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作者: 木下きみ
掲載日:2023/07/04

どこか知らない場所へ電車に乗って行ってみるのもいい。

それは逃げ出すのではなく、整えることなんだと思う。

取り返しのつかない、間違ったものではなく、もっとラクな方法で。

僕らは生まれるとき母と一本の糸で繋がっていた。


おぎゃあと鳴き声を上げ、世の中に出ていくとまた別の糸と繋がっていく。


それは学校の友人やバイト先の人、会社の同僚や上司、後輩、様々に繋がっていく。


僕から伸びた糸は宙ぶらりんの僕を繋ぎとめてくれる。



けれど時々それが絡まったようにうざったくて、嫌になる。


糸で周りが見えなくなって、自分が見えなくなって。


全部切りたくて、首をくくる。


気が遠くなって、真っ白になった景色に手を伸ばすと僕はいつの間にか一本の糸を掴んでいた。


泣いて、気持ち悪くなって、ゲロを吐いた。


いっぱい絡まっていた糸はもうなくて、ただ一本だけ糸がある。



間違った方法かもしれない。もっと他に手段があったのかもしれない。


けれど、体中に絡まった糸を切って、整理できた。


そして千切れてしまった糸の中から、本当に大切な糸だけを体に結んでいく。



それは太く、強く、僕を繋ぎとめてくれるから。

お読みいただきありがとうございました。

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