待った。これは映像だ。過去……いや、このままでは起こり得る “ありきたりの未来” を映し出している、と言った方がいいかな?」


アロンを制しながら、またしても意味深な言葉。

だが、アロンにはその言葉の意味が、全く分からなかった。


“今” は。



映像の、3人組と村長が会話を始めた。





『これはこれは、冒険者様。今日はどういったご用件で?』


にこやかに遜る、村長。

冒険者が村に訪れれば、金を落とす。

食事に、宿泊に、――娼婦に。


身なりの良い冒険者は、それだけ滞在先で気前よく大枚を叩くこともある。

だからこそ、村長は遜るのだ。


本題の口火を切ったのは、剣士レントール。


『村長。今日からこの村をボク達の拠点として使いたいんだ。悪いことは言わないから、この村はボク達の統治下となり、財源資財、全てボク達に提供してほしいんだ。』


唖然とする、アロン。

いきなり、村長に、何を言っているのか。


正気を疑う発言であったのは、村長の次の言葉が示している。


『お、お待ち、ください? 貴方は、今、何とおっしゃいましたか?』


ふるふると、笑顔をこわばらせて尋ねる。

その村長の態度が気に入らないのか、武闘士ブルザキが拳を振り上げ、テーブルをど突いた。


NPC(モブ)が! 黙ってオレ達の言うとおりにすれば良いんだよ!』


その隣、僧侶ソリトが肩をすくめてやれやれといったポーズを取る。


『そういうイベント(・・・・)だろ? どうせゲーム(・・・)なんだ。立地条件も良いし、手放さないって選択肢を突きつけてくるのも、分かるね。』


意味の分からない言葉の応酬に、見る見る顔を赤く染め上げる村長。

その表情は、怒りに満ち溢れていた。


そして立ち上がり、怒声をあげる。



『出ていけ!! 出て行ってくれ!!』





あの温厚な村長が、ああも怒りを露わにするとは。

それよりも。


“そうだ、あいつ等は、屑なんだ”


あの時、ナユの花畑へ行く前に村長へ警告を出来ていたら……村の皆は、家族は、ファナは、助かったはずだ。


後悔するアロン。

だが酷く頭が冴え亘る。

まるで、全てを客観的に俯瞰しているように。


そして、“例の言葉” を口ずさむ。


『ゲーム、モブ……イベント?』


“イベント” という言葉は、分かる。

“ゲーム” とは、遊び?


『村を襲ったのは……“遊び” だったというのか、あいつ等!』


魔法の画面に向かって怒声をあげるアロン。

その様子に、やる気の無いように首を横に振る御使い。


「半分正解で、半分間違いかな、アロン君。」


いちいち人を馬鹿にしたような態度にも腹が立つが、相手は “御使い様” だ。慌てて膝を折り、跪くアロン。


『お見苦しいところを失礼しました! 御使い様!』

「ああ、いいよ。君の気持ちは、うーんと分かるつもりだから。」


アロンの肩にポンと手を乗せて、御使いも膝を折り囁く。


「遊びだけど、遊びじゃない。あの子たちが言う “ゲーム” という言葉は、アロン君の認識とはそもそも概念が違う。」


全く意味が分からないアロン。


遊びだけど、遊びじゃない?

そもそも概念が違う?


まるで “その反応が見たかった” と言わんばかりに、顔を綻ばせる御使い。アロンの肩をポンポンとあやすように叩き、話を続ける。


「あの子たちはね、別世界で “イシュバーン” のことを予め学習してきてから、その学習で得た一部の特典を持って “イシュバーン” にやってきているんだよ。」


ますます混乱するアロン。

別世界で、アロンの住む “イシュバーン” のことを、まるで熟知してからやって来ているということ? それが、超越者??


混乱するアロンの様子に目を輝かせる御使い。

反応を楽しんでいる、というよりも、アロンの混乱を解き解すことが、まるで玩具箱を開く子供のように心躍らせている様子だ。


「まず、彼らの住む別世界の話をしよう。」


御使いは手の平から、先ほどの光景を映す魔法を展開させた。

横長の、四角く薄い膜のような魔法。

それが、ブン、ブン、と音を立てて数を増やす。


その数、百を超えた。


「さぁ、ご覧あれ?」


同時に、横長の四角い魔法が一斉に映像を映し出した。

それは……。


『なん、だ、これは……。』


アロンは、その光景に愕然となった。

目を見開き、首を小刻みに回し、百以上ある映像を一つ一つ魅入る。


それは、まさに “イシュバーン” の世界そのもの。

だが、違和感を覚える世界。


映し出される映像は現実(リアル)そのものだが、どこかしら “作り物” のようにも見える。

出てくるモンスターの動きや、それに対応する冒険者らしき人々の動き。


何かが、不自然だ。

ぎこちない、というべきなのか。

映し出される映像は、恐らく誰かの視点であろう。

しかしその視点の動きも、違和感を覚えずにはいられない。


何よりも驚いたのが、そこにいる人々だ。


アロンがじっくりと観察する、一枚の映像。

場所は、恐らく国営直轄の集会場なのだろう。


そこに行きかう冒険者たちは、一様に、派手だ。

奇妙な帽子に、奇妙な服装。

何故か光り輝く翼に、謎の魔法陣まで背負っている者までもいる。


どの装備も、たぶん、高価。

だが成金趣味よろしく “冒険者向き” ではない。


今、映像を横切った女性冒険者なんて、鮮やかな桃色の熊のヌイグルミを背負っていた。そのぬいぐるみから、何故かキラキラと輝く粉が控えめに溢れ出ている。

その熊のヌイグルミを包むような、黄金に輝く翼、そして黒と白を基調としたドレス。


“私の装備、可愛いでしょ?”


言外に、そう聞こえる。

さらに髪の色も、不自然なほど桃色だ。


不自然と言えば、その女性が下げる武器。


腰には、淡い赤色のガスの光が漏れる大剣。

背負うのでなく、腰に下げている。


普通、そんなところに重々しい大剣を釣り下げるなど非常識極まりないのだが、何故か、女性は全く重みを感じさせないように動き回っている。


その女性の動きを注視しながら、様々な冒険者を観察する。


青、紫、金など様々な髪や瞳の色。

装備は一様に、派手で冒険者のそれとは思えない。


異人類のるつぼ。


これら以上に不自然な光景。

それは、人々の表情だ。


椅子に座り、酒や料理を食べ勧め歓談する冒険者たち。

その表情、笑顔や怒り、悲しみに困惑と、多種多様に目まぐるしく変化している、が。


ぎこちない。

そして、気持ち悪い。


さらに飲食。

ナイフとフォークを扱い、肉を頬張る冒険者。

そこまでは良い。


咀嚼していない。

飲み込んだすら、わからない。

だが、料理が奇妙に消えた。


その直後、謎の発光を放つ冒険者。

そして、頭の上から何か、文字らしきものが浮かび、消えた。


『う、ぐっ!』


思わず嗚咽をあげるアロン。


“イシュバーンであって、イシュバーンでない世界”


その光景に、吐き出しそうになった。

死んだ状態なのに、なぜ吐き気を感じるか分からない。

だが、アロンは咳き込みながら画面をさらに睨む。


「これが、別世界の “イシュバーン” だよ。偽物の、ね。」


『偽物……。』


御使いの言葉を反芻する。

この魔法で映し出された映像は、まさに “イシュバーン” の偽物と形容できる。


偽物の世界。

それが、別世界なのか。


「ブブー。不正解です、アロン君!」


またも思考を読む御使い。

いちいち癇に障る。

人知を超えた、神の御使いであろうとも、いい加減に腹が立ってきたアロンであった。


「ま、そんなに怒らないで。ここからが本題だし、真面目な話になってくるからさ!」


アロンの思考を読める御使い。

軽く謝罪して、空間の何も無いところに、座る。


長く、細い足を組み、アロンを見つめる。


「今、アロン君に見せたのは別世界に存在する遊戯、【ファントム・イシュバーン】という娯楽の世界なのさ。」


別世界の中に存在する、さらに別の世界。

それも、娯楽の世界?

眉を顰めるアロンであった。


足を組み替えて御使いは続ける。


「最初に言っておく。別世界は、別世界として世界があり、社会があり、人が住む。今見せた【ファントム・イシュバーン】は、人々の娯楽として構築された、仮想空間なのだよ。」


『仮想空間?』


またも聞きなれない言葉。

アロンは跪いたまま、御使いの顔をじっと眺める。


「君には理解がまだ出来ないかもしれないが……。そう、偽物の世界だ。別世界の中に、雷の魔法に似たパワーがあるのだが、それを利用して娯楽の世界を作っちゃったんだ。君の住む “イシュバーン” の世界をそのまま投影させたような、娯楽の世界。それが、【ファントム・イシュバーン】、VRMMOの世界だ。」


『ヴァーチャ……??』


聞き取れなかった。

非常に長い読み名であったが、別世界の言葉なのであろう。


だが、これまでに見せられた映像と、目の前の御使いの言葉から理解出来た事がいくつかある。


『あいつ等は、その “イシュバーン” を模した娯楽の世界で自らを鍛え、本当の “イシュバーン” の世界に訪れているということ、ですか?』


端的に言い表すと、そういうことか。

自身は無いが、御使いの言葉が正しければ、だ。


『大正解―。』


パァン、と弾ける音と共に、百を超える小さな映像膜は消え去り、先ほど村長邸を映し出していた大きな膜が御使いの背後に現れた。


映し出される、【ファントム・イシュバーン】という文字。


「整理するよ。」



御使いが、答えを告げる。



【超越者】は、別世界に住む “肉体を持った” 人間。


【ファントム・イシュバーン】は、雷の魔法のような力――“電子” を利用して作り上げられた、仮初の世界。

“イシュバーン” を模しているだけで、現実に存在しているわけではない。


別世界の人間は、娯楽として【ファントム・イシュバーン】に自らの分身、“アバター” を作り出して争いを繰り広げる “帝国” “聖国” “覇国” のどこかの陣営に加わる冒険者となり、広大な “イシュバーン” の世界を駆け巡り、自らの “アバター” を育てる。


アバターを育てても、実際の肉体が育つわけではない。

あくまでも、娯楽の世界のアバターが強くなるだけだ。


適正職業や存在する剣、魔法は “イシュバーン” とほぼ同じ。

中には、【ファントム・イシュバーン】を作り上げた存在(・・)の趣味(御使い曰く “悪趣味” )で、存在しては(・・・・・)ならない力(・・・・・)も存在する(・・・・・)


【ファントム・イシュバーン】に住むアバターの多くが、いわゆる “上位職” 以上の職業であり、その戦力は、“イシュバーン” に存在すれば脅威そのもの。


それにも関わらず、彼らから見た異世界である現実の “イシュバーン” に存在する理由。



「それはね、【ファントム・イシュバーン】に居る人間の一部を、“イシュバーン” に転生させているからだよ。」


御使いの言葉に、目を見開き、全身を怒りに震える。

“余計な真似を”、と。

それが無ければ、ファナたちは……。


震えながら、アロンは尋ねる。


『一体……誰が?』



「大いなる存在。――神、さ。」



その言葉で、怒りが、絶望に塗り替えられた。

死んだ状態にも関わらず、何故か涙が溢れた。


『神様が、一体、どうして!?』


「“イシュバーン” の救済のためさ。」


お道化ながらアロンを茶化すように語っていた御使いの表情が、一瞬、曇る。


イシュバーンの、救済。

それが、超越者たちの、役割?


アロンの村に対して行ったことは、まるで逆だ。


絶望、怒り、憎悪、哀愁。

様々な感情が入り混じり、気が狂いそうだ。


それでもアロンは、御使いを真っすぐ見る。

事実を、受け止めるために。


「……イシュバーンは、世界として不完全なのさ。終わりの見えない三大国の戦争、理不尽に犠牲となる民。世界として成熟が出来ないまま、いずれ終末を迎えてしまう。」


他人事のように、笑みを浮かべて告げる御使い。

事実を受け止めようと構えたアロンにとって、その言葉は余りに重すぎた。


“終末”


神学曰く、人類最期の日。


『それは……世界が、成熟すれば、避けられるというのですか?』


あえて、尋ねてみた。

終末とは、神による審判だ。

神の御意思によって回避できるものなのか。


御使いは足を組み替えて、ククク、と嗤う。


「そうさ。未熟な世界はいつか(・・・)まっさらにされてしまう。転生者……君には超越者と言った方が良いね。彼らは、その状況を打破するため、言うなら戦争に終止符を打って、世界を、社会を、もっと成熟させて、命滾る世界へと正しく導く存在であるはずなのさ。」


終末は、戦争に終止符が打たれれば回避できる。

成熟させ、命滾らせる世界(・・・・・・・)へと導かれれば。


だが。


『そう、気付いたみたいだね。超越者どもは戦争を止める気など更々無い。むしろ、転生する時に得られた学習特典を揮いまくって、第二の人生を謳歌することを選んだ子が多いのさ。』


自ら課せられた使命を果たさず、好き勝手に “イシュバーン” を蹂躙する姿を想像する、アロン。


イシュバーンという剣と魔法の世界で、人々に宿る適正職業とは、神から与えられた宿命であり、使命でもある。

活かすも殺すも自分次第であり、その結果、国を、町を、村を、守る者や支える者にとなる。


そんな彼の、むしろイシュバーンに住む者たちの大多数が抱く価値観とは、相容れない、あり得ないものであった。


その考えは、賊そのもの。

奪うことに悦びを見出す、鼻つまみ者。


“あぁ、だから害虫なのか”


納得した、アロン。


「そう。“害虫” なのさ。中には使命を果たそうとする超越者もいるにはいるが、数は少ないよ。そこで、最初に言った君に成し遂げてもらいたい事だ。」


御使い曰く、

超越者の “選別” と “殲滅”


『ボク……いや、私が、真っ当に使命を果たす超越者を選び、それ以外を、駆逐するということですか?』


それ以外。

レントールのような、奴等。


だが。


『そんなの、無理です。』


“敵うわけが無い”


憎い。

悔しい。

殺したい。


だが、圧倒的に “力” が足りない。

そもそも、自分(アロン)は死した者。


どうやって?


「察しが悪いね。」


呆れるように笑う、御使い。

組んでいた足をパタ、と広げ、腰を曲げてアロンを睨む。

何か、気に障ってしまったかと跪きながら震えるアロンであったが。


「一つ、聞こう。」


何故か、質問しようというのだ。

伏せていた顔を上げ、御使いを眺める。


『は、はい。なんなりと……。』


「別世界……つまり、向こうの世界だ。向こうの世界から、イシュバーンへ渡ってくる際に条件と制限(・・・・・)はあるものの、【ファントム・イシュバーン】で得た力を持って転生、つまり生まれ変わることが出来る。それが超越者の所以だ。」


御使いの言葉は質問で無く、確認であった。

【ファントム・イシュバーン】で得た力を持って生まれ変われる。確かに凄まじい超越者と言ったところだが、その力もどうやら “全て” ではなく、条件と制限がある様子。


そして、御使いは核心を、質問を唱える。



「そこでアロン君。その逆は(・・・・)出来ないのかな?」



最初は、意味が分からなかった。

だが、今まで御使いから聞かされた信じられない話を頭の中で紡ぎ、そしてたった今告げられた質問が、それらと繋がった。


即ち。


『ボク、いえ、私が、』

「ボクでいいよ。」


御使いに窘められたが、却って頭が冴えわたる。


『ボクが、その別世界へ転生し、【ファントム・イシュバーン】という偽りの世界で力を得てから、またイシュバーンに転生し直す、ということですか?』


超越者どもと同じように。

イシュバーンの住人であるアロンが別世界へ渡り、【ファントム・イシュバーン】の力を得てから、再びイシュバーンの世界へ舞い戻る。


質問の答えは、決意であった。

満足そうに頷き、立ち上がる御使い。


「そうだ! それがボクの答えさ! アロン君、君にはこれから別世界へ行ってもらい、【ファントム・イシュバーン】で力を得ること、超越者を葬り去る方法を編み出し、またイシュバーンで “アロン” として生まれ直すのさ!」


同じように、思わず立ち上がるアロン。

力強く、御使いに告げる。



『お願いします! やらせてください!!』



アロンの宣言に、さらに笑みを深める御使い。

そして、噛みしめるように同じ言葉を呟く。



「やはり、ボクが見込んだ通りだよ、アロン君!」

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