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第7話 通訳魔獣/マイペースな彼女!

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あらぶる けだものたちが あらわれた!


 二人(?)の餓えた荒ぶるけだものを大量のコンビニ飯で宥めた後、落ち着いた少女に視線を向けると、フローリングの床にペタリと座り込んでいた彼女はこちらに向き直り、深々と頭を下げて来る。


 少女が頭を上げた際に目がふと目が合い、そのまま見つめてしまう。眠そうな半開きの眼と緊張感のなさそうな表情……基本的に人見知り全開な俺は人と目を合わせるのが苦手だが、こういった緩めのテンションで生きていそうな雰囲気のする相手ならば大分気は楽だ。


 ライトブラウンのショートカットに、くりくりとした琥珀色の大きな瞳。かなり整った顔立ちをしているので、仕草と身だしなみに気をつけていれば、異性に不自由はしないであろう……が、この少女といい、アルブといい、なんというか色々と台無し感がある。


 ま、それはさておきこの少女は一体どうしたものだろうか……話を聞こうにも言葉が通じないんだよな。アルブのレベルアップ時に確認したところによると『異世界共通語』というのがあるようなので、別の世界の言語のようだ。


 やはり、ファンタジー投稿小説等にありがちな『飛ばされた世界の住人皆日本語』なご都合主義的展開は期待出来ないか……あ、いや、まぁ今の状況やDP交換で生活に不自由しない状態も充分ご都合主義だし、そんな都合良くはいかないよなぁ。


 ん? そうでもないか……レベルアップ時のステータス調整で言語取得出来るなら、こっちの言葉覚えられるコボルト作ればいいんじゃねーかな?


 とりあえず、ひとつ試してみようじゃないか、という事で、追加召喚して放置していた3体のコボルト達の中で1番知力の高い1体を選び連れて来る。


 コイツらは、犬耳と尻尾付けた美少女にしか見えないアルブとは違って完全なコボルトなので名前とかつける気はなかったが、この際名付けておこう。茶色い毛並みを持ったコボルトなので、ギリシャ語の茶で『カフェ』と名付ける。名前を呼んで腹の辺りをわしゃわしゃと撫でると嬉しそうに尻尾を振って喜んでいた。


 そして肝心の言語取得。レベルアップ時の振り分けポイントも全て知力へと割り振る。これで取得言語に『異世界共通語』と『現世界語』を取得出来た訳だ。


 で、早速カフェに通訳をさせようと、少女と会話させた訳、だが……少女はカフェを小脇に抱えるように抱き込むと、そのまま空いている部屋の一つへと消えていった。


 これは、どうしたものかな……と、呆気に取られていたが、しばらくして少女は再びカフェを抱えた状態で戻って来る。


「助けてくれテ、ありがト……う、わたしの名前ハ、パラール……です」


 おぉ、言葉を覚えてたのか。こんな短期間に言葉を覚えるなんて大したものだなと感心していると、パラールと名乗った少女は、抱きかかえていたカフェを俺の目の前にかざす。


「ηδБπολμπδγ」


「えぇと……この姉さん、ここ気に入ったからしばらく厄介になるって、言ってるッス!」


 あ…………マジで!? つーか、今初めてカフェが喋ってるのを聞いた。何かこいつ、早くも通訳アイテム扱いされている気がする


「δηοБγ、οδμπψφοηδπλγδημ」


 パラールは、空き部屋の一つを指して、そう言った…まぁ、何を言ってるのかはサッパリ分からないが、何を言いたいのかは、何となくニュアンスで伝わってくる。


「とりあえず、こっちの部屋使わせてもらうって言ってるッスよ」


……ですよねぇ、今のは通訳なくても分かったわ。つーか、そんなんアリなのか? ダンジョン製作は進まないが飯を食わせねばならない巨乳娘は着実に増えていっているこの現状に疑問を持ちつつも、決して反対はしないあたり、実に俺らしい対応だと我ながら思うのだった。



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