表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
幻想入りシリーズ  作者: 心夜@カクヨムに移行
浅井初と記憶喪失少年が幻想入り
8/10

第八話「妖夢VS悪霊 ~博麗神社にて~」

 半人半霊の剣士、魂魄妖夢は博麗神社の入口にいた。

「やはり、ここからか」

 レミリアを紅魔館に帰してすぐの事だった。

 この辺りから、邪悪な気を感じ取り、一日半を掛けて博麗神社まで来たのだ。

 博麗神社の主である博麗霊夢の生死は分からない。

 おかしいのは、邪悪な気の中に、博麗霊夢の気も混じっているということだ。

 悪い予感がする。

 妖夢は、刀の柄に手を添えたまま賽銭箱の近くまで駆けた。

 

 そこには、紫のオーラを纏う、紅い瞳の霊夢がいた。

 だが最近見かける悪霊に憑りつかれた者とは、気が何倍も違う。

「待チワビタゾ、我ガ敵ヨ」

 声は霊夢だが、口調はいつもと違い、しかも無表情だ。

「悪霊、お前もここまでだ。

お前を倒しに向かっている奴らが三人いる。

だがその前に、私がお前を倒すッ!」

 妖夢は刀、楼観剣を鞘から抜き、霊夢に向けた。

「フフ。笑止。

己ガ分際ヲ弁エヨ。小賢シキ幽霊ヨ。

ソノ程度ノ力デハ、悪ソノモノニ及バヌト知レ」

 霊夢の声の中に、別の声が混じっているようにも聞こえる。

 次の瞬間、霊夢は両手を広げた。

 紫の気が、更に強くなり妖夢を襲う。

 

「ぐっ・・・・・・。

はァァァァァァッ!!」

 次の瞬間、妖夢は光の速さで駆け出していた。

 スペルカードによる斬撃技、人符『現世斬』。

 霊夢に接近すると同時に、神速の斬撃を何度も繰り出す。

 勿論、殺すつもり無く、掠り傷を与えたつもりだが。

 霊夢は斬られた瞬間、ヒュンと消えた。

 

「ソレハ残像ダ」

 ――――!?

 霊夢の声が、後ろから聞こえた。

 霊夢は妖夢の真後ろにいる。

 それに対応出来ず、霊夢は片手を妖夢に向ける。

 

 何も言わずに放たれた技は。

 霊符『夢想封印』。

 七色の光を放ち続けるという技だ。

 近距離で放たれれば防御不可能な技に、妖夢は賽銭箱まで吹き飛ばされた。

 

◇◇◇

 

 一時間が経っても、妖夢は霊夢に一太刀を浴びせることすら叶わなかった。

「強いわね・・・・・・。ならッ!」

 妖夢のスペルカード技・六道剣「一念無量劫」。

 八芒星の形をした斬撃を一瞬にして、自分の周囲に繰り出し。

 剣閃から楔弾が一斉射出した。

 

 対する霊夢の使った技は。

「悪霊符『断罪撃』ッ!」

 悪霊に憑りつかれている霊夢は、右手を天高く掲げた。

 自分に向かって降り注ぐ闇色の光と共に、宙に一つの何かが出現した。

 霊夢の身長と同じくらいの、それは。

「あれは、剣・・・・・・?」

 大剣だ。

 闇色の十字の鍔と、同色の太く長い刀身。

 その大剣は今、巨大な闇色の弾丸を作ろうとしていた。

 夢想封印にも似た、闇色の弾丸。

 

 闇色の光は、妖夢に向かって降り注ぎ。

 それは妖夢を吹き飛ばすのではなく、妖夢の動きを封じた。

「くッ・・・・・・」

 霊夢の目が再び、紅く光ったその時。

 大剣は、何度も旋回しながら、妖夢の心臓を目掛けて飛んできた。

 

 その剣は、妖夢の体を分断せんとばかりに、大きな穴を穿った。

 ほぼ真っ二つに自分の体を斬られたような痛みを感じてから、その剣は消滅し。

 妖夢はそのまま、意識を失った。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ