崩壊の兆し
「まさか、私がバスケで負けるなんてね」
「強かったですよ」
「敬語は使わなくていいよ。私のこともすみれと呼んで。私も君のことを和乃と呼ぶから」
なんか変わった人だな…
そんな感じで話してたら立場的な仲間が話しかけてきた。
「ちょっと!バスケはチームでやる競技でしょ!なんでボールを奪ってまで1人で行ったの!」
「そうだよ!信じられない!」
「だからみんなに嫌われてるんだよ、それがわかんないの?」
「仕方ないでしょ。バカなんだから」
と好き勝手言い笑っていた。
私、学力学年で3位なんだけどな。
まあいいや。
「まずさ、前提としてそっちがチームとして私のこと見てなかったでしょ。始めたのそっちなのに私に言われても困る。私はあなたたちの希望に答えただけだよ」
そう言ったら、ものすごく顔が赤くなっていた。
「ふざけないで!とにかくあなたが悪いの!」
「そうよ!」
はぁ。今日の弁当何かな?ハンバーグだったらいいな。
「ちょっと!聞いてるの…」
「はい、ストップ!!」
言葉を止めたのはすみれだった。
「確かに、初めの方からパスコースが空いているのにパスを打たなかったり、聞こえてるはずなのに和乃の言葉を無視したり色々していたのは君たちだよ。だから悪いけど、ここは引くべきだと思う」
「何よ、あんたには関係ないでしょ!」
「少なくとも…つまらない試合をさせられた私とチームのみんなは、あなたたちの行動に起こっているよ」
すみれのチームから静かな怒りを感じた。
それをこいつらも感じたのか、
「みんなして私たちをはめようとしているんだわ!覚えておきなさい!私は許さないから!」
と言って去っていった。
「本当につまらない連中ね」
「うん。私がアレンと話しただけでこれだからね。私には自由もないのかよ」
「だったら私のいるバスケ部に…」
「結構です」
「…はい」
すみれは面白い人だと思った。
あと、どこかアレンと似たようなものを感じた。
言葉には表しづらいけど、確かに似ているように感じた。
まあいいや。
早く昼放課にならないかな。
「で、なんでこんな状況に?」
私はアレンとすみれの3人でご飯を食べているのだった。
遡ること4時間目終わり。
やった!昼だ!
昼は好きだ。
ご飯を食べれるし、アレンとも話せるし。
さあ、音楽室へ
Let's go!
「お、来たね和乃ちゃん。さあ、ご飯たべよう」
「うん」
さてと、今日のご飯は何かな…
「ちょっと待って!」
そんな声が音楽室に響いた。
まさか…
「私も一緒に食べたい」
「断る!」
アレンがすかさず断った。
だが、そんなことは関係なく、
「私は和乃に聞いてるの」
「とか言って、どうせ他の女子と同じ理由だろ。ましてや和乃ちゃんを踏み台にしようとしているやつに、いいよなんて言うわけないだろ」
そして、すみれは心に響くことを言うのであった。
「今更だけどさ、あんただれ?」
そう。アレンの存在を知らなかったのだ。
そんな言葉を聞いてアレンは、
アレンは…
「いいよ。一緒にご飯食べよ。僕はアレンねよろしく♪」
嬉しそうにしていた。
おそらく、自分目当てじゃないと分かったからだろう。
アレン…そこはね、普通はダメージを負うところなんだよ。
なんで嬉しそうにしてるの?
「なんだか知らないけど、よろしくアレン。すみれだ」
「うん」
それからも2人は楽しそうに話していた。
なんの話題かって?
W A T A S I の話だよ!!
なんで?
なんで私なの?
もっとあるでしょ、弁当の話とかさ。
まあいいけど…
これからは疲れそうだな…
そう思いつつ、大好きなハンバーグを一口食べてにっこりしている和乃でした。