2/4
漂う
とくん、とくん。
規則正しい音が聞こえる。
それに伴って、体の回りを覆っているぬるま湯が、ちゃぷちゃぷと音をたてる。
目が、開かない。息が、できない。
苦しくはないけれど、どこか窮屈。
身動ぎもろくにできやしない。
あったかい。あったかい、けど。
どこなんだろう。ここ。
なんて、思っていると。何かに、押されているような、引っ張られているような気がして。
それに身を委ねていると、ぐ、と体が捻れた。
遠くに聞こえる声に向かって、がむしゃらに。ただ進んで、進んで。
少しの引っ掛かりを感じたら、冷たい空気を感じた。
ずっと水の中にいたから、思わず身震いをした。
とん、と暖かい何かに支えられて。
一拍遅れて、おぎゃぁ、おぎゃぁとなきだした。
―ん?おぎゃぁ?
え、
え。
まさ、か。
赤ちゃんに、なって、る―?