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競馬狂騒曲  作者: 真北哲也
早苗とサナエキタル
3/12


「「かんぱーい!!」」


その掛け声と共に、一斉にグラスをぶつけた。


僕達二人は焼肉屋にいる。店内は薄暗い照明が照らされて、 沢山の客がグリルの上に踊る肉に夢中になっている。


ビールを一気に飲んだ先輩が口を開いた。


「いやー、 まさかの結末になったなぁ! こんなことなんてあんまりないぞ! 」


「僕もビックリしてます! これは奇跡ですよね!」



話を数時間前に戻そう。




―――。






ターフビジョンに踊る、 「審」と言う文字を二人でぽかんと見ていた。


「先輩! 審ってなんですか?!」


「 審議だな。 何か不具合が合ったときに主催者がパトロールカメラとか確認する。 …… 多分、 1位がどちらなのかを判定してると思うよ。」


先輩の言葉を聞いていたら、アナウンスが流れた。


【お知らせ致します。第11レースは、審議を行います。 3番のリュウセイヒカリ号と12番のサナエキタル号の決勝線通過について審議中です。なお、上位に入線した馬が審議の対象ですので、お持ちの投票券は、確定までお捨てにならないようご注意下さい。】


ターフビジョンにも【お持ちの投票券はー】と、写し出されていた。


「うーん…… どうなるんだろうな…… こんなことって珍しい。 こうなると結構時間かかるぞ。」


「ですよね。一着がどちらになるか…… 」


それから、僕達は馬券を握りしめて待ち焦がれた。


20分ぐらい待っただろうか?


再びアナウンスが鳴った。


【お待たせ致しました。第11レースの審議についてお知らせ致します。3番のリュウセイヒカリ号と12番のサナエキタル号の決勝線を入線についての審議でしたが、 写真判定とタイム計測の参考の結果

……】


僕らは食い入る様にアナウンスに耳を集中した。



【 …… 二頭の同時の1着と判定します。】


アナウンスの終わりと共に競馬場はどよめいた。 まさかの二頭同時1着!


ターフビジョンに赤地に【確】と出た。僕らは舞い上がりながら、 払い戻し器に足を向けるのだった。


先輩の払戻金は一番人気だったので、それほど倍率(オッズ)は高くは付かなかったが、 僕の方は結構な額になった。 10番人気が1着は相当なものだった。 先輩は興奮しながら、 「お前の奢りで飯でも食いに行こうぜ! そうだな、焼肉と酒飲みたいな! 」と、言われたので、一旦、 自宅に車を置いて、この焼肉屋に来たのである。





―――。






「本当に珍しいぞこんなことってさ! 今日はサナエに振り回される一日だったなぁ!」


先輩は顔を赤くしながら、 ビールと焼肉を頬張った。


「初めての競馬がこんなことになるなんてビックリしてます! さぁ、じゃんじゃん食べてくださいね。サナエキタルと早苗(さなえ)さんに感謝ですよ!ははっ!」


僕は鉄板に肉を敷き詰めていく。 嬉しくて嬉しくて、 注文もばんばんしていった。


先輩の言うとおりに今日の競馬は【サナエ】に振り回される日であった。


逃げるリュウセイヒカリをサナエキタルが追いかける。


逃げた先輩に早苗(さなえ)が追ってくる。


僕は心の中で笑ってしまった。



肉を敷き詰めた鉄板から先輩を見たら、 神妙な顔つきになっていた。 何かしたのか? 食べていた肉が生焼けだったのか?

気になって声をかけた。


「先輩どうかしたんですか?」


「いやな、 肉食ってるじゃん俺達さ。 牛肉とか豚肉とかさ ……」


「? 」


何が言いたいのだろうか? 僕は再度尋ねた。


「本当にどうしたんですか?」


「シーフェスタって言う競走馬が昔いたんだよ …… その馬の事を思い出したら …… ちょっとな。」




シーフェスタ



僕はおもむろにスマホで 【シーフェスタ 競走馬】と、調べ始めた。




ここまで作品を読んで頂きありがとうございます。 【競馬狂騒曲】はここで終わりにしたいと思います!


…… 歯切れの悪い終わりかたですかね?(笑) 実は、評判が良かったら、つづきを書きたいと思っています! 物語のつづきのキーワードは「シーフェスタ」と言う馬です。 この馬のモデルは「ハマノパレード」という実際した可哀想な馬です。つづくのかな?

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