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競馬狂騒曲  作者: 真北哲也
後ろから何にもこない!後ろから何にもこない!後ろから何にもこない!
9/12

シスコソフィ 上


「そろそろ八重桜賞だな! 」


バイトの休憩中に先輩は思い出したように叫んだ。 それにびっくりして、僕は先輩に尋ねた。


「八重桜賞? それって、前に話してくれたキングスハローの子供が勝ったレースですか? 」


「そうだな。 このレースは三歳牝馬限定のレースであり、 クラシック三冠牝馬の最初の第一関門。 その後に全優牝馬と秋炎賞と続くんだ。 まぁ、 そう簡単に総てのレースを優勝するなんて簡単ではないけどな。どれどれ…… 出走馬は…… 」


先輩は自分の鞄を漁った。 そこから出てきたのは「horse」と言う雑誌、表紙には「八重桜賞特集」とでかでかと書かれていた。嬉しそうに先輩はペラペラとページを捲っていたが、あるページで手が止まった。



「お〰これはこれは! 懐かしい馬が載ってるな!」



「え?! どんな馬ですか?! 」



僕もその発言に興味を抱き、 先輩が大きく広げていた雑誌が見るえるところまで、近づいていった。



「こいつだ! こいつ! 俺もリアルタイムで見たことないけど、 伝説だったと言われてるんだよな!この馬もこの年の八重桜賞も!」



興奮ぎみにそのページを広げて僕に見せてくれた。 そのページには「読者が選ぶ八重桜ベスト1位! やはりこの馬であった!」と、 見出しが出ていて、 2ページの見開きでレースの最終直線の写真が乗っていた。 それは最近、競馬を知った僕も驚きべき写真であった。



「何ですかこの写真! ちょっと、古ぼけてますけど …… 合成ですか?」



「あほ。 合成ではないぞ!すごいだろこれ! 実際にあったんだよな」



僕は真っ先に疑った。



その写真は、ピンクのマスクを被った馬がゴール前進む写真。



だが、その後ろを追いかけている馬が物凄く離れていたのだ。 2番手の馬が苦しそうに口を開けて、追いかけている。 その馬上の騎手は思いっきり鞭を振り上げて、馬尻に今まさに叩きつけようとしている瞬間である。 それを知ってか知らずか、 トップを走るピンクのマスクの馬は騎手と共に真っ直ぐ正面を見ていた。



写真の真ん中にはフォント字にはこう書かれていた。



「二着馬との差は10馬身ではなく大差勝ち!! 日本競馬史上初のG1を大差勝ちした牝馬……シスコソフィ!!」



食い入る様にその見開きを見ている先輩を尻目に僕はスマホを取り出し、検索をした。








【 競走馬 シスコソフィ 】


桜花賞がスタートしたので、テスコガビーをモデル題材にしました。

あの75年の桜花賞はワンマンショーでしたね。


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