日本小説研究会
小説論の内容に関して当方は一切の責任を持ちませんのであしからず。
『
…
「
…
…
『
一番はリアリティです。
説得力と言い換えてもいい。
』
壇上の男はポツリと口にした。
『
僕たちは、頭の中に思い描いた光景を
文章を使って、読者に届けなければなりませんから。
』
結論は、簡潔かつスピーチのはじめに。
そんなことを学生の時分に教わった。
彼の場合もその形式のようだ。
なんとなしに、そんなことを思った。
『
何を今更 と思うかもしれませんね。
古今東西、文章を生業にする方なら
少なからず考えることでしょう。
ですが、 だからこそ です。
』
柔らかく、それでいて力強い声色。
作風から想像していたものと
なんとなく合致するように思う。
『
心燃えるような情愛も、
身も凍るような恐怖も、
息を飲む情景も・・・
リアリティがなければ、伝わらない。
説得力がなければ、意味がない。
『あれ?』と思われたときには、
読み手の心は もう離れてしまう。
』
彼は本当に悲しそうな顔をする。
『
今日まで僕たちは、いや先人達も含めて ですね
それを表現の力で、克服してきました。
』
彼は卓上のコップを手に取り、一息に飲み干す。
『
が、それには限界がある。
と僕は結論づけました。
』
静かな語り口で進んだスピーチ。
その内容に突如異物が混入したことを
一部の聴衆が感じ取った。
『
太古の人類が火を得たように。
英国人が蒸気機関を得たように。
僕たちにも変革が必要なのです。
』
力強い言葉。
食事や、周囲との会話から
人々が徐々に意識を切り替えていくのがわかった。
『
私達の作品をより良いものにするための
キッカケになってほしい。
そう 考え、この会を招集させて頂いたワケです。
』
カシャン
広いホールにガラスの砕ける音が響いた。
見回すと
12の丸テーブルで
12のグラスが砕け、
12の体が倒れ込む。
『
各テーブルに
被害者役を一人。
医師を一人。
ナイフとフォークは人数分。
』
戸惑うもの。
早くもナイフを手に取るもの。
動かない体に悲鳴をあげるもの。
『
体の自由は利かないものの、
痛みも意識もそのままだそうで。
今回はサスペンスやホラー向きでしょうかね。
』
…
…
」
「信じがたいですね。」
「だろうね」
「で、その会からの招待状がコレですか?」
「そそ、孤島の洋館。2泊3日の旅。」
「逝ってらっしゃいとしか言えませんね。」
…
』
投稿一作目です。
なろうの使い方から小説の書き方まで
もろもろ手探りな感じでございます。