249.茜の命題
【アンケートのお願いです】
フェス編に登場してほしい人物がいれば、感想欄にてお答えください。各箱2枠なので『2.5D』の面々でももちろん構いません。
得票数で決まるアンケートではないので気軽にどうぞ。
「おとうさま、わたちたちは、きぞく、ではないのですか?」
祈坂茜は、眠い目をこすりながらそのように問うた。
「そうだね。確かに祈坂の家は旧華族に連なっていた。でも、それだけなのだよ。貴族が貴族らしくあった時代はとうの昔に終わっている」
仕立てのよいスーツを身に着けた男は茜の頭を優しく撫でる。夜遅くまで自分の帰りを待っていた娘の疑問に、男はできるだけ丁寧に答えようと思ったのだ。
「では、わたちたちは、へいみん、なのですか?」
「ふむ……」
男は少々考えた。
「茜は貴族になりたいのかい?」
「はい! わたちは、おひめさま、になりたいです! きっと、みんなほめてくれて、ほこらしいです!」
子どもらしい夢であった。普通の家であれば笑って流されたであろう話だ。しかし、祈坂の家はそうではない歴史があった。
「茜、残念だけれども僕たちは貴族ではない。茜もお姫様には、なれない」
「そうなのですか……」
意気消沈。しょんぼりとした茜を男は手招きした。
「茜、ここだけの話だよ? いいかい?」
「はい、おとうさま」
ひそひそと小声で。
「もう僕たちは平民だけれども――それだけじゃ嫌だから、僕たちは『旧華族』なんて名乗っているのさ」
ただ生きるのではなく誇りを持って生きるために。
男は自分とその父祖がどのように生きたかまでは語らなかった。それでも、茜には感じ取れるものがあった。
「茜お嬢様。君の理想をよく考えなさい」
「はい、おとうさま!」
貴族とは、お嬢様とはどうあるべきか。どう誇りを持って生きるべきか――そんな茜の命題が、ちょっとおかしな縦ロールに影響されたのはこれから十年少々後のことである。
「君が誇らしく生きられることを祈っているよ」
◇◆◇
「きっと……望まれていないとわかっています。ですが、ひとつ願ってもいいでしょうか?」
「いいぞ」
茜はエルフに願う。
上位チャット:ん?
上位チャット:なんだ?
上位チャット:茜さん?
「フェスの出場枠を私に譲っていただけませんか?」
上位チャット:え
上位チャット:えええええ
上位チャット:どういうこと!?
「私の誇りはお嬢様と共にあること。今は分不相応でも、私はそれに足る存在になってみせます。ですから、お願いします!」
ただの引き立て役ではリリカについていけない。けれど、エルフにその座を渡しては一生引き立て役から変われない。
変わりたいなら。誇れる自分になりたいなら。お嬢様の隣は絶対に離せないものだった。
上位チャット:おいおいおい
上位チャット:これは話が根底からひっくり返るぞ
上位チャット:出場枠もらったからエルフさんがここに遊びに来たんじゃないのぉ?
上位チャット:どうすんのこれ?
上位チャット:エルフさん!
「いいぞって言ったぞ?」
上位チャット:あ、それもう答えだったの
上位チャット:すっごいあっさりィ!
上位チャット:大きな箱では奪い合いすら発生するのにw
上位チャット:もうちょっと溜めを大事にしてもろて
「んんん。いいぞ」
上位チャット:大事にしてくれたw
上位チャット:お耳を前にきゅってするの可愛い
上位チャット:はぁああん
上位チャット:お耳民がちょっとだけしか反応しないぞ!
上位チャット:短かったからなぁ
「いい……のですか?」
「リリカ様も最初からそのつもりだろ?」
上位チャット:え?
上位チャット:え?
上位チャット:え?
上位チャット:なにそれどういうこと?
「オーッホッホッホ! ……いえその、わたくしが茜が奮起してくれることを期待したのは本当ですのよ? エルフさんならどうにかしてくれると期待したことも。でも、ここまで期待通りになるなんて思っていなくってよ? 怖いですわエルフ怖いですわ本当に怖いですわ」
上位チャット:早口なの草
上位チャット:ガチ感想じゃんw
上位チャット:人間に恐怖を植え付けるエルフ
上位チャット:顔の真横に矢を飛ばして「これは警告だ」とか言ったんだろうなぁ
上位チャット:で、どうするの?
「わたくしとしては、契約不履行は避けたいですわね。期待はしていましたけれど、ここまでしてくださったエルフさんに何も見返りがないというのはおかしいですわ」
「要らないぞ」
「いえ、ですけど」
「要らないぞ」
「そこをどうにか」
「要らないぞ」
上位チャット:返却拒否エルフ
上位チャット:どうすんだこれぇ
上位チャット:すみません、フェスの運営ですが……少々よろしいでしょうか?
上位チャット:お
上位チャット:お
上位チャット:お
「ん」
上位チャット:前例のないことではありますが……フェス運営はエルフさんに特別に出場枠を差し上げたいと存じます
上位チャット:おお!
上位チャット:おおお!
上位チャット:やったじゃん!
「いいのか?」
上位チャット:規約上は問題ありません。いざという時のために余裕は残してありますので運営上も問題ありません
上位チャット:おおー!
上位チャット:これでエルフさんも公式出場だー!
上位チャット:ですが、ひとついいですか?
「ん」
上位チャット:いえ、エルフさんではなくリリカ様
「オーッホッホッホ! 何かしら?」
上位チャット:そもそも出場枠を勝手に譲渡しないでください!
上位チャット:それはそうw
上位チャット:凄くそうw
上位チャット:誰もツッコまなかったけど言われてみりゃそうだったw
【別作品のご紹介】
――帝国に銃を並べるため、俺(英雄)は私(少女)となって成り上がる!
過去の自分が最大の障害。TS成り上がり戦記『その誇りに代えても』連載中です。もしお時間があれば、こちらもお楽しみください。
フォローと☆だけでもいただけるとはちゃめちゃに助かります。作家活動に直結するのでぜひお願いします。
https://kakuyomu.jp/works/16818093076213231611
【取り扱い先】
890部を超えました。ありがとうございます。BOOST分も売上に加算します。
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次回は3月8日(日)を予定しています。





