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第一章 起きれぬ闇の美女5
アルクは少し怖くなり、早足でその場を去ることにした。
やけに多い枯れ木に足を取られつつも、家の前にたどり着くことが出来た。
(一体なんだったんだろうか。そんなことよりも親父にドヤされる!)
アルクは恐る恐る家に入る。
そこにはヒゲモジャでがたいのやたらいい親父が腕を組んで仁王立ちしていた。
(目がいつもよりもつり上がってるんじゃないか?)
「名を呼んだよな、アルク」
「ち、違うんだ親父!」
「何がだ」
「まあまあ、アナタ。アルクも言い分があるみたいだし、聞くだけはしてあげましょうよ」
一触即発の雰囲気にお袋が助け舟を出す。
アルクの母親である、ヤサは物腰が落ち着いていて、少しゆっくりと喋るのが特徴的だ。
柔らかく微笑みながら喋るヤサはいつの間にか自分のペースに持ち込んで争いを避けることが出来る。
ひとえにその美貌と、落ち着く少しだけ低い声音がそうさせているみたいだ。




