魔王4人家族
魔王がなんで何回も出てくるのか?そりゃ復活してるからでしょ(暴論)
さって、何故俺の家に魔王親子がいるのかと言うと、勇者が魔王を倒した後、魔王が消滅したかに思われたのだが、魔王というのは面倒臭い存在で、別のところにダンジョンが生成され、いくらか力を失ってから再生させられるのだ。
よって魔王は何回でも現れるのだ。人類にとっちゃはた迷惑な話である。何回殺しても先延ばしにしかならないんだもの。
復活周期というものはなく、100年かかったりするものもあれば1年で蘇ったりすることもあるらしい。
さらにそこから力の再生に時間がかかり、結局倒してから3世紀ぐらいしてからだ。本格的に行動できるようになるのは。
で、その復活時のダンジョンの生成は完全にランダムらしい。空中だろうがお構いなしだ。
まぁ結論を言うと、復活時のダンジョンの座標が俺んちだった。しかも新築でアパートからやっと移ってこれたと思ったら中に魔王がいるんだもの。ふざけるんじゃないよ。
咄嗟にゴーレム1万体ぐらい出して取り囲んで圧殺しようとしたが無理だったので、仕方なくここに居候させているのだ。
1人目。魔王。職業はバイト。基本的に家電量販店でバイトをしており、最近は資格講座なんてものにハマっている。最近正社員になれそうらしい。名前は土田 謙三と名乗っている。
2人目。魔王(娘)。職業は中学生。絶賛反抗期なので魔王のメンタルをずたずたにしてくれる。いいぞもっとやれ。名前は土田 智広である。
3人目。魔王(母)。職業は主婦。おかんである。本人に言うと殺されかねないの注意。毎日タイムセールのおばちゃん達とセール品の取り合いをしている猛者。名前は土田 佳奈子である。
4人目。魔王(息子)。職業は喫茶店の店主。イケメン死ね。喫茶店”MAOU”の店主である。名前が安直すぎて笑える。料理上手いし礼儀正しい青年である。イケメン死ね。名前は土田 浩一郎だ。
4人家族である。家の主は俺だ。何故なら俺の家だから。関係性としては、表向きは叔父(魔王)の家族の家が燃えたので、移り住んだというものだ。
家を焼いたのは俺だがな。念入りにナパームとかICBMとかを使って完全に焼き払った。普通なら魔王の城が生成されるのに今回されないのはそのような理由がある。
「夕飯できてるわよー」
「ありがとうございますー」
魔王(母)には頭が上がらない。毎日夕飯を作ってもらっているし、家事とかもほとんどこの人に任せっちゃっている。
生活の中に魔王がいていいのだろうか?
魔王が完全に普通の家族になっているっていいよねって思う。