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「先輩飲みすぎじゃないっすか?ビールピッチャーで2つも開けてどうなっても俺しらないっすからね」
顔を赤らめた田中が注意してくれたが、こんなの飲んでなけりゃやってられん
「わかってるよこのぐらいじゃまだまだ飲んだ気がしねぇな、おーいそこのねぇちゃん日本酒追加~」
正面にいる後輩の顔が引き攣っているきがするがせいだな
「はーい只今お持ちしますね」
「あっお姉さんお水もピッチャーでください」
「はーいかしこまりました」
2時間後
「うっぷ、気持ち悪いゲロ吐きそう」
視界がグルングルンしてまるで地震でも起きているかのような揺れだ
「だーから言ったじゃないですか飲みすぎですって」
すると突然後輩の電話がなった
「もしもし田中ですけど、え、妻が倒れた!?すぐに行きます。どこの病院ですか、東病院ですね直ぐに向かいます」
ぼんやりとしたなかでも後輩の奥さんが倒れたことだけは聞き取れた
「おい田中さっさとタクシーでも捕まえて行ってこい」
「え、でも今の先輩を置いていくわけには…」
かすれた視界には焦った顔をしながら俺を心配する様子がみてとれた俺は、財布の中の紙幣を後輩に全部握らせ、
「この程度の酔いは経験済みだっての、それより奥さんやばいんだろさっさといってやれ」
「先輩、ありがとうございます今度何か奢ります!」
少し迷った素振りを見せてから駅の方に走っていった
「ったく世話のかかる後輩だな、俺には奥さんなんていないが、先輩と自分の妻を測りにかけるかねぇ」
実際のところ死ぬほど気持ち悪かったのだか、こんな先輩の介護より奥さんを優先しろってんだと呆れた
「そろそろ俺も帰るかなっとあぶねえ」
千鳥足でフラフラしながら歩いていると電柱にぶつかりそうになった
「あー今日は飲みすぎたなオロロロロ」
電柱に吐いた瞬間視界が黒く染まった