くもり空と歩道橋
本当にただただ思い付いた事を打ってみただけなので…
オチなし、脈なしです。すみません。
誤字脱字がありましたら、言って頂けると幸いです。
雑草が生い茂る草むらの中―
置いて行かれた歩道橋は佇んでいた。
長い間、雨ざらしになっていた所為だろう。
塗装は剥げ、全体的に赤茶けた色をしている。
「やぁ、こんにちは」
「…」
「今日はとても天気がいいね」
「…」
何も無い草原で、ただ沈黙だけが過ぎていく。
(…今日もご機嫌斜めかな?)
諦めて、階段に腰掛ける。
通り過ぎる風にざわめく草原の声―
白いカンバスのようにどこまでも厚く空を覆う雲―
ここだけ忘れ去られた穏やかで小さな空間…
「……どうして、ヒトは忘れるのかな?」
ふいに歩道橋は尋ねた。
「どうしてだろうね…」
何の取り留めもない時間が過ぎる。
「どうしてヒトは翼なんかを欲しがるんだい?」
今度は気まぐれに留まったハトが尋ねる。
「…どうしてだろうね」
不思議な時間だけがただ流れてゆく。
「どうしてヒトは意味や理由にこだわるのかしら?」
今度は柱の陰で横たわっていたネコがそう尋ねる。
「…どうしてだろうね」
そう云いながら立ち上がり、衣服の汚れを払う。
「じゃあ、またね」
と云い残して、またいつも通りの喧噪の中へと戻っていった。
あえて何の解決もしない物語を打ち込んでみました。
「解決しろよ!」と憤慨された方は、ほんとにすみません。
けれど、読んで下さってありがとうございます。