「一生のお願い」についての勘違い
※諸説あります
「〜〜くん! あの子を助けてあげて、一生のお願いだから!」
「……ったく、一生のお願いって、毎回それじゃないか。一体これで、何回目の一生お願いだよ!」
……こんなやりとりを聞いたことはないだろうか。
私は、ある。
無論、私に対してそんな「一生のお願い」なんていう崇高なことをしてくれる友人などいるはずもない。だからこれは、又聞きというか他人事の話ではあるけれど。
いいよね……そういうことを気軽に言い合える親友や異性の友達がいたら、人生はもっと華やかになるんだろうね……
閑話休題
このシチュエーションを振り返ってみると
Aさん(仮称)がBさん(仮称)に「一生のお願いだから!」という言葉を使っていて
BさんはAさんに対して「何回目の一生のお願いだよ」と返している。
要約すると、Bさんは「一生のお願い」=「一生に一度のお願い」だと認識していて、一生に一度のはずのお願いを何度もしているAさんのことを「こいつ、もしかして俺の気づかないところで生まれ変わりを繰り返しているのか?」と疑念を抱いているシーンです。
まあ、女性は男性と違って、蛇が脱皮を繰り返すように(あるいは不死鳥が灰の中からよみがえるように)、定期的に死んでは新たなる命として再誕することを繰り返していますからね。
男性目線からしたら違和感を感じたのかもしれません。
ですが……
Bさんは、今回の場合は偶然にも真実に近づいてしまったわけですが、「一生のお願い」の意味合いに関しては、はき違えていると言わざるを得ません。
どういうことかというと……
そもそも「一生のお願い」=「一生に一度のお願い」という意味が間違っているということです。
正しくは「一生のお願い」=「私の一生をあなたに捧げるほどのお願い」なのです。
つまり彼女は「私の一生をあなたに捧げてもいい。だからあの子を助けて欲しい」という、自らを犠牲にしてでも誰かを助けたいという、崇高な願いだったわけです。
おそらく彼女、Bさんは、Aさんが「わかった。だったら力を貸してやる……その代わり、お前は明日から俺の奴隷な!」と言われていたら、それに従っていたことでしょう。
あるいは、自らの身を差し出すことこそが、Bさんの真の目的だったのかもしれませんが……いえ、そこまで行くとさすがに邪推でしょうか。
Bさんが「何回目の一生のお願いだよ」と言っていることから分かるように、AさんはBさんに、何度も繰り返し「一生のお願い」をしているようです。
もしかしたらAさんは「いつになったらこの人は、私のことをもらってくれるんだろう」とやきもきしているのかもしれませんね。