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エドワード1

空は青く海も穏やかで

早朝の為か砂浜には自分ひとりだけだ


「いつでも会えるっつったのに…あれから一度も会いに来ないな?」


その声は相手に届かず風で消えた。



あれは、数年前ーーー


見習いの仕事を始めたばかりで

上手くいかず、砂浜にバタっと倒れ

目を閉じて反省をしていた時だった。



「人間?…死んでるの?」


そんな声が遠くから聞こえ

徐々に近づいてきた


誰かがつんつんと頬を突いてくる…

無視だ。無視。俺は誰かに構える程、今は元気がない。


そもそも人間以外に何に見えるんだ。



「…暖かいし…息もしてるわね」


ふっと笑う気配があり

釣られる様に目を開けてしまった。


そこに吸い込まれてしまいそうな青色の瞳があった。


透き通る様な白い肌と海に溶け込む様なパウダーブルー色のウェーブがかった髪の女の子



……いや、近っ!!!!?



ごっんっつ


ーーーーーったぁあああた。



「〜〜〜っあなたね!!急に起き上がったら、こうなる事も分からないの!!!?」



思いっきり頭をぶつけられて

痛みで涙目になっている女の子がキィキィと抗議してくる。



「…ご、ごめん。つい」


「私を誰だと思っているの!?シャーロット様よ!ま、人間には分からないかしら?」


なんて言いながら尾鰭をふるふる振る



ーーーーーーーえ?



「人魚の姫なのよ。ま、私は心が広いから許してあげるけど?そのかわり人間の世界の事を教えてちょうだいーーー」



びし!!!っと指を差す彼女に

戸惑いを隠せなかった


けどーーー


「…ぶッ……ははッ」


「何よ!?何で笑うのよ!?」



悩んでいた事が馬鹿らしくなった。



ーーーーーーーーー



早朝に海に行くと必ず彼女が居て前日の出来事を話したり、普段の生活について教えながら

次はどんな話をしようかと浮かれていた。


すぐにお互い愛称で呼び合う様になった。

テディとシャルーーー



シャルは喜怒哀楽のハッキリしてる。

表情が変わる度に

俺は彼女に惹かれていたんだろう。

一緒に居る時間が楽しかった。




「私はいつでも会えるわよ!さぁ、次の機会はいつかしら?」



彼女の姿が瞼の奥に浮かぶ。



会えない日がやってくる事なんて考えても無かった。




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