160.仲間アピール
~前回終了時の状況~
エルフ
キリシたん→序盤に炎太郎目撃と証言
炎太郎
占、ミソラ→●幼女
占、リク →●社長
キョーカ →死亡
社長 →幼女に襲われたと証言
幼女
※158話を修正し、以下のセリフを付け加えました。
「残りは生きてるの?」
「そうよ。……伝声管でエルフが言った内容とは異なるわね。死亡者はまだひとりよ」
「ヨーキか」
上位チャット:そうなりましたね
上位チャット:まあ、順当
上位チャット:エルフに自信ニキ社長の証言を信用した格好だな
俺 →ヨーキ
キリシたん →ヨーキ
炎太郎 →ヨーキ
占、ミソラ →ヨーキ
占、スタッフ→自信ニキ
自信ニキ →ヨーキ
ヨーキ →自信ニキ
投票は、自称占い師両名と容疑者両名がそれぞれ互いに投じ、残りの俺・キリシたん・炎太郎が揃ってヨーキに投じたことで、ヨーキに決定した。
「ワシは無実なのじゃー。ぬわぁーなのじゃー」
上位チャット:さようなら幼女フォーエバー幼女
上位チャット:俺たちは晩ごはんくらいまで君の勇姿を忘れない
上位チャット:短い
上位チャット:で、この後はどうなるんだ?
「はい、解説でーす。投票フェーズが終わったら、二日目の探索フェーズに入ります。それぞれの個室からスタートなので、人狼の出待ちで終わるってことはないですよ」
上位チャット:部屋割当はランダムかな?
上位チャット:案内板によると、完全ランダムじゃなくてそこそこ距離が開いてるらしい
「わからないことがあれば、ゲーム中に聞くって感じでお願いしまーす。準備はいいですかー?」
「おう」
「では、再開っ!」
上位チャット:ちゃんとお返事するエルフさん
上位チャット:えらい
上位チャット:さて、霊媒結果はどうか?
◇◆◇
『CO霊媒師よ。あたしから霊媒結果を報告するわ』
「お」
二日目開始から七分が過ぎたあたり。俺が食料庫でアイテムを集めていると、伝声管で連絡が来た。
上位チャット:キリシたんだ!
上位チャット:霊媒師らしいこと言ってー
上位チャット:「あなたは悪霊に取り憑かれています。ですが、この壺を買うと……今なら、なんともう一個付いてくる!」
上位チャット:悪霊を解決しろ
『酒呑幼子先輩は白。よって、ドレミソラ先輩はニセ占い師。リク先輩……と呼んでいいのかしら? リク先輩に黒出しされた社長は人狼よ。気を付けなさい』
上位チャット:げ、エルフに自信ニキ社長の証言、嘘かよ!
上位チャット:まんまと騙されたわ
上位チャット:というか、逆神様はニセ占い師なのに黒出ししたのか
上位チャット:度胸あるなぁ
上位チャット:エルフさん、最初に村人って言ってたけど本当に村人なんだよね?
上位チャット:右上に表示されてるよ
上位チャット:そうなると、大分役職が絞れて……
「よう、エルフさん。会いたかったぜ」
「炎太郎」
チャット欄がまとまらぬうちに、炎太郎とまた遭遇した。
上位チャット:まずーい!
上位チャット:エルフさん逃げてぇええええ!
上位チャット:え、どうして?
上位チャット:死んだ幼女とキョーカちゃんが村人だと仮定すると、残りの村人はエルフさんしかいないの!
上位チャット:それって要するにつまりもしかして
「炎太郎は人狼?」
「いかにも、俺様は人狼だったんだぜ! ガーッハハハハ!」
「そうか」
「げえっ!? し、しまった!」
先の予想通りなのか、食料庫は食料アイテムがたくさん落ちていた。それこそ、積み上げられるほどに。
だから、俺はその食料アイテム――が入っていたアイテムボックスを、炎太郎との間に崩したのだ。
上位チャット:おお!
上位チャット:うまい!
上位チャット:余裕こいてエルフさんを倒し損ねた人狼がいると聞いてw
俺は炎太郎に背を向けて駆け出した。別の出入り口から食料庫を飛び出し、炎太郎とは反対側に向けて走る走る。
長い廊下には、船室はあれど分かれ道がない。だが、階段までたどり着けば、分かれ道は大量にある。炎太郎を撒いて逃げおおせるはず――
「キリシたん」
廊下にキリシたんが立っていた。
上位チャット:今、エルフさん追われてるんです!
上位チャット:炎太郎がクマなんです! いや違った人狼なんです!
上位チャット:だから、キリシたんも逃げてー!
上位チャット:お
上位チャット:ん
上位チャット:え?
上位チャット:エルフさん?
上位チャット:なんで、立ち止まったの?
「誰だ?」
「……ふむ。存外、騙せないものだね」
「エルフに自信ニキ」
キリシたんのアバターから発せられたのはエルフに自信ニキの声だった。
上位チャット:人狼社長がいるぅーーーー
上位チャット:アバター交換アイテムかこれ!
上位チャット:挟まれたぁああああ
上位チャット:横! 横に逃げるんだ!
「逃げ場がない」
俺は横手の船室に転がり込んだ。が、そこは出入り口がひとつしかない狭い部屋で、アイテムさえもなかった。
上位チャット:あああああ
上位チャット:詰んだぁああああ
上位チャット:これはもう、どうにもならんね
「エルフさん、もしよければ、なぜ私が大名キリシではないと気付いたか教えてもらえないかね?」
「アイテムも取らずに俺を待っていたから」
「なるほど……。合流を急いだにしても不自然であったか」
ここはまだ食料庫にほど近い。廊下であろうとアイテムは多数散らばっている。
「エルフに自信ニキ、俺もひとつ聞いていいか?」
「何かね?」
「ヨーキに段差で避けられたのは、本当?」
「もちろん、嘘だ」
上位チャット:一応、低いところに逃げ込むエルフさん
上位チャット:助からないと思います
「がおー」
上位チャット:一応、仲間アピールするエルフさん
上位チャット:助からないと思います
逃げる手もなく、俺はエルフに自信ニキにがぶりといかれてしまったのだった。
エルフ →死亡
霊、キリシたん →序盤に炎太郎目撃と証言
炎太郎 →自称人狼
偽占、ミソラ →●幼女
占、リク →●社長
キョーカ →死亡
人狼、社長
幼女 →死亡





