第九十六話 怪しい話と怪しい奴ら
彼らの長のような人が、なにか話し始めた。
「例の件はちゃんと用意はしてあるか。」
彼がそう言うと、近くにいた男が、
「はい。もう位置についております、あとは待つだけです。」といった。
「そうか、失敗は許されないぞ。」
「「「「はい。」」」」
「やっと、あの忌々しい血が流れている者を一掃することができる。
「ですが聞いたことによると、少女はいないということですが。」
「まあいい、アイツラがいなくなれば彼女だって生きてはおられぬまい。」
忌々しい血?なんのこと?何を言いたいのかがわからない。だが、ヤバそうなことだけはわかる。
そう思って頭をフル回転させていると、ラヴィは私に強く抱きついてくる。危うく声を出しそうになった。
「ものはと言うと、止めているのに彼女を娶ったのが悪かったのだ。だから、あの忌み子が生まれることになったのだ。あんなに止めたのに。あんな平民を娶るなんて。あれは女狐だ。まあいい、」そうおとこはそう言って笑う。
気味が悪い。
今までの話を整理していくと、
・女狐と呼ばれる悪女?がいる
・彼女が高位貴族に嫁いだ?
・その子供が忌み子?
だが、どうも彼らは政権転覆を目論んでいる?
今年に入ってから高位貴族の中で問題があった人たちが重要な立ち位置から外されたと聞いた。それと関係しているのか?
よくわからない。足りないパーツが多すぎる。
わかるのは、この人たちがしようとしていることはかなり大きなことで国を揺るがすことになるかもしれないということだ。
命をかけるぐらいに。
そして、聞いてはいけないことを私達が聞いているということだ。
「眼の前に来たところを襲撃するのでいいですか?」
「それでいい。」そういう男はそういって天を仰いだ。
動くことができない。どう考えても私達がいることがバレれば殺されるだろうということはわかっていた。物理攻撃では相手に確実に叶わない。
何を私はすべきかと考える。
彼らが動き始める前にはここから逃げないとならない。
でも、ラヴィがいるから無茶はできない。
どうするべきか、でも時間の猶予はない。
すると、男たちが、動いた。何をするつもりなのか一つ一つの挙動を確認する。
するとある男がやってきて一番上と思われる人に耳打ちする。
すると、ある男が言った。
「予定通りパレードを奇襲する。言うのを忘れていた。全員生け捕りにしろ。必ずだ。」
パレードを奇襲する、ということはやっぱり目論見は王家か。
現在の王家になにかあるのか。
「仲間も予定通りパレードの軍に入り込めたようだからな。王たちは上にいるようで、民衆に手を降っているようだから、後ろに気づかないだろう。まあ、軍に入り込んでいる仲間もたくさんいるし。貴族もかなり寝返らせている。失敗はしないだろう、まあ、それが終わっても他の貴族を一掃するのが大変だがな。」
というか、王家は何をしているんだ、何も気づいていないのか、頭お花畑なのかとちょっと思ってしまった。周りの貴族もそうだ、何もしていないわけはないと思うのだが、
どう考えても穴だらけだろう、軍の中に怪しい奴ら入れれるなんて。
軍の中にいるまでしているから、貴族、それなりに地位があるものと見るべきか。伯爵家、辺境伯以上まあそれぐらいだろうか。




