魔王との食事
サブタイトルがすっげぇ壮大。
「で、魔王。お前就職できそう?」
「おう、なんとかな」
魔王と夕飯を囲むとか我ながら凄いことをしているなぁと思って約半年。
こいつらが来たのは半年前だからな。
「というか息子よりも就職遅れるって不味いぞ?」
「……やめてくれ。心に響くというか突き刺さるから」
目が一気に腐っていく。う~ん。実に清々しい気分だ。
念のため言っておくがこいつらは現状でもかなり強い。どうやら俺の家は実験に使っていたせいか魔力濃度がそこらのダンジョンよりも濃いらしい。
よって回復がかなり加速しているらしい。
まぁMPポーション1トンぐらい用意して空を埋め尽くすほどのICBMぶち込めば倒せるだろうが周囲への影響が大きすぎるのでやらない。
「というか息子の店の金って何処から出たんだ?」
「え、いや、それはその」
前々から気になっていたんだが、魔王(息子)の浩一郎(仮)君の開店費用とかって何処から出てきたんだろうか?俺は援助してないし。
「まぁ言いたくないのならいいや。俺の金使ってなければ」
「お前の金は使ってないから安心していい」
というか俺の家の飯の時間は早いのだ。俺が帰ってくる頃には基本的にほぼ一緒の時間に帰ってくる魔王と一緒に飯を食っているのもそれが原因だったりする。
「そういやお前さー。ここにきて半年たつけど、俗世になれすぎじゃない?」
「あー……それ言うなって」
どうでもいいが、魔王の趣味はネット掲示板でつぶやく事だ。
「娘とかもさー、スマホとか現代に染まり切ってるじゃん?それでいいのかよ」
「いいんじゃね?」
「いやでもさ。お前いずれ世界征服だっけ?そんなんするんだろ?」
「まぁ魔王だからな」
「世界征服したらどうすんの?」
「……考えてなかった」
こいつ馬鹿だ。魔王の癖に馬鹿だったわ。
「えー……」
「いやだって俺が魔王始めた理由知ってる?」
「いや、知らん」
「まー完全に話すと長くなるんだがな」
(;゜д゜)ゴクリ…
「簡単に言うとあれだ。若気の至り」
ヽ(・ω・)/ズコー
「若いころってさー。なんとなく、『今の俺なら何でもできるぜヒャッハー!』とか、『俺は他の奴とは違うからこんなこともできるんだぜ(キリッ』とかしたくなるじゃん」
まぁ誰にでもあることだよなぁ。声に出したりとか態度に出したりすると中二病だか厨二病だか言われるがな。
「で、俺はさ、たまたま読んだ本の中の魔王に憧れたわけよ。その中の魔王は本当にすごくてさ。圧倒的な存在感と威圧感が文章からでも伝わってくるような、そんな魔王だったんだ」
「ほー。魔王が本を読むとか珍しいなー。ずっと侵略してるのかと考えてたぜ」
「バッカお前。そんな事してたら心が荒むだろ」
魔王になっている時点でもう既に手遅れだと思うんですけど。
「はぁぁぁ」
「なんだよ?文句あるのか?」
「いや、俺が苦労して倒した魔王の元が小説ってなんか悲しくなってきた」
誰だって自分が苦労して倒した相手にはなんか凄い理由とかが欲しいものである。
うぅむ。文章評価が1ポイント。死にたい。まぁ書き続けるうちに上手くなっていくはず(願望)