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#84 最低最悪の出来事

「忙しそうだな、リテル。もう行くのか?」


「ごめん、ダイン兄貴。ゆっくりしていける時間はないんだ」


「そうか……じゃあ、これやるよ。俺が鍛えたんだけどよ」


 ダイン兄貴が手渡してくれたのは、手の甲から手首にかけてを覆う革製の防具。

 金属製のプレートが縫い付けてあり、今使っている革手袋の上から装備できるっぽい。


「これな、ここの留め具を外すと、ほら、刃が出てくる」


 金属製プレートの一つから、小さな刃を出せる仕掛け。

 で、その留め具を戻すと、刃は出たままで固定される感じ。


「縄を切ったり、武器を持っていないように見せかけて刃を使用したり、まあ、何かのときに役に立てばって程度の仕掛けだけどな」


「いえ、こういうのかっこいいです!」


 これはお世辞ではなく、俺らくらいの少年心をくすぐるというか。


「これ考えたのはヒューリなんだ。こいつはこう見えても面白い発想をするやつでな、この手の隠し武器ってのを色々考案してくれる。で、俺がそれをもとに試作してるんだ」


 なるほど。隠し武器か。

 紳士としては気が咎めはするが、生き残ること、ルブルムたちを守り抜くことを考えたら、そういう手段も十分アリだよな。

 もしかしたらヒューリがさっき片手を隠していた構えだったのも、そういう隠し武器を用意していたのかもしれない。


「リテルちゃんよぉ。俺からもお詫びのこれ、もらってくれなぁ」


 ヒューリからも何か渡される――なんだこれ?

 手のひらに収まるくらいの、スポンジ状の何か。軽く握ってみると、モワッと何かが出た。

 慌てて顔を背けると、ヒューリが笑っている。


「瘴気茸って言うなぁ、ジャ・バ・オ・クーの洞窟でたまに採れる地界(クリープタ)産の(きのこ)をなぁ、スポンゴスの中に入れてんだ。握りしめると瘴気によく似たガスが出てなぁ。範囲は狭いがうまく使えば戦闘を有利に進められるってもんよ。茸のお世話は毎日数滴の水を垂らすだけでいぃぜぇ」


 スポンゴスという単語を聞いて、ルブルムが俺の股間をチラ見する。やめなさい。


「おいおい、ヒューリ、いいのか? それ、けっこう苦労して作ってただろう?」


「オレっち、目が覚めたんよ。ラビツに負けて、さっきだって坊っちゃんに翻弄されてよぉ。腕力が同じなら負けていたかもしんねぇ。リテルちゃんよぉ。あれ、よかったぜぇ。出した気配と違う動きすんの。あれ、オレっち極めてみたくなったんよねぇ」


 いただけるというのなら、それはありがたく頂戴しておこうと思う。

 それにあの戦いは自分にとってもプラスになっている。

 素の攻撃力が足りないのなら、非魔法のこういった道具で補うのは立派な戦略だろう。

 一番大切なことは、守り抜くことなのだから。


「エクシにはこれだ。んで、ルブルムさんはこれをもらってくれ」


 ダイン兄貴がエクシ(クッサンドラ)に渡したのは、サンダルで使う革製の中敷き。中には小さなナイフが隠してあって、別に飛び出したりはしないんだけど、武器を持てない場所にも持ち込みやすいという。

 ルブルムに渡したのは、少し幅広な革製のリストバンド。これも内側に小さなナイフを隠せるようになっている。

 ナイフを格納できる内側には蝋を染み込ませた別の革を仕込んであるので、ナイフに毒を塗っておいても大丈夫だそうだ。


「すごいだろ。ヒューリはこういう小細工を考えるのだけはうまいんだよ」


「ダイン、それ褒めてねぇよぉ。だがなぁ、オレっち、目覚めたわぁ。一昨日、胸漁りに負けたときはオレっちにいいとこねぇなぁなんて落ち込みもしたけどよぉ。さっき目覚めたんだわ。むしろ小細工を極めてやろーっつって。リテルちゃんのあの技ぁ鍛えりゃぁ、胸漁りに不意打ちぐれぇ食らわしてやれっかもなぁって」


 ヒューリの決意表明よりも気になったのはラビツの二つ名「胸漁り」。

 そもそもは相手の懐へ簡単に入り込むほどの俊敏性から付いたようだが、ラビツがおっぱい好きと知っているともうこの二つ名が仲間内からのイジリなんじゃないかって思うほど。

 でも真面目な話、小細工を極めるってのは俺にとっても悪い話じゃないように感じる。

 身近にいた戦闘の師匠がメリアンだったから、いつもメリアンと自分との差異を感じてある程度の諦めを抱えてしまっていたのは事実だ。

 それがないものねだりだったのかもと、今回の一件で思えるようになった。

 憧れに惑わされず自分の長所を、できることを増やしていくってのは、現実的な方向性として一番正しい気がする。

 寄るだけ無駄だったかもと思っていたマンクソム砦だったが、それなりに得るものはあった。


 別れ際の最後に、ダイン兄貴から口止めを頼まれた。


「おぅ、エクシ、リテル。マンクソム砦の名前出したら親父とかケティとか心配するかもしんないからさ、ストウ村のみんなには黙っておいてくれよ。あと数年修行したら、またフォーリーに戻るつもりだし」


「わかりました。ダイン兄貴に会ったことは黙っておきます」


「頼むな」


 二人に礼を言い、俺たちはまずはショゴちゃんへと戻った。

 俺とエクシ(クッサンドラ)はホッと胸をなで下ろす。

 ダイン兄貴にエクシの中身のことは気づかれずに済んだようだ。


「エクシはここで休んでてくれ。あと、ルブルムは人目を引くから一緒に残っててくれ」


「リテルさま! 今度は僕の番ですか!」


「いや、ショゴちゃんには三人残っててほしいから、待っててくれるか?」


 マドハトの頭を撫でると、マドハトは嬉しそうな顔。


「はいです!」


 ダイン兄貴たちから得た情報を共有し、そのままロッキンさんと一緒に買い出しへ。

 松明や矢を多めに買い足し、食料も調達する。

 思いのほか早く情報を入手できたおかげで、昼過ぎにはもうマンクソム砦を出ることができた。

 昼飯代わりの小さなリンゴを齧りながら、再び黒き森へと入ってゆく。

 このペースだと、黒き森を抜けきる前にまた日が暮れるだろうが、今度は槍ではなく専用の道具も揃えてみた。

 とはいっても、松明を取り付けるためのただの長い棒だけど。

 丈侍(じょうじ)たちと遊んだ|TRPG《テーブルトーク・ロール・プレイング・ゲーム》でも冒険にはこういう長い棒が重宝してたっけ。

 ダンジョン内で罠のありそうなところを突いたりしたっけ――そんなことを少しだけ思い出しつつも、ショゴちゃんは順調に進む。

 俺はルブルムと偽装の渦(イルージオ)のフェイント練習を重ねた。

 マドハトはそんな俺たちを羨ましく思ったのか、うまくできないと()ね気味だった偽装の渦(イルージオ)に改めて熱心に取り組み始めた。




 日が暮れる。

 鬱蒼とした黒き森にはシュラットのウンセーレー・ウィヒトが当然のように出やがった。

 今度は落ち着いて例の棒松明を準備する。

 ショゴちゃんを牽いてくれている馬には俺とルブルムが再びつき、今度は速度を控えめにして確実に一匹ずつ炎で浄化しながら進む。

 昨晩はスピードが乗りすぎて浄化しきれないのを何度か馬にぶつけさせてしまったから。

 体調を崩しているエクシ(クッサンドラ)には御者席に座ってもらい、ロッキンさんとマドハトにはその両側のステップ部分で頑張ってもらっている。

 昨晩の後ろ側に配置したのは正直失敗だった。

 先頭の馬&俺たちが通過したタイミングで街道の脇から出てきた奴らが、ショゴちゃんの最後部で反撃していたロッキンさんやエクシ(クッサンドラ)たちに何度か触れたらしいから。

 ウンセーレー・ウィヒトはショゴちゃんの幌をすり抜けるということがわかったのだ。

 幌が逆に目隠しになり、真横からのすり抜け攻撃に気付けなかったとのこと。

 奴らの移動速度は遅く、後ろから追いつかれることはないのだから、全員でショゴちゃんの前半分に集まるというフォーメーションにしてみたのだが、これが大当たり。

 結果的に一度も接触されることなく、黒き森を抜けることができた。




 ニュナムからギルフォドへ向かう街道へと戻り、共同夜営地「ギルフォド一・マンクソム一・ニュナム三」に到着したのはもう空が白み始めてから。

 当然、メリアンとレムはもう居ない。

 俺たちもわずかに休憩を取ったらすぐに出発する。

 ようやくラビツの背中に手が届きそうなところまで来たのだ。

 感慨深いものがある。

 学ぶことが多かったこの旅も、ようやく終わりのときが近づいているのかも――なんて考えながら仮眠を取り始めたのが良くなかったのかもしれない。


「リテル、何か来る!」


 ルブルムに起こされた。

 まさか変なフラグ立てちゃったか?

 ルブルムの指す方向を確認すると、確かに何かが近づいて来ている――それも空から。

 その形をくっきりと際立たせるほどには空が明るい。

 巨大な鳥?

 いやでもなんか足がついてないか?

 頭の中に浮かんだ単語はグリフォン。

 ルブルムからもらった知識の中に「グリフォン」を探すが出てこない――また微妙に読みが異なるパターンか?

 だが似たような名前へ思いを巡らせている暇はない。

 そいつはショゴちゃんの上を何度か旋回し、明らかに俺たちとの距離を詰めてきた。


 弓の準備をしながら『魔力感知』の範囲を歪め、上空のそれをとらえようとする――が、うまくとらえられない。

 偽装の渦(イルージオ)か?

 ということは、魔法もしくは魔法的能力を使うってことか?

 矢の射程距離を伸ばす魔法を作ってみるか?

 例えば、矢が弦から離れる瞬間に弦から「ぶっ飛ばす」みたいな勢いを与えるとか。

 その間にもどんどん近づいてくる。

 もう普通の円形の『魔力感知』範囲内に入ったが、それでも寿命の渦(コスモス)は感じないまま。


「ロッキンさん、この先で森の中へ入れそうな小道はありますかっ?」


 敵が飛ぶなら上空から襲われにくい場所で応戦する方がいい。

 もっとも、あいつに仲間がいなければ、だけど。


「待って。もしかしたら」


 弓を握る俺の手を、ルブルムがそっと押しとどめる。

 もしかしたら?

 ルブルムには心当たりがあるのか?


「ショゴちゃんを停めて」


 ルブルムの声に応えてロッキンさんがショゴちゃんを停車させると、ルブルムは軽やかに外へと飛び出し、目深にかぶっていたフードを外した。

 朝日を浴びたルブルムの赤髪が光を含んで輝く。

 途端に向こうの反応が変わった。

 大きな飛行生物の背の辺りに突然、猿種(マンッ)寿命の渦(コスモス)が現れたのだ。

 同時に、その飛行生物自体の寿命の渦(コスモス)まで見えるように。

 偽装の渦(イルージオ)を解除したってことか?

 俺もショゴちゃんを降りて、ルブルムの隣へと立つ。

 さすがに矢は矢筒に戻しはしたが、弓は持ったままで。


 近くに降り立ったのは、鷲の上半身にライオンっぽい下半身が付いた魔獣。

 嘴は鋭く曲がり、鷲頭には普通の鷲とは異なり耳羽のような耳が付いている。

 朝日を浴びて金色に輝く体毛は美しく、気高ささえ感じるほど。

 どう見てもグリフォン以外の何者でもない――その背中から、小さな朝日が――いや、綺麗なハゲ頭がにゅっと突き出て見えた。


「モクタトル!」


 ルブルムが名前を知っているということは、知り合いなのだろうか。

 それにしてもショゴちゃんにつないである馬の怯え方が半端ない。

 グリフォンって馬を襲うんだっけ?


「おぅおぅ、久しぶりだなぁ、ルブルムよ!」


 グリフォンの背から降りてきたのは、亀の甲羅のようなものを背負ったスキンヘッドの精悍な中年男性。

 ちなみにサングラスやアロハシャツは着ていないし、爺さんでもない。

 ダボっとした長衣にマントを羽織っているその姿は、ファンタジーの魔法使いっぽい印象を与える――背負っている甲羅だけは違和感だけど。

 でも何より特徴的なのは眉毛――眉毛が赤い。ルブルムと同じ色の。

 ルブルムがホムンクルスと聞かされてなければ同郷の人かと思うところだった。


「やあ、君がカエルレウム様の新しい弟子かい。君の存在を知ったら、この国中の若い魔男(マグス)が羨ましがるだろうよ」


 ああ、やっぱりカエルレウム師匠は特別な人だったんだな。

 俺もかぶっていたフードを外し、片膝をつくお辞儀をする。


「はじめまして。リテルといいます」


「はじめまして、リテル。僕のことはモクタトルで構わない。そしてこちらが僕の使い魔というか相棒、グリュプスのトリニティだ。人の言葉は話せないが、理解はできる。耳も良いんだ」


 グリュプス!

 耳馴染みがある。ギリシャ神話でのグリフォンだっけかな。


「こんにちは。モクタトルさん、トリニティさん、よろしくお願いします」


 グリフォン――グリュプスのトリニティさんに対してもお辞儀をすると、トリニティさんは俺の動きに合わせて頭を動かした。

 地球でのお辞儀みたいに。


「ははは。カエルレウム様から聞いていた通り、面白い子だね。ただ、敬称は不要だよ」


 モクタトルは明るい人だ。

 声もよく通る。いわゆるイケボ。

 しかも腕まくりをしたその腕はそれなりに太い。

 そんなモクタトルは、ルブルムをぎゅっと抱きしめている――胸の奥がムズムズする。

 ああでも、ちょうど良かったよ。

 ルブルムへの気持ちが盛り上がり過ぎて苦しくなりかけていたから。

 こういう人が居たのなら、もし俺に何かあっても――モクタトルと目が合う。

 にっこりと微笑まれる。

 自分の気持が見透かされたようでちょっと恥ずかしい。


「やあ、リテル。次は君だ。こちらへ来てくれるかな?」


 モクタトルはルブルムから離れ、街道の端に寄り、手招きした。

 俺が言われた通り近づくと、突然ガバっと抱きつかれた。

 え、まさか両方の人?

 慌てて離れようとすると、小さな声で囁かれた。


「このままゆっくり二十数えるんだ」


 モクタトルのがっしりした腕が俺の頭を抱え込んでいる。

 俺は小さな声で、ゆっくり数を数え始める――そして止まりかけていた思考が動き出す。

 ゆっくり二十って、もしやアレ?

 皮膚と皮膚が触れた状態での、呪詛が伝染する条件。


「……クエイン・ラスタ、ミンクー・ラスタ、ユラスタ」


 言われた通り二十を数え終えると、モクタトルが俺から離れ、今度はマドハトを呼ぶ。


「護衛の方たちも念のため、こちらへ!」


 ――ということは――思考が希望と、希望を頂いたがゆえに予測と違っていた場合に訪れるがっかりへの警戒との間を揺れ動いていると、俺の視界を赤いものが遮った。

 ルブルムの頭。

 しかもタックル気味にぶつかってこられたため、少しよろけてしまった。


「ど、どうした、ルブルムっ?」


「試してみよう!」


 ルブルムは俺の右手をつかむと、自身の襟の開口部からその胸元へと誘導する――というか突っ込ませる。

 指先に触れる温かさと柔らかさ。

 俺の手が、ルブルムの胸の谷間に挟まれている――ちょ、ちょっと待って。

 何が起きている?

 モクタトルの眼の前で?

 動揺する俺を、ルブルムはやけに嬉しそうな表情で見つめる。

 慌てて手を引き抜く。

 その勢いに乗ってか、ルブルムの匂いが鼻に届く。

 桃にも似た、甘い香りが。

 混乱している俺に構うことなくルブルムは再びしがみついてきて、俺の股間を握りしめた。

 いつの間にか革手袋を外している手で。


「リテル、これが固くなった状態か?」


 指摘されてようやく気付く――自分が勃起していることに。

 勃起?

 勃起っ!

 頭の中が真っ白になる。

 その間、ルブルムは俺の股間を確かめるかのように優しく撫で続けている。


「ちょっ、ちょっ待っ」


 慌ててルブルムから離れようとした――が、間に合わなかった。

 この世界(ホルトゥス)に来てから一番恥ずかしい、最低最悪の失敗。


「リテル、温かいのが出ている」


 死にたい。

 初めて思った。

 そう思いながらも俺は自分の股間のコントロールがすぐにはできないでいた。

 遠い目で空を見つめ、現実逃避をしようとする。

 そんな俺を救ってくれたのが、モクタトルだった。


「ルブルム。これで手を洗い、そして馬車(ゥラエダ)の中へ戻っていなさい」


 モクタトルは予めわかっていたかのように、換えのズボンを二人分――俺とマドハトの分を用意してくれていた。


「呪詛は、出る部分を止めていただけで、作る部分を止めていたわけではない。そうなるのは健康の証だよ」


 だとしても、どうしようもなく恥ずかしい。

 よりによってルブルムの手の中で――いやちょっと待て俺の股間! 思い出すな! 紳士たれ!


「若いねぇ。ま、森の中で着替えてくるといい。で、古いズボンはこの袋へ。こちらには水を含ませたスポンゴスもある。拭くのに使うといい」




 俺とマドハトが着替えている間、ルブルムは今までの状況をモクタトルに説明していた。

 メリアンとレムが先行してはいるが、まだラビツ一行に追いつけていないことも含め。


「わかった。じゃあトリニティにはあと二人くらいなら乗れるから、ギルフォドまで先に二人運ぼう。残りの三人は申し訳ないが馬車で」


 ここでロッキンさんが「護衛なしというのは……」と少しもめたのだが、モクタトルがクスフォード虹爵(イーリス・クラティア)様と会見済みであることを伝えると静かになった。

 マドハトもすごくついて来たがっていたが、ショゴちゃんを頼んだぞとお願いして頭を撫でたら嬉しそうに了解してくれた。

 「魚は早く食べろ」とばかり、俺たちはトリニティの背中にまたがった――これは「善は急げ」と同じ様な意味のこの世界(ホルトゥス)(ことわざ)


 恐る恐るトリニティの背中へと乗る。

 その大きさたるや馬の背の比じゃない。

 正面から見た時は体毛に覆われて見えなかったが、トリニティは両翼を挟み込むように分厚い革ベルトで犬の散歩用ハーネスみたいなのを装備していた。

 革ベルトからはさらに、吊り革みたいなのが何本か伸びている。

 もちろんプラスチックなんかないので、輪っか部分もオール革製だ。


「それが(あぶみ)の代わりだ。足首に通してからしっかり巻きつけて固定しておくんだ。それからもう一つ、このベルトもしっかり腰に巻いて、ベルトから伸びている固定紐を、正面の(くら)にしっかり繋げて」


 動物に騎乗するときの器具は動物や形状に限らず「鞍」と呼んでいるようだ。

 ベルトのバックルをキツく締めて留める。


「乗ったら、鞍の手すりについている突起に、鐙紐の余った部分を巻きつけておくといい」


 言われた通りにして腰を下ろすと、トリニティに触れている部分から体温を感じた。

 すげぇ。

 グリュプスに乗ってるのか――丈侍(じょうじ)にも教えてあげたいよ。ファンタジーだぜって。


「リテル、もっと前へ」


 ドキドキしている俺の背後から急にルブルムが抱きついてきて、違うドキドキが心臓に追加オーダーされる。


「二人とも、もう少し前へ」


 モクタトルの指示通り席を詰めると、ルブルムの匂いがまた俺に届く。

 そんなに風呂に入れていないってのに、ほんのりと甘い匂い。

 さっきの恥ずかしい失敗を思い出す。

 加えてルブルムの呼気の熱が首筋にまで届き、そんなことでまた無駄に股間が反応する。

 ちょ、ちょっと待て俺の股間。

 ついさっきまでずっと紳士で通してきたってのに、突然手のひらを返したみたいになんなんだよこの体たらく。

 二人とも革鎧やらマントやらで肌が直接触れているわけでもないのに、こんなことくらいで――ヤバ過ぎるだろこれ。

 自分の中の冷静な部分が、健全な童貞男子ならばおかしなことではないだろうと擁護してはくれるが、それでもこんなに見境なしかよ自分、という罪悪感のようなものがとめどなく湧く。

 今まで自然にできていたことができなくなるというのは本当に困る。

 股間を紳士状態にする魔法でも作ってみようかなと本気で思うくらい。


「いやぁ、初々しいなぁ」


 モクタトルは笑いながら、ルブルムの背後へと乗り込み、トリニティが力強く羽ばたいた。

 浮遊感。

 空中へと浮き上がる。

 あっという間にショゴちゃんやマドハトたちが小さくなる。

 緑色に広がる景色の中に細く街道の線が一本引かれている。

 景色の素晴らしさと、グリュプスの背に乗っているという高揚感、そして上空ならではの寒さとで、股間の硬直は速やかに収まる。


「景色を楽しみたいかもしれんが、速度を上げたらトリニティの背中になるべく張り付くこと。風が強くなると呼吸がつらくなったり、飛ばされそうになるからな」


 言葉通りに従うと、トリニティの羽ばたきと背中と空しか見えなくなる。

 それでも心は喜びに震えている。

 こんな体験、普通できないもんな。

 ここが如何に剣と魔法の世界であっても、ストウ村であのまま狩人として暮らしていたら、きっと。


「リテル、具合はどうだ?」


 モクタトルの声。


「気持ちが高揚してますが、体調は悪くないです」


「カエルレウム様は一応、魔術特異症対策も施しておいたとおっしゃっていたから、リテルが勃起できたなら上書き呪詛は成功だ。というか、カエルレウム様が失敗なさるわけもないがな」


「リテルの勃起、あとでもっと体験させて」


「おいおい。お前ら、いつの間にかそんな仲なのか?」


 いや俺とルブルムは――心の奥が小さく(きし)む。


「ち、違いますよ。ディナ先輩の所で勉強って言って見られて、ルブルムはその続きのつもりなんです」


「リテルはディナ坊にも会ったんだ?」


 ディナ坊――その表現から、モクタトルがカエルレウム師匠の古くからの知り合いなのだとわかる。


「あ、はい。出発前の準備を色々と手伝ってくださって、一晩泊めさせてもいただいて」


 モクタトルが口笛を吹く。


「すごいぞリテル。ディナ坊のお屋敷入って生きて出てこれた男は初めて見たぞ」


 ディナ先輩と出遭った当初のことを考えると、冗談に聞こえない。


「もう薄々勘付いていると思うがな、ルブルムは僕の娘みたいなもんだ……ホムンクルスは男の精から創る。普通は精の持ち主に似たホムンクルスしか創れない。性別は男しかできないんだ。それを、女ホムンクルスを創ろうとしたのがカエルレウム様の研究の始まりでね。僕はその研究に精を提供する栄誉を得た、数少ない一人なのさ」


 確かにその条件、「精から創る」「精の持ち主に似る」だと、男しか生まれなくなる。

 いやいやいや、ということなら、俺はルブルムの手でアレしてしまったのを、ルブルムのお父さんに見られたってことか?

 やっぱり最低最悪だ。

 トリニティの背中に顔を押し付ける。

 獣臭くはない。

 いやむしろよく干した布団みたいな良い匂い――グリ吸いに救われる。


「だから可愛くてしょうがなくてな……カエルレウム様から男と一緒に行かせたと聞いたときにはちょっと大人げない感情が湧きもしたが」


 一瞬だけ殺気のようなものを感じたが、その直後、ルブルムが俺に強くしがみついた。


「なぁ、ルブルムが感情を表に出すようになったのは、リテルのおかげか?」


「誰のおかげかと言ったら、ルブルムが自分で乗り越えたおかげです」


「そうか……うん。リテル、君のことはだいたいわかった」


 その後の無言が怖いです……うわっ。

 急に体がふわりと浮いた。


「トリニティが風を見つけて乗ったんだな」


 翼を見ると、さっきまで羽ばたいていたのに今は広げたまま動かしていない。

 滑空している感じなのかな。


「なぁ、リテル」


「はい」


「もしもルブルムとどうにかなりたいって考えることがあったら、二人揃ってコーカ・スレースに挨拶に来い」


「はっ、はい!」


 つい、勢いよく答えてしまったけど――俺はこの旅が終わったら、リテルの体から出てゆくことを考え始めている。

 その後、俺は誰かとそういう付き合いができるような体を見つけられるのだろうか。

 俺にしがみつくルブルムの手に力が入ったのが、なんだかとても切なかった。


 その後、モクタトルは自分のことを語ってくれた。

 王都の西、コーカ・スレースには魔法を研究する施設があり、そこがモクタトルの仕事場であること。

 所属は一応、王国に仕える形ではあるが、そこに務める前から尊敬しお世話になっているカエルレウム師匠が一番であること。

 それからは、ルブルムの小さい頃の話。

 どのくらい可愛かったか、いや今もとても可愛いこと、そしてルブルムには自由に生きて欲しいということ。

 ルブルムに出会った当初、ルブルムがホムンクルスであることやアルブムとのことで悩んでいて表情もずっと固かったことを思い出し、俺にしがみついているルブルムの手に、俺の手を重ねる。

 互いに手袋越しなのに、ルブルムの手の温もりが届いた気がした。


「まだ少しかかる。ギルフォドに着いたら起こしてあげるから、少し眠りなさい」


 モクタトルのお言葉に甘え、俺は微睡みの中へ心を預けた。

● 主な登場者


有主(ありす)利照(としてる)/リテル

 猿種(マンッ)、十五歳。リテルの体と記憶、利照(としてる)の自意識と記憶とを持つ。魔術師見習い。

 ゴブリン用呪詛と『虫の牙』の呪詛と二つの呪詛に感染。レムールのポーとも契約。とうとう殺人を経験。


幕道(まくどう)丈侍(じょうじ)

 小三から高一までずっと同じクラスの、元の世界で唯一仲が良かった友達。交換ノベルゲームをしていた。

 彼の弟、昏陽(くれひ)に両親も含めた家族四人全員が眼鏡使用者。一緒にTRPGでも遊んでいた。


・ケティ

 リテルの幼馴染の女子。猿種(マンッ)、十六歳。黒い瞳に黒髪、肌は日焼けで薄い褐色の美人。胸も大きい。

 リテルとは両想い。フォーリーから合流したがリテルたちの足を引っ張りたくないと引き返した。ディナ先輩への荷物を託してある。


・ラビツ

 久々に南の山を越えてストウ村を訪れた傭兵四人組の一人。ケティの唇を奪った。

 アイシスでもやはり娼館街を訪れていて、二日前にアイシスを出発していた。ギルフォドへ向かっている可能性が大。


・マドハト

 ゴブリン魔法『取り替え子』の被害者。ゴド村の住人で、今は犬種(アヌビスッ)の体を取り戻している。

 元の世界で飼っていたコーギーのハッタに似ている。ゴブリン魔法を使える。最近は魔法や人生に真剣に取り組み始めた。


・ルブルム

 魔女様の弟子である赤髪の少女。整った顔立ちのクールビューティー。華奢な猿種(マンッ)

 魔法も戦闘もレベルが高く、知的好奇心も旺盛。親しい人を傷つけてしまっていると自分を責めがち。


・アルブム

 魔女様の弟子である白髪に銀の瞳の少女。鼠種(ラタトスクッ)の兎亜種。

 外見はリテルよりも二、三歳若い。知的好奇心が旺盛。


・カエルレウム

 寄らずの森の魔女様。深い青のストレートロングの髪が膝くらいまである猿種(マンッ)

 ルブルムとアルブムをホムンクルスとして生み出し、リテルの魔法の師匠となった。『解呪の呪詛』を作成中。


・ディナ

 カエルレウムの弟子。ルブルムの先輩にあたる。重度で極度の男嫌い。壮絶な過去がある。

 アールヴを母に持ち、猿種(マンッ)を父に持つ。精霊と契約している。トシテルをようやく信用してくれた。


・ウェス

 ディナに仕えており、御者の他、幅広く仕事をこなす。肌は浅黒く、ショートカットのお姉さん。蝙蝠種(カマソッソッ)

 魔法を使えないときのためにと麻痺毒の入った金属製の筒をくれた。


・『虫の牙』所持者

 キカイー白爵(レウコン・クラティア)の館に居た警備兵と思われる人物。

 呪詛の傷を与えるの魔法武器『虫の牙』を所持し、ディナに呪詛の傷を付けた。フラマの父の仇でもありそう。


・メリアン

 ディナ先輩が手配した護衛。リテルたちを鍛える依頼も同時に受けている。ラビツとは傭兵仲間で婚約者。

 ものすごい筋肉と角と副乳とを持つ牛種(モレクッ)の半返りの女傭兵。知識も豊富で頼れる。二つ名は「噛み千切る壁」。


・エクシ(クッサンドラ)

 ゴド村で中身がゴブリンなマドハトの面倒をよく見てくれた犬種(アヌビスッ)の先祖返り。ポメラニアン顔。

 クスフォード領兵であり、偵察兵。若干だが魔法を使える。マドハトの『取り替え子』により現在、エクシの体に入っている。


・レム

 爬虫種(セベクッ)。胸が大きい。バータフラ世代の五人目の生き残り。不本意ながら盗賊団に加担していた。

 同じく仕方なく加担していたミンを殺したウォルラースを憎んでいる。トシテルの心の妹。現在、護衛として同行。


・ウォルラース

 キカイーがディナたちに興味を示すよう唆した張本人。過去にディナを拉致しようとした。金のためならば平気で人を殺す。

 ダイクの作った盗賊団に一枚噛んだが、逃走。海象種(ターサスッ)の半返り。


・ロッキン

 名無し森砦の守備隊第二隊副隊長であり勲爵(エクウェス)。フライ濁爵(メイグマ・クラティア)の三男。

 現在は護衛として同行。婚約者のためにヴィルジナリスの誓いを立てている。世界図書館に務めるのが夢。


・ナイト

 初老の馬種(エポナッ)。地球では親の工場で働いていた日本人、喜多山(キタヤマ)馬吉(ウマキチ)

 2016年、四十五歳の誕生日にこちらへ転生してきた。今は発明家として過ごしているが、ナイト商会のトップである。


・ダイン兄貴

 ストウ村を六年前に出た、ケティの兄。リテルより七歳年上。犬種(アヌビスッ)

 フォーリーでの鍛冶屋修行では物足りず、一昨年からマンクソム砦で修行している。


・ヒューリ

 タレ目の犬種(アヌビスッ)。筋肉自慢。元「ヴォールパール自警団」と偽り娼館街でモテていたが、本物が現れたことで嘘が発覚。マンクソム砦でルブルムたちへ絡んできた。ダインとは娼館通い仲間。


・モクタトル

 カエルレウムを尊敬する魔術師。ホムンクルスの材料となる精を提供したため、ルブルムを娘のように大切にしている。

 スキンヘッドの精悍な中年男性で、眉毛は赤い猿種(マンッ)。なぜか亀の甲羅のようなものを背負っている。


・トリニティ

 モクタトルと使い魔契約をしているグリュプス。人なら三人くらい乗せて飛べる。


・レムール

 レムールは単数形で、複数形はレムルースとなる。地界(クリープタ)に生息する、肉体を持たず精神だけの種族。

 自身の能力を提供することにより肉体を持つ生命体と共生する。『虫の牙』による呪詛傷は、強制召喚されたレムールだった。


・ショゴウキ号

 ナイト(キタヤマ)がリテルに貸してくれた特別な馬車(ゥラエダ)。「ショゴちゃん」と呼ばれる。

 板バネのサスペンション、藁クッション付き椅子、つり革、床下隠し収納等々便利機能の他、魔法的機能まで搭載。


・ドラコ

 古い表現ではドラコーン。魔術師や王侯貴族に大人気の、いわゆるドラゴン。

 その卵は小さく、手のひらよりちょっと大きいくらいで、孵化に必要な魔法代償(プレチウム)を与えられるまで、石のような状態を維持する。


・シュラット

 元々は地界(クリープタ)の住人。人型で、全身を毛に覆われており、森に棲み、伐採の邪魔をする。

 かつてマンクソム砦を築く際、黒き森に居着いていたシュラットが大量に討伐された。


・ウンセーレー・ウィヒト

 特定の種族名ではなく現象としての名前。異門(ポールタ)近くで寿命によらない大量死がある稀に発生する。

 死者たちの姿で燐光を帯びて現れ、火に弱いが、触れられた生者は寿命の渦(コスモス)を失う。


・グリュプス

 鷲の上半身にライオンの下半身が付いた魔獣。体毛は朝日を浴びると美しく金色に輝く。

 嘴は鋭く曲がり、鷲頭には普通の鷲とは異なり耳羽のような耳が付いている。



■ はみ出しコラム【魔物デザイン グリュプス】

 いろんな異世界モノやファンタジーモノでグリフォンはやっぱり大事に扱われているなぁと思います。強さとかっこよさと知名度をあわせ持った魔物ですし。

 そしてグリフォン自体は『不思議の国のアリス』原作にも登場する由緒正しき魔物です。


・ホルトゥスにおけるグリュプス

 鷲の上半身にライオンの下半身が付いた魔獣。体毛は朝日を浴びると美しく金色に輝く。

 嘴は鋭く曲がり、鷲頭には普通の鷲とは異なり耳羽のような耳が付いている。

 馬が怯えている描写があるが、実はこれはグリュプスだからというわけではなく、動物が自身よりも強い生き物に対して自然に見せる反応である。

 作中においては一人の魔術師と使い魔契約を行っている。


・地球におけるグリュプス

 ワシの頭、翼、前脚と、ライオンの胴体、臀部、尻尾を持ち、耳は借りものではなく、この怪物特有のものである。グリフィンは時おり、妖精物語に登場することがある。

(キャサリン・ブリッグズ編著 平野敬一、井村君江、三宅忠明、吉田新一 共訳『妖精事典』より)


 グリフォン(フランス語: griffon, gryphon)、グリフィン(英語: griffin)、グライフ(ドイツ語: Greif)、グリュプス(グリュープス、ラテン語: gryps、ギリシア語:γρυψ)。鷲(あるいは鷹)の翼と上半身、ライオンの下半身をもつ伝説上の生物。

 語源は古代ギリシア語のグリュプス(γρυψ)で、「曲がった嘴」の意味。古くから多くの物語に登場しており、伝説の生物としての歴史は古い。

 古くはヘーロドトスの『歴史』やアイスキュロスの悲劇(前5世紀中葉)が、アリステアース(前7世紀)による中央アジア北部の地誌を残しており、これによれば黄金を集めるグリュプスと言う禽獣と、その黄金を略奪する単眼族のアリマスポイ人との抗争があるとされる。

 ただこれら古い文献ではグリュプスは嘴を持つが「犬」だとも形容されていて、あるいは翼を持たなかった動物ではなかったか、との推察がある。しかし後、大プリニウス(1世紀)において、グリフォンは有翼で長耳だと初めて明記された。ただし同時代のテュアナのアポロニオスによれば、グリフォンは真正の鳥翼は持たず、足指間の膜によって、ごく近距離の跳躍が可能なのだとする。

 またグリュプスは旧インドの北部にいるとクテシアスはしており、また、ヘーロドトスも知るインドの巨大蟻が黄金を集める伝承も、グリフォンの伝説に混合していると考察されている。

 アイリアノス(3世紀没)の記述における脚色以降は、概して新たな材料の追加はなく、その後の西洋のグリフォン伝説は主に古典の取捨選択に過ぎないとされるが、グリフォンがその巣にメノウや石を置くという伝説は後発的なものである。

 イラン神話では、鷲獅子を意味する Shirdal という名で登場し、紀元前3千年紀初期頃のスーサ製シリンダーの封印にも見られる。その後も、古代イラン芸術、古代ギリシア芸術や、その後の中世の紋章など、多くの芸術でモチーフとされている。

(Wikipediaより)


 『プリニウスの博物誌』7巻2には、金鉱山に棲む半鷲半獅子の羽がある怪物で、金を略奪しようとする単眼のアリマスピ族と争っているとか、同じく10巻70には、エティオピアにいる、耳と恐ろしく曲がった嘴をもつとか、その程度の記載であるうえに、プリニウス自身は「作り事だとわたしは判断する」とさえ書いている。

(プリニウス著、中野定雄・中野里美・中野美代 訳『プリニウスの博物誌』縮尺版IIより)


・グリュプスのデザイン

 伝説の最大公約数的イメージに落ち着いています。


・おまけ

 『不思議の国のアリス』は英語で書かれた物語ですが、原文では「Gryphon」(フランス語)なんですよね。

 ハリー・ポッターにおけるグリフィンドールは「Gryffindor」ですが、象徴する動物はグリフィンではなくライオンですね。


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